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ラップと冷蔵庫と創作

眠たすぎてあまり何も考えられない。だがしかし今私がやらなきゃいけない最低限度のネタや小作業がたんとある。本当はもっとあるのだが最低限度という狭き門をくぐり抜けていただいた。狭き門をくぐり抜けたはずなのに合格者はいっぱい。めでたない。別に忙しいわけではない。他の芸人と何も変わらない。理由はわかっている。精子と卵子、各々がどうでもいい用事を済ませてから受精してできたのかというくらい先天的に後回しにしまくる私はこうやっていつも締め切り前とかライブ前に自ら酸素が薄い地域にいかなければならない。やらなきゃいけない作業には丁寧にラップをして冷蔵庫にしまっている。また後で食べる。絶対また後で食べるって。ほんまかいな。ほんまやて。
本当はラップしてる場合じゃなくてもっとやらなきゃいけないし、歩みを止めてはいけないのだが、結構綺麗にラップをしてしまった。冷蔵庫に後で食べると宣言した昨日のおかずが残っているとき、心にちょっとしこりがある。食べないとな〜と思っても今食べたいのはそれじゃない。ラップをされたおかずもちょっとだけつままれたもんだから皿の上でのバランスが悪い。もっと綺麗に盛り付いてたら食べれるのにななどという言い訳は得意である。相談にも乗れるで。
バケモンの先輩に「ネタ書いてるときハイになるよな!」とキラキラの目で言われて反射的に「そうですね!」と言ったが、そんなわけはない。ハイになるなら冷蔵庫に入れない。いや確かに思いついてるときは楽しいが、思いついてないときは地獄でしかない。目がキラキラすぎたら、人の返事は事実をひん曲げてでも肯定に向かうらしい。宝石目ん玉の先輩は面白さもセンスもキャパも段違いである。私の想像を絶する苦労をしてそれでも創作で新しいものをバンバン出すのはすごい。尊敬である。私はネタが出ない地獄のときはどれだけ捻っても、散歩しても、飯食ってもなんも思いつかないときは思い付かない。助けを乞うために見たネタ帳の走り書きに落胆する。ネタ帳の下の方に「枕がきもちい」「サウナがきもちい」「小さい幸せ」と書いており嗚咽する。なんのネタを作るつもりだ。それで生きてるならそれでいいやん3種。右上に「もうちょっと人生にファイティングポーズ取った方がいい」と書いていた。ネタ帳の緯度が違うだけ人はこんなに変われるのか。ちょうどカナダの位置で戦闘モードになっている。このネタ帳地獄地図から脳汁出てるほど悩み苦しんでいるのが見て取れる。会社帰りの疲れたおじさんが立ち飲み屋で遠くを見ながら瓶ビールを飲んでいるくらい微笑ましいなと思ったが、自分のネタ帳見て微笑ましいなんて思ったら終わり。かわいくもなんともない憎らしいだけ。俯瞰で見るのが一番危険ですわ気をつけよう。
創作、なんてかっこいいこと言うてるが要するにネタや企画、トーク内容などが締切ギリギリまで出なくて焦っているのである。面白いことがポンポン思いつく頭に生まれたかった。

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