2021年よかったアルバム(2022/08/01追記)
はじめに
2021年のまとめでも少し触れたように、何かと忙殺されていたために映画やアニメを観る本数はグッと減ってしまったが、音楽は例年以上に聴いていたように思う。
数えてみると少なくとも月に10~20枚は新譜を聴いていた。
元々楽しみにしていたものだったり、Appleのアルゴリズムに導かれたり、SNSで見かけたり、友人から薦められたりときっかけは様々だ。
ここでは2021年に聴いてよかったアルバム(EPまで込みで許してください。)について記していく。
(名前順に並べています)
2021年に発表されたアルバム(またはEP)
SNS / Analogfish
Analogfishは数年前から聴き始めたが、毎作色が変わっていて非常に面白い。
今作は先行カットされていた「Saturday Night Sky」に感じられるようなシティポップ的要素が強められており、静かな印象があった前作よりも動きがあるように感じられた。
Threesome / Baby Boys
USの3スリーピースバンドらしく如何せん情報が少ないが、ポップを基盤にしつつ多ジャンルを混ぜ込んだような曲が本当に良い。
こんなに良かったら本国ではかなり人気を博しているのではないかと感じたが、MVの再生回数を鑑みるとどうやらそういう訳ではないらしい。
特に3曲目の「Gone」が好き。
DIARY KEY / Base Ball Bear
Base Ball Bearは中学生の頃から聴いているが、新譜が出る度に「良いな」と思う。基盤はしっかりとしていながらも、次々と新たな要素を取り入れており、聴いていて飽きる部分がない。
2曲目の「プールサイダー」の歌詞の一節で「何が面白いっTender」と出てきた時は妙な安心感があって嬉しくなった。
時間 / betcover!!
一枚通して不穏なリズムと重厚な音に支えられており、聴き終わった後になかなか頭から抜けなかった。
好きな日本語の語り方で溢れている。
5曲目の「島」が特に魅力的。
Meet the Parents / Chinatown Slalom
Chinatown Slalomは2021年に知ったバンドの中で一番好みかもしれない。
前作を初めて聴いたときに「これは本国でめちゃくちゃ…」と思い調べたが、そうではなかったことに本当に驚いた。
前作はSuperorganism的なポップにノイズや他要素を加えた独自のもの…といった格好良さがあったが、このEPは引き算といった印象。
そのこともあってか軸のようなものが見えてとても面白かった。
Youtubeに上がっているセッション映像も非常に面白いものばかりでおすすめ。
Larderello / Dos Monos
3MCからなるHIPHOPクルーDos Monosの2ndアルバム。
ジャズや現代音楽、様々なジャンルの音楽に裏打ちされたトラックと、個々の個性が際立つマイクリレーが本当に格好良く、毎日のように聴いている。
本当に格好良い。
全曲本当に良いが、特に「medieval」が好き。
A Daze In A Haze / DYGL
前作から2年?ぶりの3rdアルバム。
1stと2ndはインディポップ的な良い粗さが魅力の一つだったが、今作は一気にスケールが広がり、音が少しまろやかになった気がする。
良い軸の部分は変わらず格好良かった。
life's a beach / Easy Life
イギリスのハイブリッドポップバンドEasy Life初?のフルアルバム。
数年前から新譜が出る度に真っ先に聴くほどにはには好みで、待望のアルバムも本当に良いものだった。イントロとアウトロの意識がしっかりとあるアルバムで、聴いていて非常に心地よく、ヒップホップ、ジャズ、ポップなど様々な要素を織り込んだ個々の曲も非常に魅力的。
5曲目の「daydreams」が特に好き。
if i could make it go quiet / girl in red
一曲目の「Serotonin」が今っぽいジャンルの混ぜ方で突出して良かった。
「この曲のMVがこうなるのか」と思う程にはMVもかなりはっちゃけていてる。
20,Stop it. / KID FRESINO
聴いただけでKID FRESINOの曲と分かる強さがあってとても格好良い。
カネコアヤノや長谷川白紙との楽曲も本当に良いものだが、中でも12曲目の「Rondo」が良かった。構成的にアルバムの締めの一曲にあたり、優しいながらもどこか儚さを感じさせるようなメロディがとても心地よい。
dimen / NOT WONK
「2021年で良かったアルバムは?」と聞かれて真っ先に思い浮かぶのはNOT WONKの「dimen」だった。前作からさらにスケールが広がり、音が豊かで本当に良い。アルバムの構成も一切隙がなくて格好良い。
「slow burning」の中盤、突き抜けた先にある高揚感を味わうために何度も繰り返して聴いている。
To See the Next Part of the Dream / Parannoul
これが好きなんだろうと突きつけられるようなオルタナティブ。
シンプルな曲調で特段展開が激しいといった訳では無いにも関わらず、1曲5~10分ある長尺の音を連続で聴かせる剛腕を感じる。
LOWPOPLTD.辺りが好きな方にもおすすめできるのではないか。
Really From / Really From
ジャズサウンドとバンドのバランスが前作よりも進化しているように感じられた。一枚通して聴いていてとても心地良く、本当に良いアルバム。
1曲目の「Apartment Song」と「Try Lingual」が特に好き。
無限のHAKU / ROTH BART BARON
前作とはまた異なる広がりがあって非常に良いアルバムだった。
聴き終わった後にスッと救われた気持ちになる。
SIREN PROPAGANDA / SMTK
フリージャズ的な演奏を軸として、他ジャンルと組むことで一枚で色々と豊かな音楽を聴けてとても楽しい。
Dos Monosきっかけで聴いたが、このアルバムを通して個々のMC像が際立って感じられた。
「Diablo(feat. 没 a.k.a NGS)」が特に好き。
SPIRIT OF THE BEEHIVE / ENTERTAINMENT, DEATH
米フィラデルフィアのインディ・ロック・バンドSPIRIT OF THE BEEHIVEの4thアルバム。今作しか聴けていないが、不穏でありながらどこか妙な明るさがあって非常に面白いアルバムだった。
MARK 3020 (Live) / SuiseiNoboAz
熱がこもった本当に良いライブ盤。
よすが / カネコアヤノ
淀んだ世界の中でも日々の澱を掬い上げて照らしてくれる一枚。
THE TAKES / テークエム
ヒップホップのフルアルバムにしては曲数が多く尺が長いのではと感じたが、聴いてみるとまったく隙が無かった。
所謂ヒップホップ的な強さを演出するのではなく、内省的に沈む部分も多く、一般的なギャングスタラップだけを聴いてヒップホップを忌避している人にも届くのではないかと思う。
Tele倶楽部 / ピーナッツくん
ショートアニメ『オシャレになりたい!ピーナッツくん』の主人公であり、Vtuberとしても活動するピーナッツくんの2ndアルバム。
ヴァーチャルと現実、どちらの肉体も魂も持っている立場からでしか綴れない楽曲に溢れている。タイトルにあるようにあらゆる「匂わせ」を醸しながら、自分のアイデンティティだけでなくヴァーチャルな存在自体への言及も多々あり、ピーナッツくんという存在にしかないバックグラウンドを見事に昇華しているように感じた。
所謂キャラクターソングでは決して無い。
アルバム全曲について本人が語っている記事も非常に面白いのでおすすめ。
4巻.zip / ひがしやしき
オタクが過剰すぎると思う側面がありつつも、演出ではなくこれが純粋な域なのかもしれないと思わせられる瞬間がある。トラックもどれもキャッチーで良い。
不老の二次元美少女と広がり続ける年齢差、終わった作品への鎮魂歌、それでも人生ちゃんは続くらしい。
何故かは分からないが「真剣で私を頃しなさいっ!」を聴いていると、頭の中で存在しないアニメーションが動き出す。
月の兎はヴァーチュアルの夢をみる/月ノ美兎
Vtuberとして活動している月ノ美兎の1stアルバム。
ピーナッツくんとは違う形で、アルバムという媒体を通じてVtuberひいては月ノ美兎が持つ多面性を表現しているように感じさせられた。
3曲目の「ウラノミト」はベースラインも魅力的で本当に良い。
おわりに
とりとめもない粗末な感想だが、2021年は上に並べたアルバムを聴くことが多かった。こうして並べてみると、年々触れる音楽のジャンルが広がっているようで、とても面白い。
Apple Musicでは今まで触れる機会がなかったであろうアフリカの音楽などもオススメに上がってくることがあるが、どれも非常に面白く、まだまだ聴いたこともない音楽があることに気分が高揚する。
2022年はさらに色々なものが聴けると良いな。
番外編
Axolotes Mexicanosの「Oshare Kei」という曲なのですが、耳馴染みの無い言語が流れる中で、唐突に"知っている"声が聴こえてくるのでオススメです。
追記(2022/08/01)
昨年度の作品で聴き逃してしまっていたものについて追加させてください。
流石に無視してはいけないものがありました
Bedroom Rockstar Confused / Lil Soft Tennis
Lil Soft Tennisというアーティスト名から既に途轍もなく良いが、本当に良いアルバムだった。ゼロ年代前半のオルタナティブなサウンドとhiphopが純粋に混ざっていてとても気持ちが良く、肩肘張っていないノリ方と言葉の選び方がとても格好良い。
特に4曲目の「yodo(feat. RY0N4)」と7曲目の「Tell Me」が好き。
泳ぐ真似 / kabanagu
1枚のアルバムとしてあまりにも素晴らしい。
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