AZKiワンマンライブ 声色エントロピーから早1週間強、未だに余韻が抜けきれていない者の残響。
2024年8月3日、KT Zepp Yokohamaで公演された「AZKi Major Debut LiVE 声色エントロピー」が開演され、早1週間強が経った。
私は未だに余韻が抜けきれていないため、気持ちの整理と言語化、記録、そして特に印象に残ったライブの感想をまとめてみようと思う。
また、私は昼公演を現地、夜公演を配信で視聴しており、昼公演の感想が多めとなっている。
1.Lazy
歌い出しは「Lazy」。朗読するかのような歌い方で表現されるその曲は、不思議な暖かさを感じる。
まるで、路地裏から始まる非日常を思わせる情景は、ライブが始まる期待感とうまくマッチしており、最高のオープニングであった。
曲が終わるにつれて世界が目覚め、夜が明ける。そして曲の最後の台詞が、ある言葉に変わっていた。
「いくよ 開拓者」
2.in this world
瞬間、「in this world」のイントロが流れ始める。4年7ヶ月振りの現地ワンマンライブの開催、その祝砲であった。
私は現地ライブ時代の頃からAZKiさんを知っていた訳ではない。オンラインライブ時代の、「青い夢」の初披露の配信から、この人の行く末が知りたいと思い応援を始めた。それ故、コロナ禍にリリースされたアルバム「Re:Creating world」、延いては「in this world」は、AZKiさんを表す曲としての印象が強い。
「in this world」は、疲弊した世界で何が出来るか、そして開拓者の幸せを願う曲である。パンデミックの規模が縮小し、現地ライブが出来るようにまでなった現在、この曲が歌われることに強い意味を感じられる。そしてそれは曲内に挟まれている台詞の変化にも現れていた。
ちなみに私はライブ2曲目にして涙ちょちょ切れていた。「in this world」が歌われた意味を感じながら音楽を浴びれることが幸福すぎて。
大好きなこの曲が新たな物語を得て、再び我々に届けてくれることに最上の幸せを覚えるとともに、その残響が今も残っている。
3.画面の中の君が好き
昼公演11曲目が始まる前、突然ボイスドラマが流れる。
これは、「画面の中の君が好き」のMVに出てくる少女側の視点を彷彿とさせる物語であり、楽曲における解釈への新たな切り口で深く驚いた。
また、曲の途中で感情が露わになる台詞は特殊verになっており、披露されるのはおそらくホロライブ3rd fes以来2度目になる。
ここぞとばかりに演出が施され、リスナー目線の解釈に更なる広がりを見せたこの曲は、歌詞の想いをより強く感じることができた。
4.青い夢~エントロピー
夜公演でもボイスドラマが用意されていた。だが、その内容はまったく異なっていた。
「夢だけじゃ、食べていけない。」から始まる内容は、明らかに「青い夢」による葛藤を意識させる。
(また、AZKiさんの文脈が強く出ているボイスドラマだが、その文脈を除けば昼公演で披露されたボイスドラマの人物に向けたメッセージとも読み取れる。)
過去のメッセージと、過去のライブ音源を織り交ぜながら語られる苦悩に灯った微熱は、次第に輝きを増し、大きな光を広げさせる。
広がった先には「エントロピー」。この曲の歌詞には、「私がただ幸せだったら、悔やむことさえなかったら、心に眠った衝動に気付くこともないから」とある。
ポジティブな気持ちも、ネガティブな感情も引っ括めて大きな力に変えるAZKiさんの凛々しさに、我々開拓者は照らされているのだと強く実感する音楽であり、時間であった。
そんな、様々な想いが繋がる「エントロピー」をこのライブで聴けて、この曲をとても愛おしく思うようになった。
5.おわりに
その他にも、意外な選曲でノリにノリまくった「最強×最弱ガール」、アルバム「Route If」内で特に気に入っている「エトランゼ」の趣深さに舌を巻いたり、AZKiさんの様々なジャンルを歌いこなすそのレパートリーの多さに、身も心も踊っていた。
また、夢にまで見た生バンドによる演奏も素晴らしかった。聴き込んだ曲にアレンジが加わり、生き生きとした音楽を浴びることは、言葉で言い表せないほどの至福であった。
このままでは切りがないので、感想はここで留めておこうと思う。これからもAZKiさんが創る世界と、織り成す音楽が楽しみでならない。
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