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牛乳パックロボ「GP1B3」の作り方

GP1B3 は牛乳パック1本から脚と本体を一体で作り出されたリンク機構ロボットです.
脚は前後の2本で,先端は同じ角度の回転運動を行い,本体を持ち上げたり下ろしたりすることで前進します.
前後の脚のリンク機構と,ギヤボックスと電池ボックスを固定する本体は1本の牛乳パックを切り出して折りたたんで作成します.
極力切り離さないために,展開図は多少複雑な切り込みと折り線から構成されてますが,ロボットの構造はシンプルなので作りやすいと思います.
ぜひ,折り紙のように平面から立体のロボットができる様子を楽しんで下さい.


準備するもの

材料

使用する材料は以下の通り.

  • 1L牛乳パック1本

  • 3速クランクギヤーボックス(ITEM 70093)((株)タミヤ製)1セット

  • 単三電池ボックス(ITEM 70151)1セット

  • M3 長さ 40mm ビス(なべねじ)1本

  • M3 ナット(ギヤボックス付属品)2個

  • ストロー1本

  • リード線(ビニール被覆線)

  • 牛乳パック用接着剤

  • セロテープ

  • 牛乳パック
    牛乳パックは 1L のサイズのごく一般的なもの(側面の幅:70mm,高さ:195mm)を用意して下さい.
    中身を使用した後,潰したり切り広げたりしないで,内面を水で洗浄しよく乾かしておきます.

Fig.2-1 牛乳パック(1本でOK)
  • ギヤボックス
    ギヤボックスは(株)タミヤ(以下タミヤ)製の「3速クランクギヤーボックス(ITEM 70093)」を使用します.
    NIロボの他のロボットで多用する「シングルギヤボック(4速タイプ)(ITEM 70137)」とは異なるので注意して下さい.

Fig.2-2 3速クランクギヤーボックス
  • 電池ボックス
    タミヤ製の2本用の「単三電池ボックス(ITEM 70151)」を使用します.

  • ビス
    クランクピンとして長さ 40mm の M3(直径が3mmのネジ)ビス(以降 M3L40 と表記)を1本用意して下さい.
    本製作例ではタミヤの「3mmネジセット(30,40,50mm)(ITEM 70181)」を使用しています.

  • リード線
    リード線は電池ボックスに付属していますが長さが短いので別途用意して下さい.

  • 牛乳パック用接着剤
    牛乳パックの表面は特殊なコーティングが施されているので,牛乳パックが接着可能であることを明記した接着剤を用いて下さい.
    NIロボはセメダイン社の「工作用速乾クリア」を推奨します.固まると透明でゴム状になり,ニオイも少なく速乾で扱いやすいです.

  • セロテープ
    セロテープは軸受を作るときに使用します.

工具等

使用する工具等を以下に示します.

  • カッター

  • ドライバー(プラス,大と小)

  • ニッパー

  • ラジオペンチ

  • ラジオペンチもう1本またはM3ナット用スパナ

  • 半田ゴテと半田ろう

  • マスキングテープ

  • 洗濯バサミ

  • フリクションペン

構造

Fig.3-1 のとおりロボットは進行方向に対して左右非対称の構造となっています.
同図画面上側に脚を駆動する脚リンク機構があり,画面下側中央にドライブするギヤボックスが配置されてる本体と結合しています.

Fig.3-1 上面

Fig.3-2 の側面から見ると,本体下に電池ボックスが格納されています.

Fig.3-2 側面

脚リンク機構のほとんどの断面は三角形であり,Fig.3-3 のように脚を支える脚支持も三角形構造です.

Fig.3-3 下面

Fig.3-4 にロボットの上面図,Fig.3-5 に側面図を示します.
主要なパーツごとに半透明色で色分けしており,背後にある部品が透過して見えるように描画してます.
写真と見比べて構造をよく理解しておいてください.

Fig.3-4 上面図
Fig.3-5 側面図

リード線と側面図のクランクは省略しています.
脚リンク機構は脚と,クランク軸から運動を脚に伝達するアームと,これらを本体から支える脚支持とアーム支持で構成されています.
前述のように脚,アーム,アーム支持の断面は三角形で強度を確保しています.
アーム支持は別部品であるアーム支持補強材を接着して補強しています.
本体は電池ボックスを包み込むコの字型で,電池ボックスによって強度が保たれます.
ギヤボックスとスイッチは本体上に接着で固定されます.

展開図

切り開いて底をカットした牛乳パックを材料として使用します.
側面だけでなく,注ぎ口のある上部も使用します.
牛乳パックは幅 10mm 重ねて接着して作られています.
接着部分は厚いので,この部分を考慮しなければなりません.
展開図上では左右の赤い破線で囲まれた上下に細長いエリアが接着部の候補になります.牛乳パックのメーカーや製品によって接着部は左または右側に来ます.
展開図中の黒線は部品の外形や折線を表し,赤線は切れ込み線を表します.
緑線も切れ込みですが,牛乳パックの角の折り目と一致する部分で,折り目の幅およそ 2mm の凹凸を除去します.
黄線は組み立て時に使用する基準線です.

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