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切らないで

暑い。。
家に戻るのがギリギリになった。滑り込みセーフで仕事部屋に駆け込み、PCの前でヘッドセットをつけて耳を傾ける。

自由になる目で、部屋のエアコンのリモコンを探すが見つからない。

こうして、すでに30分が経過。
35℃の外から帰ってきたから、
この部屋が確実に35℃を超えていることはわかる。

先ほどから通話口の2人の話は堂々巡りだ。
企業側の担当者は、この件はこちらで引き受けられない、と言う。
もう一方のArens氏はその対応に不満も露わ、語気も荒々しい。

どうやらこの方、すでに何箇所ともやりとりする必要性が幾度も生じていた上に、窓口の対応にも不満、毎回新しい担当者が登場する度に一から必要に迫られる説明にもうんざり、すっかり怒り心頭、ということらしい。
そもそも、これら全てのアクションは自分から起こす必要のないものだ、という主張なので今現在もこうして企業側の担当者がどこどこに連絡してください、とか、ご連絡先をお伝えしますので、と言ってもそれを自分がする必要は一切ないはずだ、の一点張りで話が進まない。

これは「通訳の喜井田」のフィクションである。

双方がヒートアップすればするほど心は限りなく落ち着いてくるのに、私は今、汗だくである。
リモコンは・・どこ・・。

『こうしてください、ああしてください、それ以外はこちらでは御対応致しかねます。』という企業側の言葉をそのまま伝えていたのでは、話は永久に平行線。
しばしお互いの攻防が続き、もう何十回目かのラリーの後。
埒が開かないので、介入度を上げていく。
伝わるアプローチで言い換えます。
すると、Arens氏が一言。

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