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善悪は想像以上に揺らぎやすい|ドラマ『悪との距離』

少し前に『悪との距離』という台湾ドラマを観た。

映画館で起きた無差別殺人事件の被害者家族と加害者家族、弁護士、医師、世論やマスコミなど様々な立場での事件との関りから善悪とはないかを考えさせられるなかなか思いテーマのドラマだった。

同じ事件でも、どの立場で関わるかやどの時点から関わるかで見え方は大きく異なるし、関わり方の度合いによっても人の感情は複雑に変化する。

事件によって息子を殺されてしまった母親は、息子の死を受け入れられず、夫や娘とも上手くいかなくなる。

事件を起こした少年の両親と妹はいやがらせの電話やバッシングに耐え、身を隠す生活を強いられ、母親の手によって妹は名前を変え、親は死んだと思えと言われ家を出されることになる。

犯人の少年は弁護士に動機を語ろうとしないが、その弁護士は動機を話させようと手を尽くす。

被害者家族は犯人の死刑を望むけど、加害者家族は人としてまっとうな生活ができなくなっても本当にいいのか。

殺人事件を起こした犯人さえ死刑にしてしまえば、原因の解明はされなくてもいいのか。犯罪者が犯した罪は許されないが、犯罪者は悪人なのか。

かなり考えさせられる重いテーマだけど、観てよかったと思える見ごたえのあるドラマだった。

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