何も考えていなかった「僕」が当事者だった「彼女」と出会って3月11日が自分ごとになるまで、それぞれの10年
あの日の僕は、神奈川で暮らす高校1年生だった。特に被災地に深く思いをよせることもなく。
あれから10年。26歳の僕は岩手に住むNHKのディレクターで、東日本大震災の番組を作っている。
のん気そのものだった学生時代
高校時代の僕はラグビーの練習に明け暮れる毎日で、あの日、3月11日は練習で足を捻挫して整形外科で順番を待っていた。「試合に出られなくなったら嫌だなぁ」とか「当分は練習休めるな」などと思っていた午後、突然あの揺れがきた。
雑居ビル4階のクリニックはかなり揺れて