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私の原点

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NHKの取材者たちの「原点」はどこに?ルーツを語った記事のマガジンです。
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2023年6月の記事一覧

「幼稚園の地下シェルター」新人国際記者の私がウクライナで見た戦禍の国、日常のリアル

去年12月、国際部の提案会議に2本の取材提案を出した。 「ウクライナの兵士たちの心のケアの課題を探る」という提案と、もうひとつは私の前任地、福島県の子どもたちと、ウクライナの子どもたちとの手紙を通じた交流を取材するという内容だった。 取材提案を出したのはこれが初めて。 福島県から東京の国際部に異動して4か月あまり、国際情勢を3交代で24時間モニタリングする仕事にも慣れてきたが、海外の現場に行かずに情報だけで原稿を出し続けることに、何か違和感も抱くようになっていた。 だか

”朽ちたシーサー“みたい? 沖縄で取材を続けて28年の今、私だから語れること

「沖縄局に何年いるの?」 「秘密です!離島だから、東京の人事が気づいてないのかもw。このまま退職まで気づかれずにずっといられるといいんですが」 今まで出張で沖縄に来た人たちと、何度となく交わしてきた会話です。もはやそうした質問すら出ないほど、沖縄での勤務が長くなりました。 東京での3年間を除いて、沖縄勤務は通算28年。取材にも子育てにも、奮闘しながら何とか続けています。 メディアで働く若い人や記者志望の学生さんの中には、地方への転勤や、育児しながらの仕事に不安を感じてい