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私の原点

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NHKの取材者たちの「原点」はどこに?ルーツを語った記事のマガジンです。
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2020年12月の記事一覧

消えてしまった文字が教えてくれたこと

テレビの生中継にハプニングはつきものだ。 笑ってすまされることもある。 だが私の場合、職場を離れるきっかけとなった。 モニターの文字が消えたその日、私は政治部の記者として生中継に臨んでいた。与野党攻防の局面を伝えるためだ。 国会記者会館の簡易なスタジオにはプロンプターというモニター画面がある。記者は、目の前の画面に映った原稿を読み上げていけばいい。便利な道具だ。 2分程度の短い原稿。政治部に配属されて丸9年。すでに中堅記者になっていた私にとっては、難なくこなせる仕事のは

「好き」を追い続けると、世紀のスクープに出くわすこともある。どこへ飛ぶのか“ちょうちょ記者”

幼少期に出会った1頭のモンシロチョウが導いた憧れの地、ブータンの秘境。NHKの報道現場で好きなことを追い続けて20年、変わり種と言われながら40半ばの今も新たな情熱と興奮が止まらない。そんな私の「取材ノート」をご覧ください。 鉄道少年が「チョウ」と衝撃の出会いはじめまして斎藤基樹といいます。チョウが好きでこれまでの人生をチョウと過ごしてきました。 子どものころは駅近くの小さなアパートに暮らし、毎日母親にせがんでは線路沿いの金網にへばりついて電車を見るのが好きな鉄道少年でし