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社外人事との付き合い方 #人事の頭の中

社外人事、エスノグラファー人事との付き合い方

 2020年1月から社外人事、様々な組織をフィールドワークするエスノグラファー人事として活動を始めました。社外人事としてサービスを提供している企業もありますが、あまり一般的には知られていません。社外人事ってなんだろう?どういう頼み方をしたらうまく活用できるのだろう?そういった疑問についての考えをまとめてみたいと思います。何社かとお仕事をさせていただく中で自分なりに見えてきた景色をお伝えできればと思います。

社外人事が最初に聞くこと

 社外人事は最初に相談を受けた時に、どんなことをヒアリングするのでしょうか。私の場合は、以下の内容をヒアリングすることが多いです。

1)組織の成り立ち(創業のストーリーから現在まで)
2)従業員数
3)組織図
4)事業の内容
5)今後の展望
6)今、困っていること

 組織の成り立ちを聞くのは、その組織の現状を把握するためにルーツを知ることが重要になるからです。年表のようにヒアリングをしながらまとめていくこともあります。

 従業員数を聞くのは、組織の複雑さを知るためです。組織は関わる人数が増えれば増えるほど複雑になっていきます。そのコミュニケーションがうまくいくように組織全体を設計する際の参考にしています。

 組織図は上述のコミュニケーションの形がどのようになっているのかの全体像を把握するためです。組織図がない組織もあるので、キーパーソンをヒアリングしながらまとめていくこともあります。

 事業の内容を聞くのは、組織とその組織が営む事業は鏡写しのような関係になるためです。事業を継続していくために組織があります。どのような組織が事業にとってよいのかを考えるには事業を理解する必要があります。

 今後の展望は、現在ではなく未来について考える際のヒントになります。もっとこうしたいという話から新しい提案を考えることが多いです。

 今、困っていることは、すでに顕在化している問題についてのヒアリングです。顕在化している問題は痛みを伴っていることが多いため、早めに対処することが必要です。どういう処方が考えられるかも困っていることから考えます。

社外人事は組織を理解するために対話から始める

 銀行が融資判断で財務諸表を見るのと同じように、社外人事にはその組織を見るための独特の着眼点があります。採用数や退職率、平均年齢、平均給与など様々な指標がありますが、指標はそれだけで良い/悪いという判断をするものではありません。組織にとってその指標がどのような意味を持つのかを読み解くためには、組織そのものについての深い理解が必要です。

 組織には正しい姿というものがあるわけではなく、関わる人々のそれぞれの視点から徐々に浮かび上がってくるものです。そのため、組織に関わる様々な人からヒアリングをすることでより精度の高い組織の姿を捉えることができるようになります。経営者に最初にヒアリングをするのは、経営者がもっとも組織の全体像を捉えていることが多いためです。対話によって組織の姿を描き出すことが社外人事の最初の仕事になります。

組織課題の解決には対話が必要

 組織課題の解決は多くの対話を必要とします。対話を繰り返すことによって、相手と自分の言葉を揃えていきます。相手の見ている景色が自分の見ている景色とずれていないかを確認し、相手と自分が同じ目的に動機付けされているかを対話を通して明らかにしていきます。社外人事はインタビューなどを通して多くの人々と対話を重ねており、ある種対話のプロだと言えます。

社外人事という仕事のわかりにくさを言語化したい

 社外人事を活用しようとすると、どのように仕事を依頼するのがよいかという社外人事の理解が必要になってきます。自分自身が社外人事という仕事に携わってみて、そのわかりにくさを痛感しています。この人には何を頼めるのだろうか、頼んだらどういういいことがあるのだろうか。そういったことをもっと言葉にして伝えていきたいと思います。

界(さかい)という屋号で社外人事をやっています

 会社を経営していると、人や組織にまつわる様々な悩みが出てくると思います。人事相談から組織作りまで、お手伝いできるところがあれば是非お声がけください。

界(さかい)

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