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コミュニケーションのあり方をデザインする

成果を出すために、コミュニケーションのあり方をデザインするのはチーム運営にとって非常に重要だと思っている。そのために、どんな考え方ができるのかをずっと考えている。「コミュニケーションの問題だ」と言うのは簡単だが、それでは何を食べても「おいしい」と言ってるのと同じで解像度が低すぎて問題を理解する事には役に立たない。

コミュニケーションを分類する
ここでは「同期コミュニケーション」と「非同期コミュニケーション」にコミュニケーションのスタイルを分類してみる。この2つに分類することで、それぞれのコミュニケーションの特徴をモデル化するということだ。また情報の流れ方について「フロー型」と「ストック型」に分類することができるだろう。

同期コミュニケーション
全員が集まって話すコミュニケーションのことで、多くの会議はこちらに属するだろう。同期コミュニケーションの特徴は全員が同時にタイミングを合わせる必要があるため、実施コストが高いということだ。反面、非常に高い情報伝達を行うことができる。

非同期コミュニケーション
非同期コミュニケーションはそれぞれが自分のタイミングで発言をしていくコミュニケーションのことだ。最近増えて来たチャットを通じたコミュニケーションはこちらに類する。特徴はそれぞれのタイミングで実施できるため、待ち合わせのコストを払わなくて済むということだ。反面、全員が同じ情報を持っている状態を意図してつくりにくい。

この2つのコミュニケーションのスタイルをうまく組み合わせていくこと、組み合わせ方を工夫することが必要だ。

待ち合わせコスト
全員が待ち合わせるというコミュニケーションは「待ち」が発生するというコストが発生する。この「待ち」とはトヨタ生産方式にならって言うなら「手待ちのムダ」と言える。

2つ目は「手待ちのムダ」です。これは業務のなかで次の仕事に進めず、一時的に何もやることがない状態のことです。
http://president.jp/articles/-/13389?page=2

どこで待ち合わせて、どこは非同期で進めるのか。業務をよく理解した上でそのバランスを丁寧に調整していくことが生産性を高めるコツと言えるだろう。

非同期のコミュニケーションを改善する
最近チャットを使った業務が増えて来ているが、チャットは「フロー型」のコミュニケーションのため、利用にあたっては注意が必要になる。

フロー型
フロー型の情報は、どんどん新しいものが追加され古いものは流れていくスタイルのものだ。これは現在に焦点をあてたコミュニケーションに向いている。一方、ここで伝達された情報はその場にいなかった人には伝わることはない。いわば口頭の会話のようなものである。フロー型のコミュニケーションでは「コンテキスト(文脈)」が重要になってくる。すべての背景説明を口頭ですることは難しいので、お互いがコンテキストを共有している事を前提としなければ成り立たないのだ。そして、コンテキストが共有されているかどうかはその参加者がどれだけその場に長くいたかに依存する。新規参加者はコンテキストをキャッチアップできていないため、ほとんどフロー型のコミュニケーションについていくことができない。フロー型の情報には「誰が、いつ、誰に対して、何を、どのように」伝えたのかが含まれている。これはフロー型の情報の特徴と言えるだろう。

ストック型
ストック型の情報は、アップデートされていく静的な情報だ。Wikipediaをイメージすると近いかもしれない。更新はされるのだが情報に順序がなく、更新に心理的なコストが起きやすい。また、フロー型とは違いブロードキャストの情報が多いため「誰が、いつ、誰に対して、どのように」というコンテキスト情報は含まれていない。「何を」を伝えるために情報を洗練させるというプロセスが必要で、そのプロセスの実施に心理的なコストが高くなる。

知識を生み出す仕掛けをつくる(SECIモデル)

SECIモデル(SECIプロセス)とは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏らが提示した広義のナレッジ・マネジメントのコアとなるフレームワークです。のちに、野中氏は紺野登氏とさらにそのモデルを精緻化させています。
SECIモデルでは、知識変換モードを4つのフェーズに分けて考え、それらをぐるぐるとスパイラルさせて組織として戦略的に知識を創造し、マネジメントすることを目指します。
http://www.osamuhasegawa.com/seci%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/

ストック型の情報というのは、いわば「【システム場】Systemizing Ba」で生み出されたものと言える。これを生み出すためにはそれ以外の3つの要素をどう回していくのかということを合わせて考える必要がある。

処方箋はチームによって異なるでしょう。それを念頭に実践を繰り返すことで経験を積むことで少しずつ自分の中での型を見つけていきたい。

掲載後しばらくしてから告知しているので、興味があったらフォローよろしくお願いします