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俺は正義の味方になりたかった【たぶん自分しか推してないゲーム】

 さすしわ(さすが師走の意)というだけあり、それなりに忙しかったため締切をブッチぎってしまい、非常に申し訳なく思うhororoです。

 さて、『Fate/stay night』の主人公、衛宮士郎のセリフのようなタイトルを付けたはいいものの、別に本当に正義の味方になりたいと思ったわけではないんだ。単純に今回取り上げるゲームがヒーローをモチーフにしているというだけの話なんだけど……。

 そもそも、今回のテーマである“たぶん自分しか推してないゲーム”というのが意外と難しく、考えてみてもあまり浮かばない。一般的にはそんなに評価されてないものの、俺は好きだし、コアなファンは獲得しているゲームというならそれなりに思い浮かぶものの、“自分だけ”というのが厄介だね。

 ということで、今まで生きてきて、自分の周囲ではほぼ話題として目にしたことのないゲームを1つ紹介しようと思う。それが、PS2で発売された『正義の味方』

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パッケージは実家に置いてきているので、画像はAmazonより引用

 改めて見てみると販売はソニーだし、知っている人はそれなりにいてもおかしくないような気がするんだけど、俺の周りでは誰もプレイしていなかったし、話題にも上ったことがないんだよね……。

 内容を一言で説明すると、“自分だけのヒーローを作って、怪人と戦うゲーム”というだけなんだけど、変身後の姿を最初にカスタマイズできるのがステキポイント。ヒーローの名前も付けられるし、無敵超人とかそういうのも単語の組み合わせで作ることができる。

動画を探してみたら、有名実況者のだいだら氏がプレイしていた

 動画を見るとわかると思うけど、特撮番組を意識した演出になっているのが特徴。オープニングも、自分でカスタマイズした姿が反映されている。こういうキャラクリがムービーに反映される仕様はここ数年で増えているけど、この時代には珍しかったように思う。キャラクリLove勢としては、カットシーンに反映されるだけでそのゲームのステキポイントがマシマシになっていくのだ。ちなみに、オープニング演出は各話毎に流れる。人によっては、演出の意図はわかっていても「毎回はジャマ」とか「スキップさせろ」とかいう反応が出そうだけど、俺はこういうのが好きなのだ。

 特撮番組を意識している演出はオープニングだけじゃない。ゲーム中は、イベントとイベントの合間に自由に町を探索できるんだけど、その間はリアルタイムに時間が進んでいき、番組時間……つまり約30分で1話が終わる。厳密に言えばイベント中やポーズ中などは時間が止まるから、きっちり30分ではないものの、移動中などは時間がどんどん過ぎていく。サブクエスト的なものも時間内にこなそうと思うと結構慌ただしい。

 加えて、視聴率という数値があり、視聴率が低迷してしまうと番組打ち切り(ゲームオーバー)になってしまうので、見せ場(クエストクリアなど)を作って視聴率を稼がなきゃいけない。とは言っても、そんなに難易度は高くないので、打ち切りになることはあまりなかった気がするけどね。

 余談だけど、各話のシナリオが半分くらいに差し掛かると、アイキャッチと架空CMが流れたりする。あとは番組の終了時に、視聴者からのお便りが届いたり。こういう無駄に細かい作り込みとか大好きなんだ。

だいだら氏の実況、part4ではボスとの戦闘シーンやシナリオ後の次回予告、視聴者からのお便りなどのシーンが確認できる

 戦闘はパンチ、キック、投げに割り振られたボタンを押していき、相手が同じボタンを押してガードする形式。知ってる人だと『Fate/extra』の戦闘を思い浮かべてもらえればいいかな。(なんか今回は『Fate』とやたら結びつくな……)

 わかりやすく、そんなに難しくもないため、気楽に戦闘できるのが好きだった。視聴率を稼ぐには必殺技でトドメを刺すのがいいんだけど、その必殺技は体力が低い状態じゃないと繰り出せない。つまり“ピンチを演出”しなければいけないワケだ。そう考えると、ある程度体力調整をしやすいこのバトル形式は合っているんじゃないかなと思う。

 ピンチの演出や、必殺技でのトドメを狙うなど、“番組として盛り上げる”というのが、このゲームの本当の目的。これは俺の趣味の1つであるTRPGにも似たようなところがあったりするんだけど、俺みたいに“お話を作っていく”、“その世界観を味わう”という趣向が好きな人は、このゲームも好きなんじゃないかな。

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