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サムスピとコラボしたフォーオナーとはどんなゲームなのか

先日、国産の格闘ゲーム『サムライスピリッツ』の新キャラがコラボキャラであること。そしてそのキャラが『フォーオナー』のウォーデンであることが発表された。

何を隠そう、俺はこの『フォーオナー』の大ファンなのである。発表されるやいなや嬉しさのあまりTwitterで検索をかけてしまうほどだ。

だが、実際の反応はやや寂しいものだった。『フォーオナー』の認知度があまり高くなかったからだ。

いやいや、冗談はよしたまえよチミタチ。『フォーオナー』といえばメレーコンバットに憧れを持つ人なら知らない人はいないほどのメジャータイトルじゃないか。

とは思うものの、確かに『フォーオナー』は格闘ゲームじゃないから、格闘ゲーム界隈のアンテナには引っかかりにくいのかもしれない。

ならば、このゲームの魅力ってもんを改めて伝えていこうじゃないか。過去最高に楽しく奥深い剣戟アクション、『フォーオナー』の魅力を世に広めるのも俺の務めなのだ。


泥臭いメレーコンバットらしさを再現した、独自の戦闘システム

『フォーオナー』は、かなり独自性の強いシステムを使っている。発売してから4年目に入るが、今でもなお(時間帯にもよるが)マッチングにそれほど苦労しない人数が残っているくらいには、このシステム・世界観に魅了されている人がいるということである。

端的にその魅力を説明するならば、重量感のあるアクションと立ち回りの読み合いだ。

具体的にどういうものかを説明しよう。まずキャラクターは3方向に武器を構えることができる。上・左・右だ。構えは右スティックの入力で変えることができ、これが攻撃する方向であり、防御できる方向でもある

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例えば、上構えのときに攻撃ボタンを押すと、上攻撃が出る。簡単だ。逆に、上防御をしたいときは、上構えをしていれば自動的に防御してくれる。じつに簡単だ。

つまり、相手に攻撃を当てるには、“相手が構えていない方向から”攻撃をしかければいい。攻撃には弱攻撃と強攻撃がある。弱は速度に優れ、強は威力に優れる。これは多くのゲームと変わらない。

ちなみに、防御行動の一種としてパリィがある。いわゆる捌きや受け流しというものだ。これは相手の攻撃が自分に当たる直前に、同じ方向への強攻撃を繰り出すことで発生する。成功すれば相手の体勢を崩せるためリターンは大きいが、ガードを捨ててリターンを狙う行動のため、失敗するとダメージを受けてしまう。攻撃速度が遅い強攻撃は、パリィの絶好のチャンスとなってしまうワケだ。

では「弱攻撃だけ出していた方が強いのでは?」というとそうでもない。パリィのリターンは抗いがたい魅力があり、強攻撃が振られたのを見ると狙いたくなるものだ。

これを利用するのが、強攻撃キャンセルだ。「強攻撃するよ~……なんてね」みたいな感じで、途中でピタッと攻撃を止めるのである。わかりやすく言えばフェイントだ。なお、入力的には事前に行っておく必要があり、相手の反応を見てからフェイントに切り替える、ということはできない。

攻撃キャンセルをすると何が起こるか。フェイントに釣られた相手はパリィしようと強攻撃を繰り出してしまう。そこを逆にこちらがパリィするのだ。こういったシンプルながらも奥深い駆け引きが、つねに行われている。

だが、『フォーオナー』の駆け引きはこれに留まらない。相手をつかんで動きを止める崩しや、軸をずらして攻撃を避ける回避といったアクションも加わってくる。

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基本的に『フォーオナー』のアクションは、攻撃、崩し、回避が3すくみのような状態になっている。攻撃は崩しを潰すことができ、崩しは回避中の相手を捕まえることができ、回避は攻撃を避けられる、という形だ。

なお、ここに防御を入れていないのは、いわゆる防御が基本的な状態と位置付けているから。攻撃に対しては(構えの方向が合っていれば)ガードでき、崩しは十分な投げ抜けの時間がある(『フォーオナー』の投げ抜けは格ゲーよりも猶予がある)。回避は相手を揺さぶるなど、特定の理由がなければそもそも防御とかち合わない。

これらが、すべてのキャラクターが共通で行えるアクションとなる。……書いてみると、意外と複雑かもしれない。でもやってみると、読み合いの要素が強いだけで、操作自体はすごくシンプルだ。格ゲーが壊滅的にヘタな俺ができてるのだから大丈夫だ。

ここに、各キャラクターの技の要素が入ってくる。例えば回避不能攻撃やガード不能攻撃、崩しの効果が付与されていたり、持続ダメージが入る出血効果や、一時的に敵の構えの方向が見えなくなるマヒなんてものもある。

この辺までくると「シンプルだよ!」とは言い切れなくなってくるものの、実戦を繰り返して覚えていくしかない。正直やられながら覚えるしかないのも事実ではある。

ゲームモードによってはマッチングが絶望的なものもあるが、1対1で戦えるデュエルや、一般兵士も混じった乱戦型陣取り合戦・ドミニオンはまだまだ盛況だ。個人的には攻撃側と防衛側に分かれて戦う城攻めモード・ブリーチも好きなのだが、一戦が長めなためかPS4版では過疎が進んでいる。悲しい。

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戦闘システム自体も大好きなのだが、俺が『フォーオナー』を愛する理由として、バトルの泥臭さもある。

全体的にモーションが重く、地に足のついたアクションとなっているのだ。ごく一部の素早い攻撃を除けば、30を過ぎている俺でもなんとかついていける程度の速度で展開するため、読み合えるくらいの基礎知識が付けば、かなりバトルが楽しくなる。

何より、ビジュアル重視な俺としては、大きい武器を持っているなら、それなりのガタイで、それなりの重量感で戦ってほしいと常々思っており、『フォーオナー』はまさにそれを叶えてくれた。

見出しでメレーコンバット“らしさ”と書いたのは、徹底的にリアルを追求するわけではなく、メレーコンバット好きが思い描くリアルな戦場を表現してくれているからだ。


自分だけの英雄に憧れがある人はやらなきゃ損

『フォーオナー』の優れた点。それはキャラクターのカスタマイズ性の高さだ。人間だれでも、自分のお気に入りのキャラを作り上げたいと思うはずだ。

まず26人ものキャラクターが登場する時点で、お気に入りのキャラの1人や2人は見つかるだろう。勢力だって、騎士、ヴァイキング、侍、中国武将と色とりどりなのだから。

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ちなみに、一番安いスターターセット的なものを買うとほとんどがロックされており、ゲーム内通貨または現実通貨で解除しなければ使えない。デイリークエストを10日程度こなせば好きなキャラクターをアンロックできると思うが、面倒だったり、いろいろなキャラを使ってみたいのであればコンプリート版を買うのをオススメする。セール中なら2500円くらいで買えるし。

とにかく、『フォーオナー』はキャラクターのカスタマイズ……とりわけ外見を変更するコスメティック要素が豊富だ。例えば鎧は3つの部位で構成されていて、それぞれ好きな見た目を採用できる。武器も柄、刃、ガードのように3部位で構成されていて、これまた好きに採用可能だ。

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装備品は見た目が変わるだけでなく、ちょっとしたボーナスを発生させるための数値も付与されている。となると、「結局強いボーナスを発生させるための装備を選ばなくてはならないのか」となりがちだが、心配はいらない。なんと見た目を上書きする機能も備わっているのだ。

色や模様、兜飾りなんてものも無数に用意され、自由に組み合わせて自分だけの英雄を作るのも『フォーオナー』の楽しみといえる。過去にはユーザー主体で、ファッションコンテストが開かれたこともあるほどだ。

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また、ゲーム中のモーションや、相手を倒した際に使える処刑(エクスキューション)のモーションも設定できる。カッコイイものやちょっとふざけたもの、相手にやられるとムカツクものなど、じつに多彩だ。

これらのコスメティック要素はすべてゲーム内通貨で購入可能であり、リアルマネーは必要ない。どうしても欲しいものがある場合は、ゲーム内通貨をリアルマネーで購入することも可能だが、その程度だ。


とうとう4年目を迎えた『フォーオナー』は、今年からバトルパス制を導入し、ただ遊ぶだけでもいくらかの報酬アイテムをもらえるようになった。確かにバランス調整が上手いとは言えないものの、時代の変化に対応しよう、キャラクターの調整を行おうという姿勢はしっかり見せている。

また、今年も2人の新たなキャラクターが参戦予定ということで、こちらも期待しかない。


2020年6月24日現在、絶賛セール中!

今回『サムライスピリッツ』とコラボしたことで、宣伝タイミングとしても「今しかない!」と思ってこの記事を書いたのだが、UBIもそれを承知してかPS Storeでセールを始めている。

7/7までなので、急いで購入されたし。(まぁセールが来るとだいたい入っているから、今回逃してもまだチャンスはあるが、マルチプレイは早いうちにやっておくに限る。)

最後に、各エディションがどう違うのかについて解説しておくので、自分に合ったものを購入しよう。そしてみんなチャンバラしよう!


『フォーオナー』(通常版)

一番安い。なんと今なら800円くらいで買える。ただし初期から使えるキャラは少なく、いろいろ使うにはゲーム内通貨を溜めなければいけない。DLCで追加された一部のモードを遊ぶには追加購入の必要がある。

『フォーオナー マーチングファイアエディション』

2番目に安い。なんと今なら1320円。DLCで追加された1人or2人用モード「アーケード」や、中国武将がアンロックされている。

『フォーオナー コンプリートエディション』

全部入り。13200円のところ、なんと2640円。ヤバイ安い。セール中に買うならこれ一択といっていい。全部のキャラ使える。ヤバイ。


最後に、この記事はゲームライターたちによる合同運営マガジン「ゲームライターマガジン」のいち記事として掲載している。2019年の記事106本をひとまとめにした買い切りの単行本マガジンも配信中だ。480円とお安いので、ぜひこちらも読んでみて頂きたい。もちろん、ゲームライターマガジンそのものを購読してくれるなら、大変うれしい。


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