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オリパは自己責任ですらない【カード福袋も同じ】

※すべてのオリパを否定するものではありません
※私もカードショップの自販機でオリパを購入したことはあります(もうやらないが)

オリパはTCG界隈では定期的に炎上する話題の1つですね。
問題は根深く、複数の論点があるため、SNSでの議論では語弊・誤解を与えることが多いです。語弊・誤解を少しでも防ぎつつ、悪質なオリパに騙される人が減るように私見をまとめておきます。

最近話題に上がっていた例

※上記Tweetだけでは悪質かどうか判断はできません。あくまで一例です。

『自己責任ですらない』というのは

『オリパについて肯定的な意見を発信することは一定の責任が伴う』

と考えているためです。
自身が購入することは自己責任です。ただ子供がオリパに手を出してしまう恐れがある以上は、射幸心を煽る発信には気をつけましょう。
私は好きなTCG(特にポケモンカード)が健全に愛され続けて欲しいので、オリパを買う大人にはぜひ慎重であってほしいのです。

この記事で言いたいこと

◾️オリパはギャンブル・賭博に該当しうるという認識が甘い
◾️オリパは他のギャンブルより法の制限が少なく、悪質なものが多い
◾️自ら判断できない子供が被害に遭うことは自己責任ではない
◾️安易にオリパを販売すると何某かの法に違反する可能性が高い

この記事に書かないこと

◾️特定オリパ・オリパ販売者に関する言及
◾️法律の専門家による確かな解釈
◾️どうしてもオリパを買いたい人に役立つ情報

私は信頼のおける有名カードショップで数回オリパを購入したことがあるだけであり、それ以外のオリパについては当事者ではありません。
この立場で、確かな情報なしに特定の商品について言及することは責任ある発言ではありません。そのため、特定オリパ・オリパ販売者については言及しません。
また、私は法律の専門家ではないため、確実に正しく法的根拠を持った説明ができるわけではありません。法的に突っ込んだ話は適宜有用な解説記事へのリンクを掲載します。
オリパを買いたくて仕方がない人にとって役立つ情報は別の記事として書きました。

オリパはギャンブル・賭博と解釈されうる

「そんなことわかってるよ」「何をいまさら」
そんな声が聞こえてきます。分別のある人はそう言うでしょう。しかし、私は「オリパはギャンブル」と広く、適切に認識されているとは思えません。

例えば次のようなツイートがあったとします。
「パチンコで2万円儲けたw爆アドww」
「1000円分オリパ買ったら2万のリザードンVMAX SSR当たったw爆アドww」
前者に対して
「パチンカスかよ。」「ギャンブルやってると公言する人か。」「自分の子供には関わって欲しくないな」
と思う人はけっこうな数いるように思います。
しかし後者に対して悪い印象を抱く人はパチンコほど多くはありません。本質的にやっていることは同じなのに。これはオリパがパチンコよりはまともな商品・消費活動だと認識されているということだと思います。
オリパは 賭博及び富くじに関する罪 に該当する恐れのある商品です。賭博は犯罪です。

※筆者にはパチスロや競馬が好きな友人もいます。やる人をみな嫌っているわけではないし、批判する意図はありません。自分のお金を使って楽しむという行為は批判されるべきものではありません。

オリパは他のギャンブルに比べ、法の制限が少ない

例えばパチスロは風営法により数多くの制限が課せられています。

ビデオゲーム主体のゲームセンターですら風営法の対象となり、制限が課せられます。「制限ってどんなもんよ?」という人はゲームセンター開業のために奮闘した人の記事をご覧ください。かなり厳しい制限だと理解できるでしょう。

制限が課せられ、それを遵守していると認めてもらい、許可を得た
ということはその営業を行っている事業者は社会的にある程度認められているということです。
パチスロや公営ギャンブルである競馬は最低限信頼のおける事業者が営業を行っているということがわかります。

しかし、オリパに関してはどうでしょうか?
Twitter上でやりとりしているものや、ECプラットフォーム(BASE, STORESなど)上で営業しているものには大した制限はなく、第3者による事前のチェックは存在しません。
ただ、実店舗を構えるカードショップについては一定の信頼があると見做していいでしょう。

自ら判断できない子供が被害に遭うことは自己責任ではない

冒頭でも説明しましたが、自ら判断できる人がオリパを購入することに異論はなく、それで騙されても自己責任でいいでしょう。しかし、判断できない子供が被害にあうことは自己責任ではありません。

オリパは他のギャンブルと違い、年齢制限なく楽しめてしまう射幸心を煽る商品です。多くの子供がオリパで嫌な思いをすれば、そのTCGの衰退にもつながるでしょう。単に利用者が減ったり、TCGに向けられる世間からの目が冷たくなるというだけではないかもしれません。
悪質なオリパによる被害者が増え、オリパに関する厳格な法律が作られた場合、真面目にやっているカードショップの負担も大きくなります。特殊な続きが必要になり、それを補填するために商品が値上がりすることもあるでしょう。最悪の場合、TCGプレイヤーの溜まり場として、お世話になっているカードショップが閉店することにもつながります。

自分が好きなTCGを長く楽しみ続けるためにも、分別のつく大人は、オリパを安易に勧めるような発信はしないほうがいいでしょう。

また、中高生のような子供がオリパ販売することについて、
「子供のうちから経済の勉強をすることはいいことだ」
などと言う人がいますが、その意見については強く反対です。
そう言える人は、発言に一切の責任を持たない人か、法律に関して無知すぎる人か、いずれかです。
自分の子供がオリパ販売しても同じことが言えるのか?考えなおしましょう。
オリパで関わってくる法律について軽く後述します。

安易にオリパを販売すると何某かの法に違反する可能性が高い

前述した賭博と解釈されうる点は購入者としても留意すべきですが、販売する場合には留意すべきものが更に増えます。私が知る範囲でキーワードをあげると次の3つです。

◾️雑所得
◾️古物商
◾️景表法

※私は法律の専門家でありません。参考程度にとどめてください

『雑所得』について注意すべきこと

脱税が悪いことなのはみんな知ってますよね?
オリパに限った話ではないですが、基本的に利益を得た場合は確定申告が必要です。TCGの売却益は雑所得に振り分けられることが多く、利益が年額20万円以下であれば特別に申告の必要はありません(細かい条件があります)が、頻繁にオリパを販売して年20万円以上利益を出してそうな人けっこういますよね…
特に2020年はTCGが高騰したので、高額カードを売却した人は確定申告した方がいいと思います。
リザードンVMAX HRを獲得・売却した人は全員確定申告してるんだろうなあ。

『古物商』について注意すべきこと

盗品の流通を防ぎ、窃盗などの犯罪を防止するために、転売目的の古物買取には都道府県公安委員会に許可をうける必要があります。

カードショップでカードを売却するときに個人情報を丁寧に書く必要がありますよね?あれは許可を受けた古物商として古物買取を行う際の義務の1つです。TCGの売買を行っているまともな事業者は当然許可を受けています。

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公安委員会の許可を受けている証明
フルコンプさんのHP(https://www.fullcomp.jp/)より

転売目的でない買取は許可を必要としませんが、転売目的かそうでないかを判断するのは自分自身ではないので気をつけましょう。

『景表法』について注意すべきこと

正式名称は不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)です。
胡散臭いダイエットサプリメントの広告や、携帯電話の『実質無料』などでよく問題視される有名な法です。
雑に説明すると『消費者が自主的かつ合理的に商品を選ぶために、嘘をついたり、誤解させてはいけない』ということです。

オリパではトラブルを防止するために下記のような注意書きなどで誤解なく、売り文句を並べるものをよく見ますね。

はずれでも販売価格500円以上
※2020年12月1日現在のカードショップ◯◯の価格
※商品の状態は中古、プレイ用です。

特に具体的な数字を使って宣伝するときは根拠を明確に示した上で、それを遵守しましょう。
『全100口。大当たり10口』などと記載されているオリパの在庫が、売り切れ後に復活したならば外れを追加した可能性があり、その場合は有利誤認として景表法違反とみなされても仕方ないでしょう。
(大当たり確率が100分の10であると誤認させたことになる)
※キャンセルによって在庫が復活することもあるため、一概に在庫復活が悪というわけではありません

販売者ならば注意すべきことを3つ紹介しました。法律って難しいですね。
これらを最低限知った上でも
「中高生のうちからオリパを販売するのは経済の勉強になるし、いいことだ」
と言える人はいるんでしょうか?

まとめ

◾️オリパを買ってもいいが、子供がオリパで騙されないように発信には気をつけよう
◾️オリパを販売するなら法律を勉強してからにしよう
◾️TCG(特にポケモンカード)には健全に愛され続けてほしい

#TCG #ポケカ #ポケモンカード #オリジナルパック #オリパ

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