シリーズと出会う、ことによって

 テイルズオブファンタジアは素晴らしかった。映像美だけでなく、キャラクターの個性。過去から未来を巡る物語。何より、ラストが衝撃的だった。私のRPG基本概念はテイルズオブファンタジアで作られた。最後までゲームをプレイしても足りない。私はもう一度”はじめから”ゲームを始める。2周目はまた、見る目が異なる。1周目では気付かなかった細かな表現に気付いたり、よりスムーズに攻略出来たり。それにより、取り損ねていたアイテムに気付いたり。やっていないサブイベントをやったり。攻略本を買って本当に隅から隅まで遊びつくした。もうやることなくなったら、もう一周する。3周目、4周目、5周目・・・。何度やっても飽きない。メチャクチャ、ハマっていた。のめりこんでいた。
 10周以上プレイした時、ふと気づいた。先の展開を知っている。初めて見た時の衝撃よりも感動が薄まっている。ゲームの面白さは変わっていないように感じるが、感動は段々と薄まっていった。
 キャラクターに対するイメージも変わっていった。プレイ3周くらいまではキャラクター造形に関して、より明解になっていった。その反面、段々とキャラクターが遠くに離れて行ってしまうように感じた。彼ら、彼女らの物語はもう終わったのだ。これから先の未来は、もう描かれない。何度触れ合うことができても、それより先は・・・
 切なくなった。寂しかった。ゲームは楽しかったが、物語に関しては思い出をなぞるように感じた。もう一周しても、それは「再体験」であり、キャラクターと私の物語はもう終わってしまったのだ。
 「別れ」だ。
 これほど好きになったゲームは今までなかったので、辛かった。ゲームを終えて辛かったのは初めてだ。でも、しょうがない。頭では納得したようでいて、心は引きずっていた。
 それからしばらくして。ある時、家族みんなでバラエティを見ていると、CMが流れた。歌と共にアニメーションが流れながら、ナレーションが読み上げられる。
私「・・・ん?」
 絵が違う。歌のイメージも違う。でも、もしかしたら。何か触れるものがあった。30秒にも満たないCMの最後、私は目と耳を疑った。
 「テイルズオブエターニア」
 エターニア。テイルズオブシリーズの”続編”という概念に私は出会った。

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