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Everything But The Girl / Eden (1984)

ポスト・パンク/ニュー・ウェイヴに影響され、ガールズ・グループ「マリン・ガールズ」ではアコースティックなポップスをやっていたトレイシー・ソーンと、ジャズに造詣の深いギタリストでもあるシンガー・ソングライターのベン・ワット。
すでにそれぞれのキャリアを始めていた2人がレーベルの企画で出会い、一時的なプロジェクトとして始まったユニットがエヴリシング・バット・ザ・ガール。

このデビュー・アルバムは2人のキャリアが交差するように、やわらかく滑らかでソフィスティケートされたアコースティック・ポップ&ボサノヴァ&ジャズを聴かせる逸品で、いわゆる”ネオ・アコ”やUKジャズ/ボサノヴァ・ブームの先駆けとなった重要な一枚。

繊細に作り込まれていながら、カフェで聞き流せるぐらいのタッチの軽さも魅力。
トレイシーとベンそれぞれが作った曲と共作曲とが違和感なく共存し、ポスト・パンクによる「リセット」後のUK音楽シーンに、瑞々しく自然体な音楽でタイトルどおり「楽園」を作り上げている。




みんな好きよね、EBTG。
カフェ・ミュージックの最高峰(?)といえる名盤1stで、今でもたまに店内で流れていることがある(!)。
「ながら聞き」もできるけど、しっかりとした音質でじっくり聴いても当然楽しめるのが良いよね。
ロックにおいて暗黒時代とも称される80年代だが、EBTGとかアズテック・カメラとかスタイル・カウンシルとか、その辺の雰囲気の名盤がいくつも生まれているのも事実。
ちなみにスプリングスティーンの「Born in the U.S.A.」と同じ日にリリースされたようです(!)。

この先も時折、コーヒー片手にゆっくりとかけ続けるレコードの一枚なのだろうな。

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