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The Rolling Stones / Aftermath (1966)

初めて全曲をジャガー/リチャーズによって書き上げた記念すべきアルバムは、ストーンズらしいリズム&グルーヴとキャッチーなメロディ作りの妙が詰まった彼らの最初の傑作であり、キャリアの大きな転換期を刻んだレコードとなった。

全14曲52分(UK盤)と当時としては異例の長さの作品で、その中にリズム&ブルーズやフォーク、カントリー、ジャムになだれ込む10分以上の楽曲などが収められ、来たるサイケ時代の前兆をも感じさせるなど、カヴァー主体だった初期作品から、一気に多様性と実験性を増している。

どことなく不穏な香りを漂わせる"Mother's Little Helper"や"Under My Thumb"、フォーキーで美しい"Lady Jane"、ビートルズ・ライクなポップ・ソング"Out Of Time"などで聴かせるソングライティングの巧みさだけでなく、多彩な楽器の音色が独特の味付けを加えているのも印象的。
創設時のリーダーであるブライアン・ジョーンズによるマリンバやシタール、ダルシマー、お馴染みのイアン・スチュワートと名手ジャック・ニッチェによるピアノやハープシコードなど、これまでのアルバムにはなかった新たな魅力があり、これらを導入したのがブライアン。

ミック&キースの才能を中心に、ビル・ワイマンとチャーリー・ワッツが脇を固めることで飛躍していったストーンズだが、ミックとキース中心のバンドとして巨大化していくのと引き換えに徐々に存在感を失っていくことになるブライアンがいなければ、そもそものバンドの始まりもその後の大きな成長もなかったことは確か。



2024年も後半戦がスタート。

ブライアン・ジョーンズの命日に名盤「アフターマス」を。
ある意味ストーンズの「始まりの一枚」といえる本作、僕が持っているのはUK盤です。
レディオヘッドとかブラーとかストロークスを思い起こすタイトルがありますね。

ワイルドでタフな印象ももちろんあるけど、やっぱりジャガー/リチャーズは根がポップだよなぁと。チャーリーとビルのリズム隊もその土台をしっかりと。
そして新しい楽器をこれでもかと導入したブライアン。ただ実験的に取り入れるだけでなく、曲の必要な部分に適度に効果的に入れ込んでいるのが凄い。

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