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Jagwar Ma / Howlin’ (2013)

オーストラリア・シドニー発の2人組(3人という説も)サイケデリック・ロック・バンド、ジャグウォー・マのデビュー・アルバムは、ヴィンテージなサイケ・ポップと90年代のマッドチェスターやアシッド・ハウスを融合し、現代的に構築した2010年代サイケデリック・ポップの傑作。

ストーン・ローゼズやプライマル・スクリームを彷彿させる、やみつきになるグルーヴと、遡るとオアシスまで連なるようなギター・ロックの快感、そしてゆったりと揺蕩う恍惚のサイケがあり、その根幹にはフィル・スペクター~ビーチ・ボーイズらへの憧憬・敬愛が深く根づいている。

ギター・ロックとしてもサイケ・ポップとしても(あるいはダンス・ミュージックとしても)充実し、ときにドリーム・ポップにまで手を伸ばした本作は、緩く、気持ち良く浸っていられる、長く楽しめる愛聴盤となりそう。



同じオーストラリア産のテーム・インパラの後を受け、UKのテンプルズとも共鳴するようなサイケを聴かせるジャグウォー・マ。
僕はもちろんノエル・ギャラガーが注目していたことから知ったわけだが、懐かしのサイケやマッドチェスターを純粋培養させたような彼らの音は、雑念抜きで楽しめる。
上に書いた以外にも、アニマル・コレクティヴとかアヴァランチーズあたりを彷彿させる絶妙な編集センスも見事。
暑い日にビールを飲み過ぎてぼーっとしているときみたいな、暑さのせいか酔いのせいかわからないような感覚が堪らない。


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