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Jake Bugg / Shangri La (2013)

最年少での全英チャート初登場1位という快挙を成し遂げた衝撃のデビュー作から1年、ジェイク・バグがリック・ルービンと組んで挑んだセカンド・アルバム。
当時未だ10代だったジェイクのふてぶてしさと逞しさ、繊細さと哀愁を湛えた歌声とソングライティングは確固たるものとなっている。

リック・ルービンの所有するアメリカはマリブにあるスタジオで、ルービンらしいファストでヘヴィなグルーヴ感のある楽曲(シングル曲の③ではパール・ジャムまで彷彿させるし、チャド・スミスやピート・トーマスによるドラムスは質実剛健)が加わっただけでなく、前作の延長線上のフォーク・ソングには当時彼が聴き込んでいたというニール・ヤングやニック・ドレイクからの影響が色濃く、シンプルなバラードも美しさと翳りが同居し、表現力も豊潤さを増している。

成功により前作とは置かれている状況が変わり、それに伴い歌う内容もより広い世界を観察した結果として普遍性を増し、前半のポップでキャッチーな楽曲の並びから、後半では渋く重くシリアスに(ときにダークに)聴かせる構成もよくできている。おまけに初めと終わりをディラン風にまとめるあたりも粋。順調な成長を刻んだ理想的な2作目といえる。

少なくとも2作目までの道のりは順風満帆。ディランやヤングのように、傑作も”失敗作”も出しながら、末長く音楽を続けてほしい。
(それだけに3作目への期待は否が応でも高まったのだが…)




2012年の1作目ですっかりハマり、大いに期待した上で迎えた翌2013年リリースの2作目。ロッキング・オンの年間1位に選ばれたのは驚きだったけど、でも批判される謂れはないくらい良い作品ではあると思う。
フォークやブルーズ一辺倒ではなく、ロック色のバンド・サウンドを強めているのは妥当だし、曲もよく書けていると思う(上から目線ですみません)。
うむ、こうして改めて聴いてもやはり1〜2作目の流れは視界も良好。この10代の若者の将来に大いに夢が広がっていた。のだけど、20代になって失速した感は否めないか。
無理難題を言うようだけど、2014年にさらに才能に磨きがかかった3作目が作れていたら最高のSSWになれたのかもしれない。

ちなみに4作目を最後にキャリアを追えていないので、後追いで聴いていく所存です。

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