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M83 / Dead Cities, Red Seas & Lost Ghosts (2003)

よりシューゲイザー色を強めたギター・ノイズが特徴的なセカンド・アルバム。シンセサイザーによるエレクトロ色も健在で、全体の統一感は前作を上回っている。

最後の⑫に至ってシガー・ロスの域に差し掛かるぐらいの幽玄で壮大なサウンドスケープは圧巻だが、本作はジャケット(写真のタイトルは"Snow Angels")からも想起される、地に足の着いた骨太とノスタルジックな甘美さが入り混じった白昼夢感がある。雰囲気だけでなくメロディも良く聴き応えあり。



M83はシガー・ロスより後に知ったけど、「ポップでエレクトロなシガー・ロス」というイメージ。
この2003年リリースの2作目は、時期的にもそうだが、音楽的にもシガー・ロスの3作目(2002年)、4作目(2005年)の間のような作風になっているのが興味深い。

ユニット名からして宇宙的だったM83が、アイスランドの雄大な自然に根差したシガー・ロスとまではいかなくとも、そのジャケットのとおり山間の町の大雪原に回帰したようなその音は、空想と現実の間を浮遊するような、でも妙に覚醒したような感覚がある。

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