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Norah Jones / Not Too Late (2007)

2作続けての大ヒットとツアー後の休養、別バンドのリトル・ウィリーズなどでの課外活動を経て、3年ぶりとなるサード・アルバムは、初めて全曲にノラ・ジョーンズ自身のクレジット(共作も含む)が入る「シンガー・ソングライター・アルバム」となった。

パートナーのリー・アレキサンダーと2人でNYの自宅に設けたスタジオで、多彩なゲストを招いてレコーディングされた本作は、ジャズよりもカントリーやフォーク寄りの70年代SSW風味が強まり、内容もパーソナルなものとなっている。

トム・ウェイツ風の"Sinkin' Soon"(M. ウォードもコーラスで参加)やアメリカ社会を憂うような詞が綴られた"My Dear Country"など新境地を見せ、曲調も詞も内省に向かいながらも、最後のタイトル・トラックでは「まだ手遅れじゃない」と前向きなメッセージを送る。

ピアノよりもギター主体で作曲し、ギター弾き語りの曲も収録した本作は、この後のポップ/ロックへの接近の兆しがみられる。



ノラ・ジョーンズのアルバム・ジャケットは、デビュー作から青、黄色ときてこの3作目は赤。
柔らかくしっとりとした、ややダークな赤。それはナチュラルでパーソナルでややシリアスな本作の音楽性と調和している。


昨日で一つの区切りがつき、4月になればすぐにまた新たな日常がやってくる。
その合間の、束の間の週末。雪は9割方姿を消し、いよいよ春がやってくる。

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