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Passion Pit / Manners (2009)

マイケル・アンジェラコスを中心としたエレクトロ・ポップ・バンド、パッション・ピットのデビュー・アルバムは、USインディの多彩で逞しい成長を通して迎えた'00年代最後の2009年にリリースされた。

「バレンタイン・デーのプレゼント」としてマイケルのベッドルーム・プロジェクトから始まり、やがて5人組のバンドとなった彼らは、インディの姿勢のまま”大文字のPOP”サウンドで時勢をがっちりと掴んだ。

この突き抜けるようなポップさと昂揚感のあるサイケデリアは、一方で核心の部分は苦味や痛みや鬱屈とした気分に満ち、MGMTよりも大きなスケールで、フォスター・ザ・ピープルよりも内省的に響く。

不眠症をテーマにした”Sleepyhead”をはじめ、優れたシングル曲を中心とした本作は双極性障害に苦しんだ状態でレコーディングされたという。
しかし、行き過ぎたテンションのサウンドを彼の知性とポップ・センスでぎりぎりのところでポピュラー・ミュージックの領域に留め、洪水の如きエレクトロ・ビートや多幸感溢れるシンセ・ポップが煌めく、アトモスフェリック・ポップ・アルバムとして日の目をみることになったのは喜ばしい。

自らを抉り出すようにアルバムを作ったであろうマイケル本人の疲弊は計り知れないが、その結晶である本作は来たる2010年代のUSインディのユーフォリックな序章の一つとしてその名を刻んだ。





昨日はライブにTHE SECONDに、お笑いで満ちた1日。
さらにこの週末は身に付けるものへの出費も嵩んだ。
頑張ってきたのだから、多少の贅沢は許してくだされ。

さてプレミア・リーグ最終節。
グーナーの歓喜を求めるのは贅沢過ぎかしら。

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