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Orange Juice / Texas Fever (1984)

ファースト・アルバムで同業者や批評家からの評価と賛辞を、セカンド・アルバムで大衆からの支持とセールスとスターの座を手に入れたオレンジ・ジュース。

しかし、バンドの中心であるエドウィン・コリンズは成功に辟易し、ダブ/レゲエ畑のプロデューサー、デニス・ボーヴェルと組み、前作より磨きをかけたファンキーなグルーヴとポップ・センス、そして煌めくギター・サウンドを武器に、1〜2作目を超える音楽を目指した。

その結果生まれた本作は、6曲入りのミニ・アルバムとして、彼らのこれまでのキャリアを網羅したような多彩かつ粒揃いの印象深い作品となっている。
小品的でありながら、完成度としては前作を上回っているかもしれない。



いくら世間がストリーミング全盛の時代になろうとも、音楽はアルバム至上主義の僕だけど(映画はNetflix三昧だけどね…)、正直言うとあんまり長いアルバムだと集中力が続かないのも事実。
10曲(〜12曲)で42分ぐらいまでに収めていただけると有難い…(主にレコード時代のロックの名盤は大抵これに当てはまるかと)。

そんな中で重宝するのがEPとかミニ・アルバム。
4曲とか6曲収録だと、全体を通してバリエーションに富んだ内容にも、一定のコンセプトでまとめた内容にも、手短に挑戦的な内容にもできるし、15分とか長くても30分以内で収まるので、すごく聴きやすい。
ちょっと散歩する時とか、帰宅時のお供にちょうどいい。
(アレックス・ターナーの「サブマリン」なんて死ぬほど聴きまくってる)

そんなわけで今回は、40年前にリリースされたオレンジ・ジュースのミニ・アルバム。ファンからの評価も高い逸品。自らの音楽を追求し、試作から始まったであろう本作は、フル・アルバムのサイズにする前に6曲20分で制作終了。
それでも彼らの瑞々しくも洗練され、同時に奇抜さもある独自のポップ・センスが詰まった力作になっている。
そしてCD盤でのボーナス・トラック3曲も彼ららしく素晴らしく、9曲32分だけど、食べやすく腹持ちも良い感じの作品。
バラエティ・タイプとコンセプト・タイプでいうと前者よりなのかな。
エドウィン・コリンズはオレンジ・ジュースはもちろん、ソロ作品も大好きです。

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