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Crosby, Stills & Nash / Crosby, Stills & Nash (1969)

元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルスと元ザ・バーズのデヴィッド・クロスビーに、ザ・ホリーズ脱退間際のグラハム・ナッシュが加わったスーパーグループ"CS&N"のファースト・アルバム。

ジュディ・コリンズとの別離を歌ったスティルス作の7分超の組曲から始まり、モロッコを旅したナッシュ作の軽快な「マラケシュ急行」、クロスビー作の豊かな詩情と哀愁に満ちた美しいアコースティック・バラードと、3曲目までに3人それぞれが作詞作曲してリード・ヴォーカルをとり、グループ結成のきっかけとなった”Helplessly Hoping”では3声の美しいハーモニーを響かせる。
全10曲のうち、スティルスが4曲、ナッシュとクロスビーが各3曲を持ち寄り、優れたシンガー・ソングライター3人を擁するグループの面目躍如となっている。

繊細さと芯の強さを兼備した、凛として巧みなアコースティック・フォーク・ロックで新時代の幕開けを飾った本作は、イーグルスをはじめとした1970年代以降のウエストコースト・ロックに多大な影響を与えた。




個人的には肝心の”Y”が入る前のCSNのデビュー作にしてフォーク・ロックの名盤も今日でリリースから55年。

いかにもアメリカンな軒先カウチに座る3人(右からC・S・N)の象徴的なジャケットも有名で、ドラムスを務めたダラス・テイラーが裏ジャケの窓にさりげなく写っている(かなり不気味)。

70年代のウエストコースト・ロックだけでなくSSWブームの先駆けにもなっていそうな重要な作品だと思います。

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