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鍼師おしゃあ 私の推し文庫!

東京有明医療大学には立派な図書館があり,見たことのないような雑誌などたくさんです。

その片隅に文庫本もちょっとだけあるんですがさすが鍼灸学科があるためか珍しい歴史小説発見しました。
『鍼師おしゃあ』著者は河治和香さん。
2016年初版なのですでに17年前の本でしたが,増刷され文庫本にまでなっていました。

主人公のおしゃあは架空の人物だそうですが,脇を固める面々は幕末から明治を駆け抜けた実在の人物をモデルにした歴史小説です。

登場人物が少なく,また人間描写も秀逸しかも江戸知識も半端じゃないため本当にぐいぐい引き込まれ,多忙な毎日ではありますが通学時間帯など2日間で読了です。

こんなに引き込まれた小説は久しぶりです。
以前夢中になっていた関西を舞台にした歴史小説を書かれた築山桂さんにも似た香りが文章から漂います。
築山さんはもともと大阪大学で日本近世の博士という時代考証もできる作家さんというより研究者ですね。
大学院時代にちょっと書かれた北前船始末という緒方洪庵が大阪で修行されていた時代小説を同僚見せたところ大ブレイクという珍しい作家さんです。

山しょうはもともと女流作家というか女性の小説家が書かれる小説に強く惹かれるたちなのか,篠田節子,小野不由美,三浦しをんそして築山桂さんたちの著作を追いかけてきていたりしますが,築山さんは2009年から新作の歴史小説は出されていないようで残念に思っておりました。

なので新しい鉱脈を見つけたような喜びです。 
河治和香さん!ぜひこれから読みたいと思っております。

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