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SoD, 第8章、オープニング

<便宜上いっぺんに訳す>

シャエル・コーウィン隊長ならびにその副官ベンス・ダンカンがバルダーズ・ゲートからの遠征軍を統率した。遠征軍に参加した者らのなかにはフレイミング・フィストの厳しい規則に慣れていない者もおり、北への最初の数日間はつらい試練の時となった。

行軍は十字軍の犠牲者との遭遇によって歩みを遅くされた。希望を失い、うつろな表情をしたおびただしい数の男女がコーストウェイの至る所に蠢いていた。尋ねられると、彼らは焼き払われた畑を、略奪された倉を、そして十字軍に兵として強制的に連れ去られた家族のことを語った。それでいて、多くの者がこれらの災厄をよりよき善を実現するための必要な犠牲であると受け止めていた。ケイラー・アージェントに対する一種の諦め、時には尊敬さえもが、彼女に蹂躙されたこれらの人々のあいだでは不穏なほどに一般になっていた。シャイニング・レディこそは予言されたものであり、ただひとつではない、すべての宗旨、すべての神のために働いているものなのだと憚らず口にする者もいた。

ケイラー・アージェントが正義を行おうとしている可能性はあるのだろうか?それとも彼女は、自分だけの計画を成就するために恐るべき欺瞞を行っているのだろうか、かつてのサレヴォクのように?

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