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SoD, プロローグ、書物『九層地獄について』

<コーラズの一族の墓地下2F、図書室にて。九層地獄はずっと後、第12章で行くことになります>

多次元界において秩序にして悪の位置を占める九層地獄は、学者の言うところのバーテズなる邪悪なデヴィルどもの住処である。この忌まわしいプレーン*の九つの層は、それぞれこの世界の住人の上に絶対権力を振るう強大なデヴィルによって支配されている。生前に悪行をなした堕落せる者、また契約によって悪魔に魂を売り渡した愚かなる者は九層地獄に送り込まれ、死にまさる拷問を永遠に受け続けるのだ。フーガ・プレーン*で裁きを待つ者のなかには、バーテズによって九層地獄の働き手になるよう誘われるものもいる。どうなるかわからぬ運命を受け取るよりはと、この邪悪な取り引きに応じるものも中にはある。


*次元界のこと。D&Dの世界観は、まあタテにした棒に薄い円盤かドーナツが重なってささったような感じで、その円盤ひとつひとつが違う次元の世界というわけ(たとえば人間が住んでる世界はプライム・マテリアル・プレーン(物質世界)とか)。またいわゆる地獄や天国の存在するアウタープレーンは円盤のフチ部分しかない車輪みたいな感じになってて、それがまた細かく秩序・中立・混沌の属性、善・悪で別に分かれている。基本、悪=地獄で善=天国だけど、また属性によってそれぞれいろんな地獄・天国があるわけ。九層地獄は”秩序にして悪”だから、地獄でも階級制でハッキリしてる世界なので、まあブラック企業みたいなものかも。
*フーガ・プレーンは生まれ変わる前の魂が集まる世界。ここで前世の行いに自信がない魂は、変なものに生まれ変わらせられるよりはと地獄の獄卒になってしまうのだろう。

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