【習作】無題の神隠し

気がつくと私は見知らぬ十字路に立っていた。
空は夕陽色に染まっている。周囲には平屋建ての住宅が並んでいるが、高い石塀に遮られ様子は窺えない。一見すると平凡な住宅街だが、異様なことに生活の気配が一切しなかった。携帯電話を取り出すと、ホーム画面の時計は「66:66」を刻んでいた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?