【花祭】
昨年5月に奈良で個展を開催した際に、
桜井市にある長谷寺に参拝しました。
とても御縁を感じたので、朝、個展の開場前に
連日参拝して、朝のお勤めにも参加させて頂きました。
その時に、
「この短刀に幅広い腰樋を入れて
その中に梵字を彫り、
そこから六観音の光を表すように
細い樋を六本(表三本、裏三本)入れる」
というインスピレーションを得ました。
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それからしばらくして、実際に腰樋(こしび)を掻いてから
(樋を彫ることを「樋を掻く」と言います)、
この短刀と対話して、表の樋中には観音菩薩の梵字「サ」を、
裏の樋中には阿弥陀如来の梵字「キリーク」を彫ることに決まりました。
観音菩薩は、阿弥陀如来の慈悲の働きを助けると言われています。
梵字を彫るのは、専門の装剣金工の職人さんに依頼して彫ってもらいました。
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この短刀が研ぎ上がって来ると、号(短刀の名前)を何にするか検討し始めました。
長谷寺の観音さんに御縁が深いので、
長谷寺に因んだ名前を検討したりもしましたが、
なかなか決まりません。
そうして迎えた御靈入れの当日。
御靈入れの場所に選んだ地元長野のお寺の階段を登っている時に降りて来た号が、
【花祭(はなまつり)】でした。
御靈入れを行った四月八日の花祭りの日に因み、
【花祭】という名の短刀が生まれました。
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日々起こる様々な出来事には、物語の流れのように"意味"があります。
それは、"意図"と言ってもいいかもしれません。
その意図が指し示すままに、
こちらの短刀【花祭】を御縁のある方にお譲りします。
こちらの短刀【花祭】をお迎えしたい方はご応募ください。
ただし、お譲りするとは言っても無料ではありません。
金額は応募者さん御自身で決めて頂きます。
ご応募いただいた方の中で、【花祭】の意思と対話して「この人だ!」という方に決めさせて頂きます。
金額の高い安いだけで決まるわけではありませんし、
ご応募いただいた方の中で決まらない場合もあり得ます。
ご応募は下記メールアドレスに、
・氏名
・メールアドレス
・電話番号
・住所
・希望金額
・応募動機
を送信してください。
尚、受付期限は令和6年4月25日正午までとさせて頂きます。
もし「この人だ!」と言う人がいて決定した場合、
受付期限を待たずに早期終了することもあります。
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短刀【花祭(はなまつり)】
銘 信濃國秀平
令和六年二月日
刃長 8寸5分 反りなし
〈作風〉平造、真棟、身幅尋常で無反りの尋常な姿。鍛えは詰んだ小板目に地沸つく。刃文は小互の目乱れが明るく冴え、小沸つく。帽子は直に小丸に返る。彫り物は表裏共丸留の幅広い腰樋の中に梵字、その腰樋の上にさらに三本の細い樋が掻かれる。
茎は先栗尻、鑢目筋違。
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