【レンタルバイク】

若い頃からバイクが好きだった。
バイクを好きになった理由は覚えていないが、車よりも自由であるように感じるのだ。
車のフレームのように外界と自分の身体を隔てるものがなく、風をもろに感じられるからだろう(雨や雪の日は基本的に乗らない)。

車の免許を取る際に、中型も併せてとろうとしたところ、親からは危ないからと止められたが、車もバイクも事故った際のリスクはあまり変わらないと突っぱねて取得した。
もちろんリスクは同じなどではなく、道路や車、障害物等に直接接触する可能性が高い為、バイクの方が事故リスクが高いことは承知の上であった。

大学生の頃はお金がなかった為、車検のかからない250ccのバイクに乗っていた。
就職するまで乗っていたのだが、就職に合わせて県外に出ることになった為、バイクを一旦手放すことにした。
一人暮らしと社会人なり立てということで、バイクを購入するまでの余裕がないまま数年を過ごし、女性と付き合うようになってからはお互いに運転ができるという理由でバイクではなく、車を購入した。
バイク欲しいなぁという気持ちは持ち続けていたものの駐車場や家計の状況から手を出せずにいた。

同棲を解消し、一人になってからは125ccのスクータータイプのバイクを購入した。
その頃には若い頃のように毎週遊びに出掛けたり、泊りがけでの旅行に行きたいという気持ちも薄れていた為、スーパーでの買い物や公共交通機関に代わる足として充分であった。

そんな中、たまたま業務中に回ってきた機関紙の中にレンタルバイクの広告が掲載されていた。
内容が気になったためネットを見てみたところ、レンタカーと同じように時間やバイクの排気量等で料金形態が変わるものだということが分かった。
しかも家からそこそこ近い場所に店舗があり、250~1100ccまでラインナップも様々あることから一度お試ししてみようかと思い立った。

まずは、ネットから会員登録してその後対象店舗に移動してレンタルしたいバイクを選択する。予定日を確認して予約完了といった流れで特に問題なくスムーズに予約まで完了させることができた。
ただ、2週間ほど前に予約したため、当日の天気が晴れるかどうかが賭けであったが、当日キャンセルでもキャンセル料が必要なさそうだったので、安心して予約することができた。

レンタル当日は無事に晴れ、店舗を訪問してレンタカーと同じように同意書類へのサインとお会計を済ませた後、バイクの傷等を確認したら引き渡し完了といった手順であった。
当日は土曜日であったため、私以外にもけっこう多くの人がレンタルしにきていた。4人組の内、2人がレンタルで2人は自分のバイクといったパターンも見受けられ、レンタルしてツーリングに行ってみて、
楽しかったら、実際に購入するということもあるのかもしれない。

私はというと、ギアチェンジが必要なバイクに乗ること自体が約10年ぶりということもあって、まずは店舗の駐車場でギアチェンジの練習を一通りしたあとに実際に路面に出てみた。
イメージがわかない人も多いかもしれないが、クラッチとアクセルの開度調整に慣れるまでに軽く数回エンストしてしまった。

通行量の少ない田舎道まで慎重に運転し、4時間ほど運転する頃には初めて乗るバイクの操作にも慣れてきた。
信号も少なかった為、ギアチェンジする回数が極端に減ったのが理由かもしれないが。

結局、1日で約8時間程運転したが、とても有意義な時間を過ごすことができた。
それからは、4~10月くらいの期間に限定し、計画的サボりを利用してはバイクをレンタルしていろんな場所に行くようになった。
冬場は寒い上に道路が凍結している可能性が高い道が多く(田舎で山道がおおい為)、バイクを購入しても利用しない可能性が高いこと、250~400ccの中型に限定しても約15台近くのバラエティがあり、
毎回異なるバイクに乗れることから、大いに利用させていただいている。

レンタカーも同様だが、車やバイクを所有しなくてもレンタルして楽しめるようになった状況はとても良いものだと感じた次第だ。

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