Märíes Sklaveの絵本のおはなし
こんにちは。ちんちんむし(はいぢ)です。
今日は私のやっているブランド「Märíes Sklave」から今まで出した絵本&画集について、作者自身はこんなことを思って作ったよ、というおはなしをしていこうと思います。勿論、私なりの想いがあって作っていますが、読んでくださった方が感じた気持ちがあれば、それを一番大切にしていただけたら嬉しいです。
⚠️この記事にはネタバレが沢山あります。
❶1st画集
初めて出した画集です。と言っても18ページ。Märíes Sklaveのお洋服にプリントされている絵や、お洋服にはなっていないけれどアイデアとして描き続けた絵が載っています。確かこの画集を作る頃に描き上げていたイラストは100枚くらいだったような気がするのですが、その中から自分が気に入っているものだけを選びました。お洋服にプリントするかもしれないことを前提に背景らしい背景はないのですが、全てのページに額縁をつけて、開いたまま飾っても可愛いようにしました。一番気に入っているのは泣いている女の子の絵です。
❷【かわいそうないもむし】
私が一番最初に作ったお気に入りの絵本、「かわいそうないもむし」です。
この絵本のテーマは2つあって、1つは「報われるとは限らない」というのと、もう1つは幼くして虐待で亡くなった子供のニュースや映画を見て思いついています。
いもむしは、今の自分はいろんな人に気持ち悪がられて嫌われているけど、いつか絶対に羽根が生えて立派で素敵な蝶々や蛾になれると信じて、その日を夢見て生きています。蝶々や蛾になることは、「報われること」「大人になること」を指しています。でもそれは当たり前にそうなれるわけじゃないよ、ということを描きたいなと思いました。報われるのも大人になれるのも、その人自身の努力であったり周りの支えであったり、奇跡や運であったり、当然のこととして起きている訳ではないという意味です。願いが報われた人には自身の努力や運の強さや周りの支えがあればそれを誇ってほしいし、報われない人にも「それが普通であなたが特別に不幸なわけではない」と思ってほしいし。でも、虐待で亡くなった子供のニュースも要素となってから、大人になれないことがどれだけ理不尽で悲しいことなのかが必要だと思い、最後のページでなるべく衝撃を受けて悲しい気持ちになってほしいと思って構成を考えました。
いもむしや蝶々、蛾が元々大好きで調べていた時に、サナギの中を開けてみると細胞分裂のために液状化してぐちゃぐちゃになっているという記事を読みました。そのサナギはどうなったのかは知りませんが、それを見て主人公をいもむしにしました。
私自身、これを作る少し前に報われなくて死ぬしかないと思い込むほど悲しい出来事があったのですが、この絵本のいもむしも報われなかったおかげで、「一緒だね」と思えているところもあります。芋虫が嫌いな人は現実に沢山いるので、初めてのコミティアの時に一番人気がなかったのですが、自分が作った中では一番大好きな絵本です。
❸やさぐれた羊
自己投影のような気持ちで作った本です。私は集団行動やいつも群れている人達が嫌いですし、仕事や法律以外での「〇〇はこうでなくてはならない」という決めつけが大嫌いです。動物園でも牧場でも羊の群れから浮いていて、肉にされそうになっても寝る前に数えられても言うことを聞かない羊。でも、そんなでもただ傍若無人なわけではなくて愛情とかあるんだよ、ということを描いています。自分がそうですが、周りの目も気にしない協調性のない者ほどとにかく大好きな存在に全ての愛をそこに注いでしまうように思います。初めてのコミティアで完売しました。ありがとうございます。
❹You will never see
2冊目の画集です。テーマは「27歳までの自分を殺す」です。
カート・コバーン、ロバート・ジョンソン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン・・・27歳で自分の手で亡くなったスターは沢山います。ずっとカートが好きで、別に人生を楽しんでない私はそうでありたいと思っていました。私がすごく大好きな友達の一人に、ハードロックも元々通っていて今は音楽を作っている友達がいて、病んでいてその話をした時に「あの人たちは27歳までに何かを成し遂げているから死んでもあれだけ伝説味があるのであって、何も成し遂げてない人が27で死んだって仕方ない」というようなことを言われてすごく納得し、もう28歳になりました。またブランドをやり直そう、やりたいことを本気でやってみようと思ったのも、その人やその言葉の影響がとても大きいです。
そんな中でもやっぱり辛くて死にたい、と思った時に、「本当は前向きに生きたい自分」が「じゃあ27歳までの自分を殺すをテーマに自殺シーンだけを集めた作品を作ろう」と思いつきました。28歳になる誕生日の前に思いつきました。28歳からは前向きに生きるためにも、死にたいなら身体を滅ぼす以外の形で死ぬべきだと思いました。
そのため全ての絵で同じ子が死んでいることにしていて、あれは完全美化した自分のつもりなので、大体自分が持っている服のコーディネートで描いています。
タイトルの「You Will never see」は、カートが亡くなる時聴いていたと言われるR.E.M.の「Automatic For The People」というアルバムの「Try Not To Breathe 」という曲の歌詞から決めました。完売しました。
❺あなたのともだち
中学の頃、悩み事がある時や辛い時だけ頼りにしてきて元気な時にはグループに戻っていくような人がいたので、その子を思い出して描きました。その子が不幸な時にしか相手にされないからずっと悲しんでればいいのに、と思っていました。今となってはどんなに寂しくてもそんな人こちらから願い下げですけど、共感してくれる人はいるのではないかな、と思います。
あとはお人形やぬいぐるみが好きなので自分のブランドの代表的なキャラとして欲しくて考えたのですが、今見返すともっと可愛いのを作りたいな、と思っているところです。完売しました。
❻虫か花か
以前noteに描いた創作小説が原作です。
自分が自殺をした時に、孤独死で誰にも見つけてもらえなくて蛆虫が湧いて異臭で発見されるのか、それともちゃんと誰かがお花を供えて葬儀をしてもらえるのかが怖くなった時に思いついた作品です。私は今でも孤独死の確率の方が断然高くて、怖くて仕方がないので絵本にまでしました。
作品解説は以上です。読んでくださった方の感想をまだあまり知らないので、もしあったらコメントでいただけたら幸いです。
早くちょうちょになりたい