バタフライエフェクト②

書きかけの記事があった。
私は先月10年以上勤めた会社を辞めたのだが。
昨年末、もういよいよ、な気持ちの時に書いた記事だ。


コロナ発生以降、私の心はずーっと、湖のように静かだ。
したいことも会いたい人もない人生だ。
ただトボトボと、何者かに敷かれたレールの上を、死なないように歩いている気分だ。

今年は、ひどいパワハラに遭い、大いに戦った。
長年やられてはきたが、ここ2年は特に酷い。
だが、心底どうでもよくて、私は戦ってこなかった。
立場上、負けるに決まってるのだ。
相手にすれば、嬉々として論破してくる。そういう相手だ。
些細なミスの原因は、膨大な仕事量に原因がある。そしてそれは、デスクワークではなく、体力勝負な業務で、頭も身体もフルに使ったところで、西へ東へ瞬間移動できるわけもない。アッ忘れてた!と気づいたところで、修正に動けないのが問題だ。

例えば、①ビンビールを5ケース、徒歩で運べる?5階まで。階段で。

その間、無線機で今どこにいる?とひっきりなしに所在確認をされる。両手が塞がっていても、返事をしなければならない。私がヨチヨチ必死で運んでるの、わかっててやってるよね?
汗だくの私に、次々とその後の重労働が命じられる。まるで犬でも躾けるような命令口調だ。

①が終わったかどうかのタイミングで②は終わったか?と聞かれる。まだだ、と答えたらなぜかと聞かれる。なぜってあんた・・と私は思う。ふうふう息を切らせて。
うなだれ、黙る自分。
かわいそうだ、と空から眺めてるもう1人の自分。

さんざん罵った後、しょんぼりと②に取り掛かる私に、③④⑤と更に地獄のような指示を寄越す。
そして、いくらなんでもやりすぎだろう、なムードになると途端に、「もよちゃーん」と甘えた声で呼び、苦手なパソコン操作を聞かれたり、昔話を降ってきたり、笑顔で話しかけてくるのだ。
私は仕方なく、彼女に合わせてエヘヘと笑う。コイツ死ねと思いながら、私は笑う。
もう1人の私は、それをキモッ!と言っている。

はっきり言って、変態プレイの領域だ。
いじめる方もいじめられる方も、どうかしてるのだ。



この、自分で書いたというか、書き上げることすら放棄した悲しい叫び。暗い。
私は今頃これを読んで、切ない気持ちでいっぱいだ。
辛かったね、辞めて良かったネと心から思う。

前の記事に書いた、忘れられないあの人が、地獄を抜け出す最後の力を、私にくれたのだ。
私は死を選ばず希望を捨てず、あの会社を飛び出してきたのは良い決断だったと思う。

パワハラって、私に言わせれば変態プレイだ。
今パワハラで苦しんでる人に、急いで伝えたいこと。

●相手が見たがってる姿表情をしてやるな。
●話し合おうとするな。
●他者に相談をするな。

あなたを大切に思う人は、あなたの話を聞いてくれる。
だけど、勇気を惜しみ相手を離さず、延々とそれを聞かせ続ける行為は、あなたが受けてるハラスメントと何が違う?

私は母にそれをしていた。
ほらほらかわいい娘が苦しんでるんだよ?と言わんばかりに。
あれ?私がしていたことも、パワハラじゃないのか?
そこでやっと辞める決心がついた。私にとってはそれが1番の気づきだった。
お母さんごめん。もう、大丈夫だから。

すごくなくていい、キラキラしてなくていい、ただただ大丈夫な日々をと、今は願う。