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【NJRPG-2ND/シナリオ】ブリーズ・ファイア、ロアー・ライク・ア・ウルフ

あらすじ:ネオサイタマで増加の一途をたどる、謎めいた殺人事件。ソウカイヤ、そしてアマクダリはその犯人である"蝿のニンジャ"がボンボリ・ディストリクトに潜むことを突き止めた。ニ大組織の追求は、果たしてタイガー・クエスト・ダンジョンとなるのか。

これは「ニンジャスレイヤーTRPG第2版」のシステムに対応した、中編シナリオ記事です。

プレイ人数:2名
所要時間:8時間(オンライン/テキストセッション)
舞台:AoS、ネオサイタマ
難易度:グランドマスター級、爆発四散可能性あり
    ▶32pt
の特殊スクラッチビルドによる新規作成キャラクター向け
参考エピソード:【ケイジ・オブ・モータリティ】

『第二回シナリオコン』応募作のため、
インスパイア元として参考エピソードを記載しています。

はじめに

このシナリオはプレイヤー1人につき2人のPCを操作する、特殊な、そしてミニマルな群像劇タイプの構成となっている。ソウカイ・シックスゲイツのニンジャアマクダリ・アクシスのニンジャ、プレイヤーは、この2人のPCを交互に操作する形で、一連のストーリーを体験することになる。

別のアイデアとして、プレイヤー人数を2倍に増やしてソウカイヤ側・アマクダリ側にそれぞれ2人ずつ振り分けることもできる。この場合、各シーンではPCを操作していないプレイヤーがNPCを操作する=マスターレスなシナリオとして遊ぶこともできるだろう。


キャラクターの作成について

プレイヤーは以下のルールに従い、通常の28ポイントスクラッチビルドよりやや強力なPCを2人作成する。それは当然、ソウカイ・シックスゲイツのニンジャとアマクダリ・セクトのニンジャだ。

  • PCは28ポイントスクラッチビルドをベースにした専用ルールによって新規作成する。以下に記載されているのは、ビルドルールの変更点である。

    • PCは【名声】15でスタートし、32ポイントを配分して作成する。

    • 能力値の上限は12となる(【ジツ】は6が上限となる)。

    • 【万札】80の代わりに【万札】100が配布される。

      • 購入単価の制限はないが、サイバネはLv3が上限となる。


マップデータ

このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。


導入

ソウカイ・シンジケートの最高威力部門「シックスゲイツ」の二人は、ボンボリ・ディストリクトに徒歩にて入り込んだ。「サイアク・ウェンズデー」と呼ばれる株価暴落の余波で連鎖的に粉飾決算が明るみとなり倒産、グループ解体となったポンポン・エンタープライズ社のかつての支配地だ。

ネオサイタマの一角を治める暗黒メガコーポの突如の消滅は過去に例がなく、後の支配権は揉めた。他企業が牽制しあい、手をこまねいている間に、ボンボリの市民は取締役会一斉セプクによって機能喪失したポンポン社敷地を襲撃し、重火器やDJ機材を略奪。殺しが殺しを呼ぶ治安凶悪ディストリクトと化した。やがてコップの嵐が収まるが如く、いびつな秩序が街区内に形成されるに至る。


ニンジャは爆発四散すれば儚く消え、死体はたいてい残らない。だが、爆発四散に至るまでに散らばった四肢や食いちぎられた部位はその場に残る。ズタズタに喰い荒らされ、穴だらけになった残骸を幾つか、ソウカイヤは確保し、画像データにも残した。それからニンジャの一人のサイバネアイからサルベージした断末魔動画データ。

映像の殆どが死のノイズに潰され、下手人の詳細まではわからない。ただ、その用いる武器はよくわかった。蝿だ。今月に入って、ソウカイ・シンジケートのニンジャが立て続けに死亡している。死因不明のものも幾つかあるが、幾つかは手がかりを残していた。それが蝿だ。

そしてその事象の中心に位置するのがここ、ボンボリ・ディストリクトである。ソウカイヤはその中でも、ザンキ・ギャングのテリトリーであるポンポン・ビルディングに犯人が潜んでいると睨んでいた。

【ケイジ・オブ・モータリティ】より引用・改変

PCはソウカイヤのシックスゲイツとして、謎の怪死事件の中心にあるポンポン・ビルディングを調査に訪れる。彼らの任務は原因と思われるニンジャを見つけ出し、オトシマエをつけさせることだ。

マスターは上記の描写サンプルを参考に、ポンポン・ビルディングまでの道のりを描写し、場合によっては血に飢えた住人が襲いかかってくるようなトラブルを演出して、プレイヤーにロールプレイで解決させる。この間に、今回の任務や背景について語ると良いだろう。


シーン1:ポンポン・ビルディング前(ソウカイヤ編)

2人は障壁を破壊してポンポン・ビルディング内部へと脚を踏み入れる。ブガー!ブガー!ブガー!警報音が鳴った。一階ホールを進み出てきたのは……ナムサン……両腕に火炎放射サイバネを仕込んだ悪逆非道のタフ・スモトリだ。そしてその取り巻き。

「フレッシュミートども。この俺のゴッドフレアでステーキにされる為に、インタフォンも鳴らさずに来やがったワケだなァ?」ゴウウウ! 威嚇火炎放射! 手首に放射装置増設済!「俺の名はゴッドフレア・タツヤだ」

このビルはどのニンジャ組織にも属さないザンキ・ギャングの根城となっている(この区画が荒廃し切っているためどの組織も今まで関心を寄せていなかったのだ)。

ザンキ・ギャングは無謀にも訪れたソウカイヤに過剰反応を示し、四方八方から銃撃を仕掛けてくる。ソウカイ・シックスゲイツの2人には自己判断で殺害の権限が与えられており、ビルの破壊さえしなければ、いくら住民を殺そうと何のお咎めもない。


強行突破

このシーンでは「ポンポン・ビルディング」の戦闘マップを使用し、中ボスキャラとの通常戦闘と、大量の雑魚敵とのギミック戦闘、そしてビル内部の強行突破の進行度を処理するギミック判定の3つをミックスした特殊な戦闘処理を行う。

処理を簡略化するため、この戦闘は同じマップ上で地続きに行われるものの、実際にはエントリーした1階から、8階へと向けて強行突破するシーンとして扱うと良い。

◉この戦闘では、毎ターン開始時に「ザンキ・ギャング」がマップ上に10体POPする。また後述の条件に応じて、「ゴッドフレア・タツヤ」など中ボスキャラが同じタイミングでPOPする。


◉PCは通常の戦闘処理を行うが、攻撃/射撃/発動/ハッキングいずれかの判定で敵を攻撃したとき、その判定の成功数/2(端数切り捨て)の人数だけ、即座に「ザンキ・ギャング」を排除できる。

 ◎当然、「ザンキ・ギャング」は直接攻撃して殺害することもできる。例えば範囲攻撃のジツでギャングを薙ぎ払った場合、通常のダメージ処理に加え、判定の成功数に応じて追加で敵を倒せるということだ。


◉ターン終了時、「ボス級の敵」がマップに存在しない場合、PC全員は最も高い基礎能力値(ジツは2倍、サイバネなどの補正は含めない)で「突破判定(難易度NORMAL)」を行う。

この突破判定の成功数を合算し、4で割った数(端数切り上げ)だけ「フロアを突破」して上層へと向かうことに成功したとみなされる。

例えばフロア1でPC2人の突破判定成功数が7,5だった場合、12÷4=3フロアを制圧して、フロア4まで進んだことになる。

PCの能力値上限は12なので、1人あたりの成功数の期待値は6だ。


◇フロア突破によるイベント

フロア1:ゴッドフレア・タツヤ&火炎放射器ギャングがPOPする
フロア3:ガトリング・スモトリが2体POPする
フロア5:スタンジュッテ・ギャングが4体POPする
フロア8:ワープリング&バッカーニアがPOPする

各フロアでは上記の中ボス相当キャラがPOPする。突破判定の結果が良く、一気に進行した場合、通過したフロアに対応した中ボス相当キャラがまとめてPOPする。例えばフロア1から一気にフロア5まで進んだ場合、ガトリング・スモトリとスタンジュッテ・ギャングが同時にPOPする。

このシーンにおけるフロアの上限は8となり、最後に登場するワープリング&バッカーニアを爆発四散させた時点でクリアとなる。


◇NPCデータ:ゴッドフレア・タツヤ

「フレッシュミートども。この俺のゴッドフレアでステーキにされる為に、インタフォンも鳴らさずに来やがったワケだなァ?」ゴウウウ! 威嚇火炎放射! 手首に放射装置増設済!「俺の名はゴッドフレア・タツヤだ」

【ケイジ・オブ・モータリティ】より
◆ゴッドフレア・タツヤ(種別:モータル/重サイバネ/ボス級の敵)
カラテ    4   体力   8
ニューロン  3   精神力  3
ワザマエ   3   脚力   3
ジツ     -   万札   -
近接D:5、射撃D:8、回避D:5(HARD)
◇装備や特記事項
 サイバネ:『▶テッコLv1』、『▶サイバネアイLv1』、『▷高性能赤外線ターゲッター』
 スキル :『◉重サイバネ化』、『◉シャープシューター』、『●元スモトリ(体力+2)』

『▷内蔵型火炎放射器』:
 銃器、小銃、火炎放射器、内蔵型、範囲攻撃(カトンLV2相当)、射撃NORMAL、連射2

 射撃時【6,6,5+】『●ワザ:ゴッドフレア火炎放射』:
  この範囲攻撃は火炎ダメージ1を1回ではなく2回与える

 ※論理トリガによる時間差・マルチターゲット付与が可能な点に留意すること。


◇NPCデータ:火炎放射器ギャング(タツヤの取り巻き)

「ソウカイヤだってよ!」「ギャハハ!」取り巻き達が笑った。彼らも火炎放射器装備。「ここにはクロスカタナはねえよ。ザンキ・ギャングのオニ印だぜ」「その通りよ!」ゴウウウ! 威嚇火炎放射!

【ケイジ・オブ・モータリティ】より
◆火炎放射器ギャング  (種別:モータル/ボス級の敵)
カラテ    2  体力   3
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   3
ジツ     –  万札   -
攻撃D:3、射撃D:3、回避D:0(回避不可)

◇装備や特記事項
 武器 :『火炎放射器(使用回数無限)』

『●ザ・トム』:
 ギャングは電子ドラッグの服用効果により恐れ知らずの兵隊となっている。
 近接攻撃ダイス+1、体力+1の効果を得る。


◇NPCデータ:ザンキ・ギャング

「コロスゾ!」「チャメスゾ!」2階ギャングが続々、下へ飛び降り、彼らを追っていった。恐れ知らずだ。ザンキ・ギャングは電子ドラッグ「ザ・トム」を常習する。恐怖を消す薬なのだ。

【ケイジ・オブ・モータリティ】より

ザンキ・ギャングは固有のステータスを持たず、【体力】と【精神力】が1のダメージギミックとして扱われる。ステータスが必要な場合は『クローンヤクザY12型』のデータを使用する。

『●ザンキ・ギャングの十字砲火』:マップに存在するザンキ・ギャングはターン終了時、PC全員を対象にアサルトライフル射撃による1ダメージ(回避NORMAL)を2回を発生させる。これには『弾幕発生』のルールが常に適用される。

例:6体のザンキ・ギャングが生き残ると、全PCに12ダメージが発生する。
「弾幕発生」でどのようにこれを変換するかはマスター次第だ。
この射撃に時間差は付与されていない。


◇NPCデータ:ガトリング・スモトリ

BRRRTTTT! 三階へ上がる階段踊り場から銃撃してくるガトリング・スモトリの攻撃を、この鋼鉄鞭ひとつで防ぎきってしまう!

【ケイジ・オブ・モータリティ】より
◆ガトリング・スモトリ(種別:モータル/ボス級の敵)
カラテ    3  体力   4
ニューロン  1  精神力  2
ワザマエ   2  脚力   2/N
ジツ     -  万札   -
攻撃D:3、射撃D:5、回避D:0(回避不可)
		
◇装備や特記事項
 『◉突撃』、『サイバーサングラス(射撃D+3)』

『銃座固定ガトリングガン』:
 重火器、1ダメージ、射撃難易度EASY(銃座固定による)、連射6


◇NPCデータ:スタンジュッテ・ギャング

稲妻めいたトライアングル・リープの先は4階踊り場、そこで待ち構えていたスタンジュッテ・ギャング達にガーランドはエリアル・カラテで攻撃する。「イヤーッ!」「グワーッ!」「アバーッ!」跳び回し蹴り、回し肘打ち、鋼鉄鞭の旋回。四肢が吹き飛び、首が飛び、死が階段を転げ落ちる。

【ケイジ・オブ・モータリティ】より
◆スタンジュッテ・ギャング  (種別:モータル/ボス級の敵)
カラテ    2  体力   3
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   2  脚力   3
ジツ     –  万札   -
攻撃D:3、射撃D:2、回避D:0(回避不可)

◇装備や特記事項
 武器 :『チャカ・ガン』、『スタンジュッテ』

『●ザ・トム』:
 ギャングは電子ドラッグの服用効果により恐れ知らずの兵隊となっている。
 近接攻撃ダイス+1、体力+1の効果を得る。

『スタンジュッテ』:
 近接武器、判定難易度EASY、2ダメージ(基礎1+電磁1)


◇NPCデータ:ワープリング&バッカーニア

 階段は8階で止まった。ガーランドが廊下を指差し、インシネレイトが先に進んだ。その目線の先に、ニンジャが二人。吹き抜けの柵には痩せたニンジャが腰掛けている。ソウカイヤの二人を目で追いながら、腕に燐光放つ薬液を注射した。「……アー、キク……」もう一人はその横、床にソンキョで待つ。

【ケイジ・オブ・モータリティ】より

ザンキ・ギャングのニンジャ、ワープリングとバッカーニアは、PCが用いていた階段の終点である8階で待ち受けている。

「ヒーヒヒヒヒ!」 /// 「ウケル! 正当防衛はこっちだろ、不法侵入……しといて!」

◆ワープリング(種別:ニンジャ/ボス級の敵)
カラテ    7   体力   9
ニューロン  6   精神力  10
ワザマエ   8   脚力   5/N
ジツ     4    万札   -
近接D:9、射撃D:8、回避D:10
◇装備や特記事項
 サイバネ:『▶生体LAN端子Lv1』、『▶▶テッコLv2』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉◉グレーター級ソウルの力』、『☆ステルス・ジツLv3』、『★ステルス・アンブッシュ』

『▷▷スナイパースリケン・カタパルト』:
  ・射撃時は「銃器(小銃:スナイパー)」、敵による回避時は「スリケン/ユミ」とみなされる
  ・連射1、ダメージD3、射撃難易度:HARD、回避難易度:HARD
  ・射撃時【6,6,6】でサツバツ発生、弾き飛ばし距離はダメージ値と同じ

「なんでソウカイヤがポンポンに来てンの?カチコミ?」

◆バッカーニア(種別:ニンジャ/ボス級の敵)
カラテ    8   体力   11
ニューロン  4   精神力  3
ワザマエ   4   脚力   4/N
ジツ     0   万札   -
近接D:8、射撃D:6、回避D:8
◇装備や特記事項
 サイバネ:『▶サイバネアイLv1』、『▷異形の頭』
 スキル :『●連続攻撃2』、『◉突撃』、『◉スマッシュ』、『◉頑強なる肉体』

『▷サイバネ衝角』:
 頭突き突進と同時に眉間から展開する危険兵器。
 『●移動スタイル:突撃移動』の『痛打+1』効果を『痛打+2』に置き換える。

『▷内蔵型RPGランチャー』:
  手番開始フェイズに瞬時の行動として使用。射線の通る敵1体に対して、
  自動的にD3ダメージ(装甲貫通D3、回避HARD)を与える。シナリオ中1回までの使用。
  この不意打ち砲撃の回避難易度は、いかなる手段でも軽減することはできない。


シーン2:ポンポン・ビルディング内部(アマクダリ編)

「強行突入とは畏れ入る。あれがソウカイ・シンジケートのシックスゲイツというわけだな」クレッセントは呟いた。「吉と出るか凶と出るか。それに聞いたか、サイダ3=サン?」「何をですか?」「蝿のニンジャについてインタビューしていただろう?」「あ……そう……だったかも」

【ケイジ・オブ・モータリティ】より

シーンはアマクダリのPC視点へと切り替わり、彼らを主人公として操作することになる。彼らはアマクダリ領域に漏れ出し被害を拡大させている謎のバイオ蠅の出現元がこのビルであることを突き止め、状況を把握する調査のためにザンキ・ギャングのサーバー室を探している。

密かに潜入していた彼らはソウカイヤPCとザンキ・ギャングの交戦を目撃しながらも、86階……最上階にあると思われるサーバー室を目指して、エレベーターへと滑り込むことになる。


ポンポン・ビルディング59階

 ギュグン。二人を乗せた貨物エレベーターが震動しながら上昇を開始。クレッセントは腕組みし、姿勢を超然とリラックスさせる。サイダ3はクレッセントから視線を逸らし、液晶パネルの増加してゆく階数字を見る。56……57…58、ガゴッ。なにかに引っかかったような震動。59でエレベーターは止まった。

【ケイジ・オブ・モータリティ】より

エレベーターは59階で異常停止し、明らかに不自然な様子のスモトリの襲撃を皮切りに、そこから出現するバイオ蠅のスウォームに襲撃を受ける。

このシーンでは「ポンポン・ビルディング59階」の戦闘マップを使用する。マスターはマップ上の「白い◉マーク」上にPCを配置させてから、戦闘を開始する。PCはバイオ蝿に寄生された犠牲者と戦いながら、際限なく湧いてくるスウォームを逃れ、安全な場所に逃げ込む必要がある。

シーンクリア条件:PC全員が「資料室」に到達する。


◇NPCデータ:胞子スモトリ

吠え声の主はすぐにわかった。KRAAAASH! その者は歪んだエレベーター扉を強引に引き裂き、醜い胞子状に膨れ上がった体躯をあらわしたのである。肩のあたりに「大銀杏」の漢字タトゥーがある事からも、もともとはスモトリギャングであった筈だが……「AAAARGH!」正気ではない!

◆胞子スモトリ(種別:モータル)
カラテ    3  体力   4
ニューロン  1  精神力  -
ワザマエ   2  脚力   2/N
ジツ     -  万札   -
攻撃D:3、射撃D:2
		
◇装備や特記事項
 スキル :『◉突撃』

『●御神体』:
 このキャラクターは変異バイオ蝿に寄生され、狂ってしまっている。
 【精神力】が「-」となり、精神攻撃の対象にならなくなる。
 さらに、死亡時には『スウォーム//バイオ蝿の群れ』をその場にPOPさせる。


◇NPCデータ:感染ギャング

「おい、脳は残っているか?」胸を足で押さえつけながら、クレッセントはインタビューを試みる。ギャングはガチガチと歯を鳴らし、手足をバタつかせる。「コッ! コッ!」白目を剥き、喉を鳴らす。そして、言葉を発した!「コッチに! 来ルなら! チャンと入れロ!」「入れる? 何をだ」「御神体を!」

◆感染ギャング  (種別:モータル)
カラテ    2  体力   2
ニューロン  1  精神力  -
ワザマエ   2  脚力   3
ジツ     –  万札   -
攻撃D:3、射撃D:2

◇装備や特記事項
 武器 :『アサルト・ライフル』、『ククリ(標準近接武器)』

『●御神体』:
 このキャラクターは変異バイオ蝿に寄生され、狂ってしまっている。
 【精神力】が「-」となり、精神攻撃の対象にならなくなる。
 さらに、死亡時には『スウォーム//バイオ蝿の群れ』をその場にPOPさせる。


◇NPCデータ:スウォーム//バイオ蝿の群れ

サイダ3は見た。切断されたギャング達の胴体断面が膨れ上がり、燐光を放つものたちが舞い上がったのだ。蝿だ! ギャングの体内より飛び出した蝿が群れを為し、光る霧めいて二人を追う!わあんわあんわあんわあん、音と光の群れが追い上がる。「アイエエエエエ!」サイダ3は悲鳴をあげ、必死にクレッセントに続いた。

◆スウォーム//バイオ蝿の群れ  (種別:危険生物)
 カラテ     -  体力   -
 ニューロン  12  精神力  -
 ワザマエ    -  脚力   7(飛行移動//方向転換可)
 ジツ      –  万札   -

◇特記事項
 『●蟲の群れ』:
  このスウォームは大量の蟲の集合体であり、他のキャラと同じマスに重なって存在できる。
  スウォームを中心とする3x3範囲内の敵は集中状態に入れず、あらゆる能動難易度が+1される。
  また出現直後、および「攻撃フェイズ」に「1行動」を消費して『●群がり』を行う。

 『●群がり』:
  スウォームを中心とする3x3範囲内の敵に1ダメージ(回避HARD)を与える。
  複数のスウォームが同じ敵を範囲内に捉えていても、このダメージは1ターンに1度だけ発生する。
 
 『●弱点:範囲攻撃』:
  スウォームは自身を中心とした3x3以上の範囲攻撃/爆発に巻き込まれると消滅する。
  また直接近接攻撃を受けた場合、次の手番で移動ができなくなる。



シーン3:ミコー・プリエステスとの遭遇(合流編)

……闇の中からニンジャが染み出す。「ドーモ。ボイコットです」「出迎えか!? 手ッ取り早えェなァーッ!」インシネレイトが凄んだ。ボイコットは痙攣しながら頷いた。「そう、とも。歓迎する、ぞ」震える手を持ち上げる。「この夢は、長く続く。ならば、潔く、積極的に、受け入れるのが、よい」左、右、後方。「アバー……」「アバーッ……!」肥大スモトリ!

資料室に逃げ込んだPCは一時的に休息の時間を得る(回復アイテムなどの使用が可能)が、そこには侵入者の撃退に上層から降りてきたザンキ・ギャングのボス、ボイコットが胞子スモトリと共に現れる。

シーン進行条件:ボイコットを爆発四散させる。


◇NPCデータ:ボイコット

「歓迎する、ぞ」 /// 「この夢は、長く続く。ならば、潔く、積極的に、受け入れるのが、よい」

◆ボイコット(種別:ニンジャ/ボス級の敵)
カラテ    10   体力   15
ニューロン  5    精神力  5
ワザマエ   7    脚力   5/N
ジツ     0    万札   -
近接D:10、射撃D:7、回避D:8
◇装備や特記事項

 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『◉頑強なる肉体』
      『◉◉タツジン:コッポドー』、『◉◉戦闘系ソウルの力』

『●蝿の祝福』:
 ボイコットは体内に大量のバイオ蝿を蓄えており、痛みに耐性があるが動きが鈍い。
 『【体力】+3』かつ『回避ダイス-2』となる。

『●チドク・スウォーム』:
 ボイコットを中心とした5x5範囲内からの攻撃で、彼の【体力】を1以上減らしたキャラは
 そのフェイズの終わりにダメージ1を受ける(回避難易度NORMAL)。

 これは命中した1発の攻撃につき最大で1ダメージずつ発生する(時間差)。
 『火炎属性』を含むダメージに対しては無効である。


ミコー・プリエステスの出現

ボイコットの身体を裂き開き、その者は内より生まれるように出現した。その者は、ほとんど優雅に、丸めていた身体をゆっくりと反らせ、ボイコットの肉を脱ぎ捨て、立ち上がった……そして血と脂に濡れたマントを翻し、四本の腕で、伸びをした。「ドーモ。ベルゼブブです」光る蝿が、溢れ出た。

ボイコットを爆発四散に追い込んだとき、彼は爆発四散せず、内部からベルゼブブが出現する。マスターはアマクダリ側のPCに、ベルゼブブと1~2ターン戦闘させた後、撤退させる。


◇NPCデータ:ベルゼブブ(ブンシン体)

実際には、ここでボイコットの体内から出現したベルゼブブはバイオ蝿が集まって作り上げたブンシン体に過ぎない。能力がある程度限定的なのはそれが理由だ。

マスターはブンシン体であることを理由に、ある程度このキャラのステータスを自由に弄って難易度調整を行って構わない。

「モータル……我が寝所を騒がしておるようだが、なにゆえだ?」ガスマスク越しのくぐもった発声には不気味なエコーがかかっていた。

◆ベルゼブブ(種別:ニンジャ)
カラテ    13   体力   20
ニューロン  12   精神力  19
ワザマエ   15   脚力   8/N
ジツ     8    万札   -
近接D:13、精密D:15、射撃D:15、発動D:20、回避D:18
◇装備や特記事項
 スキル :『●連続攻撃3』、『●連射3』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『◉空中制動』
      『●脆弱性:火炎(1)』

『☆スウォーム・ジツ』:
 手番開始時に【精神力】1を消費して発動(判定難易度NORMAL、瞬時行動)。
 自身を中心とする5x5マスのいずれかに、『スウォーム//バイオ蝿の群れ』を1体POPさせる。
  出目【6,6】 :スウォームを1体ではなく、2体POPさせる。

『★アサルト・スウォーム』:
 手番開始時に【精神力】1を消費して発動(判定難易度NORMAL、瞬時行動)。
 自身を中心とする5x5範囲内の敵全員に、1ダメージを与える(回避NORMAL)。
  出目【6,6】 :上記ダメージが2回発生する(時間差)。
  出目【6,6,6】:上記ダメージが2回発生し(時間差)、全員を崩れ状態とする。

『★★★異形の肉体』:
 ベルゼブブは高位のソウルと呪いの影響により、著しく肉体を変質させている。
 埋め込み数0の状態で、次のバイオサイバネの効果のみを得ているものとみなされる。
 
 『▲▲▲▲▲▲▲▲戦闘用バイオサイバネLv3』:基礎ダメ2、【6】痛打+1、【6,6,6】痛打+2

 『△△△タツジン・スパイダーダガーアーム』:
  「バイオ武器」装備時、「アサシンダガー」を装備しているものとみなす(各種ペナは無視)。
   さらに任意で「バイオ武器」に『連続攻撃+1』かつ『基礎ダメージ-1』を付与/排除しても良い。
 
 『△△無数の眼』:『回避ダイス+3』、『射撃ダイス+3』、『イニシアチブ値+1』
 『△△△大型バイオ飛行翼』:『飛行移動(脚力x2マス)』を得る。


アマクダリ⇔ソウカイヤの遭遇

あまりのカラテとスウォームの勢いに撤退するアマクダリ・アクシスは、その過程で偶然ソウカイヤのPCと遭遇する。しかし、そこでは彼らも別のベルゼブブのブンシン体と交戦中であり、合流した4人は2人のベルゼブブとスウォームに包囲されてしまうことになる。

絶体絶命の危機に、利害の一致を見て取るや、2勢力のPCは臨時の協力体制を築くことになる。ポンポン・ビルディング内部はスウォームのカラテ超音波干渉により無線通信が不可能な状況であり、彼らは状況打開に増援を要請するため、屋上を目指すことになる。


マスターはアマクダリとソウカイヤのPC間で協力体制に至るまでのロールプレイをさせながら、スウォームとベルゼブブから逃れ屋上まで駆け上がるシーンを描写する。


シーン4:害虫駆除(共闘編)

 隙間なく集まった蝿が、腕を、脚を、トルソーを形作り、ベルゼブブを形作った。生まれたままの姿から、さらに襤褸めいたマントが生成され、ハーフガスマスクを思わせる奇怪なメンポが生成された。

屋上に辿り着いた4人は各々の所属組織へと増援を要求することに成功する。ソウカイヤであればダイダロスが、アマクダリであればヴァニティがその窓口を務めることになるだろう。

しかし、増援を要請したのも束の間、溢れ出したスウォームが凝縮し、再び2人のベルゼブブがPCの前に立ちはだかる。

戦闘の勝利条件:ベルゼブブを撃退するか、爆発四散させる。


◇NPCデータ:ベルゼブブ

KBAM! 蹴りの衝突地点で黒炎が噴いた。蝿が燃え散る。ベルゼブブの姿がない! ニンジャスレイヤーは真後ろを向いた。そこにチョップが襲ってきた!「イヤーッ!」「ヌウーッ!」かろうじて身を守る! 背後からの出現……!(((注意せよマスラダ! これがハエ・ブンシン・ジツ也!)))ナラクが告げる!

マップ上には以下のステータスを持つベルゼブブが2人POPし、それぞれが独立して行動する。ただし【体力】や【精神力】、そして『回避ダイス』などのリソースはすべて共通であり、範囲攻撃へ同時に巻き込まれると弱いという弱点も抱えている。

マスターはこの2人のベルゼブブが、どのような存在なのか自由に決めて構わない。「両者ともブンシン体である」、「片方が本体で片方がブンシン体である」などだ。

「モータル。身の程を知れ」 /// 「ウフハハハハハハ! その無知こそが増上慢よ!」

◆ベルゼブブ(種別:ニンジャ)
カラテ    13   体力   42
ニューロン  12   精神力  24
ワザマエ   15   脚力   8/N
ジツ     8    万札   -
近接D:13、精密D:15、射撃D:15、発動D:22、回避D:19、緊急回避D:8
◇装備や特記事項
 防具  :『アーチ級生成装束(魔術的)』
 スキル :『●連続攻撃3』、『●連射3』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『●脆弱性:火炎(1)』
      『◉◉グレーター級ソウルの力』、『◉◉アーチ級ソウルの力』、『◉爆炎の見切り』
      『◉◉タツジン:アサシネイト・ドー』、『◉空中制動』、『◉超越者の眼』
      『★★★半神的存在』、『★★★アーチ級装束生成』、『★★★不滅』

『☆スウォーム・ジツ』:
 手番開始時に【精神力】1を消費して発動(判定難易度NORMAL、瞬時行動)。
 自身を中心とする5x5マスのいずれかに、『スウォーム//バイオ蝿の群れ』を1体POPさせる。
  出目【6,6】 :スウォームを1体ではなく、2体POPさせる。


『★アサルト・スウォーム』:
 手番開始時に【精神力】1を消費して発動(判定難易度NORMAL、瞬時行動)。
 自身を中心とする5x5範囲内の敵全員に、1ダメージを与える(回避NORMAL)。
  出目【6,6】 :上記ダメージが2回発生する(時間差)。
  出目【6,6,6】:上記ダメージが2回発生し(時間差)、全員を崩れ状態とする。


『★★分裂による回避』:1ターン1回まで、2ターン連続使用不可
 『近接攻撃』への『回避判定』の代わりに、【体力】1+【精神力】1を消費して使用。
 術者はこの『近接攻撃』を自動的に回避する。
 加えて、一時的にスウォーム化することで、直ちにD3マスの移動を行える。
 この移動時は『連続側転』のようにナナメ移動可、かつ敵のマスを通過する。 


『★★★異形の肉体』:
 ベルゼブブは高位のソウルと呪いの影響により、著しく肉体を変質させている。
 埋め込み数0の状態で、次のバイオサイバネの効果のみを得ているものとみなされる。
 
 『▲▲▲▲▲▲▲▲戦闘用バイオサイバネLv4』:基礎ダメ3、【6】痛打+1、【6,6,6】痛打+2

 『△△△タツジン・スパイダーダガーアーム』:
  「バイオ武器」装備時、「アサシンダガー」を装備しているものとみなす(各種ペナは無視)。
   さらに任意で「バイオ武器」に『連続攻撃+1』かつ『基礎ダメージ-1』を付与/排除しても良い。
 
 『△△無数の眼』:『回避ダイス+3』、『射撃ダイス+3』、『イニシアチブ値+1』
 『△△△大型バイオ飛行翼』:『飛行移動(脚力x2マス)』を得る。


ダイダロス or アルゴスのハッキング支援

毎ターン開始時、PCは味方のハッカーによる電子的な支援を受けることができる。マスターはこの効果をランダムで選択しても良いし、プレイヤーが任意で選択できるようにしても良い。

◆ハッキング支援
*爆発物スキャン:任意の3マスを3個までマーキングする。このマスをターゲットにした射撃(爆発や範囲射撃は不可)に成功すると、直ちに『爆発(カトンLv2)』が1回だけ発生し、そのマーキングは消える。

*サモン・ドローン:ドローンが現れ、1ダメージの射撃を3回行う(マルチターゲット)。この射撃は判定不要で成功し、射線も常に通っているものとみなす。

*索敵モード:PC全員の回避ダイスが+2される。また「スウォーム//バイオ蝿の群れ」による「行動難易度+1」と「集中不可」効果をこのターンの間のみ無視する。

*戦略視界ナビ:このターンのみ、『スウォーム//バイオ蝿の群れ』および『★アサルト・スウォーム』の回避難易度をすべてEASYとする。

*サモン・オイランドロイド:ボディガード型のオイランドロイドが1体POPする。このドロイドは『◉捨て身の警護』しか使えないが、警護対象はPC全員である。ドロイドは1体しか存在できない。


支援イベント発生

ベルゼブブとの戦闘では、ターン経過ごとに次のようなイベントが発生し、事態が徐々に混沌とした状況に陥ってゆく。

2ターン目開始時:巡回していた軽マグロ・ツェッペリンが到着し、ミサイル砲撃支援を開始する。毎ターン開始時、PCは任意のマスを中心に「カトンLv1」を発生させることができる(ビル倒壊によるPC巻き添えのリスクを避けるため、ツェッペリンからはマイクロミサイルしか放たれない)。

発生するのはカトンLv1であるため、PCは巻き込まれない。
これはダイダロスやアルゴスの精確な制御を再現するものだ。


3ターン目開始時:ハイタカ編隊が屋上に到達し、支援射撃を開始する。毎ターン開始時、ハイタカは1ダメージの射撃を3回行う(マルチターゲット)。この射撃は判定不要で成功し、射線も常に通っているものとみなす。

以下のデータは参考であり、実際には上記のギミック射撃のみを行う。
◆ハイタカ  (種別:戦闘兵器、クローンヤクザ*)
カラテ    2  体力   3
ニューロン  3  精神力  –
ワザマエ   3  脚力   6(飛行のみ)
ジツ     –  万札   2
攻撃/射撃/機先/電脳  -/4/4/4

◇装備や特記事項
 ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
 小型マシンガン: 銃器、連射3、ダメージ1

『◉飛行移動』:ハイタカは6マスの『飛行移動』を行える。
『◉空中制動』:ハイタカは『飛行移動』による不利な影響を特に受けない。

*『クローンヤクザ生体脳』:
  ハイタカは精神攻撃系のジツに対しては「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
  そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる(軽減不可)。
  このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。


4ターン目開始時:外壁を登っていたシデムシが屋上に到達し、マップ上にPOPする。しかし明らかに様子がおかしく、ベルゼブブではなくPCを攻撃してくる。屋上に到達するまでにバイオ蝿によって生体脳を汚染され、ベルゼブブの傀儡となっているのだ!

さらに、ボンボリ・ディストリクトの建物という建物が、内部から光る霧……すなわちバイオ蝿の大群を噴出し始める。恐るべきフーリン・カザンを得たベルゼブブは、さらなるジツの力を行使する(後述)。

「……だが」KRAAASH……KRAAASH。遠く、ガラスが割れる音が立て続いた。それはポンポン・ビルディングの音ではなかった。「……だが……ここは……」わあんわあんわあんわあん……羽音が増してゆく。わあんわあんわあんわあん。このビルは。羽音に包まれている。「……ここは我が領域だ」

◆シデムシ (種別:戦闘兵器、大型2x2、クローンヤクザ*)
カラテ    6   体力  12/-1
ニューロン  6   精神力  –
ワザマエ   12  脚力   6
ジツ     –   万札   12
攻撃/射撃/機先/電脳  6/12/6/8

◇装備や特記事項
 ファイアウォール: ハッキング由来のダメージ1発を無効化する、使い切り
 熱線トーチ: 近接武器、連続攻撃1、D3ダメージ、貫通1
 クローアーム: 近接武器、連続攻撃2、2ダメージ(1+痛打1)
 ミニガンx2: 銃器、連射12、ダメージ1、チェーンターゲット、射撃難易度:NORMAL
  (全ターゲットが互いに隣接している場合のみマルチターゲット扱いにできる)

 『●即死耐性』、『●轢殺攻撃2』、『●ダメージ軽減1』

 『●射撃スタイル:銃弾の雨2』:
  毎ターン、通常の射撃(連射12)とどちらか片方を選択する。
   視線が通っている3x3の範囲に対して自動的に1ダメージを2回与える(回避:HARD)。
   この射撃は『時間差』とみなされる。   

 『●多節走行モード』:
  シデムシは移動時のみ「大型1x1」の特殊サイズを持つとみなし、狭い通路などにも入り込める。
  移動フェイズが終了すると再びトグロを巻くように頭部をもたげ、2x2のサイズへと戻る。

*『クローンヤクザ生体脳』:
  シデムシは精神攻撃系のジツに対しては「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
  そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる(軽減不可)。
  このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。]
ベルゼブブは4ターン目から次のジツを使用できるようになる。
これらはカラテを注ぎ込みパンプアップした大量の炸裂性バイオ蝿によるものとみなされる。
 
 『★★カラテミサイル溜め撃ち』
 『★ラピッド・カラテミサイル』


5ターン目開始時:ハイタカも遂にバイオ蝿汚染によって動作異常を起こし、PCを攻撃してくるようになる。ハイタカをマップ上に配置するが、発生するダメージはPCに向けられる(回避NORMAL)。

さらにこのとき、別の作戦行動中であったオムラ社のネブカドネザルが登場し、支援砲撃によってPCのサポートを開始する。

ネブカドネザルの砲撃はダイダロス/アルゴスのナビゲート支援を受けているため、PCを巻き込むことはない。

ネブカドネザルはエマージェンシー出動により、十分な補給を受けられていない。

「ドーモ。ネブカドネザルです」陽炎に霞む巨大なシルエット……恐るべき背部アーマーを装着した鋼鉄ニンジャがアイサツした。

「支援要請に応じ、敵性ターゲットへの殲滅砲撃を開始します」ジャキン!音を立て、ネブカドネザルが両肩のキャノン砲と両腕アーマーのミサイルランチャーを展開した。「当然ながら降伏は認めない」

描写のサンプル
◆ネブカドネザル(種別:ニンジャ/戦闘兵器/大型4x4)
カラテ     10   体力     50/-2
ニューロン   17   精神力    -
ワザマエ    10   脚力     7/-
ジツ      0   万札     100
近接攻撃D:13(16)、射撃D:16(19)、回避D:22、イニシ:21、即応:5
◇装備やスキル
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●ニンジャ第六感』、『●時間差』
      『●マルチターゲット』、『●即死耐性』
      『◉重サイバネ化』、『◉戦闘兵器化』、『◉◉忠誠心:オムラ』
      『◉タクティカル移動射撃』、『◉空中制動』、『◉翻弄』、『◉ツジギリ』

 サイバネ:『▶︎▶︎▶︎テッコLv3』、『▶︎▶︎ヒキャクLv2』、『▶︎▶︎▶︎サイバネアイLv3』
      『▶︎▶︎▶︎▶︎生体LAN端子Lv4』、『▶▶クロームハートLv2』
      『▷▷ジェットパック・ユニット』、『▷脚部バーニア・ユニット』

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『**ネブカドネザル・フレーム&モーターツヨシ**』:
 ・『●移動スタイル:飛行移動(12マス)』と『ダメージ軽減2』を得る。
 ・武器所持および装備ペナルティを全て無視する。
 ・大型(4x4)となる。
 ・精神攻撃の対象とならなくなる。
 ・能力値へのダメージを無効化し、『●即死耐性』によるダメージ変換を2d3まで軽減する。
 ・対電磁コーティングにより自身の『●脆弱性』を『●脆弱性:電磁(1)』まで軽減する。

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『●電磁バリア展開』:
  ネブカドネザルは電磁バリアによってバイオ蝿の大群を焼き殺しながら砲撃を行う。
  そのため、『スウォーム//バイオ蝿大群』の影響を一切受けない。
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 『肩部内蔵型ミサイルポッドx2』:リチャージ2
   内蔵型、小銃、ランチャー、爆発(カトンLv2相当)、射撃HARD、連射4、時間差可、マルチ可

 『腕部内蔵型ミサイルランチャーx2』:
   内蔵型、小銃、ランチャー、爆発(カトンLv3相当)、射撃HARD、連射2、時間差可、マルチ可

 『腕部内蔵型オムラ・ガトリングガンx2』:
   内蔵型、重火器、ダメージ1、射撃NORMAL、連射6、時間差可、●バースト4x4、●銃弾の雨3

 『腕部内蔵型重金属弾バルカン砲x2』:
   内蔵型、小銃、ダメージ2、装甲貫通1、射撃NORMAL、連射3、時間差可、バースト3x3

 『アンタイ・ニンジャ・アサルトキャノンx2』:リチャージ2
   内蔵型、重火器、ダメージ2D3、射撃U-HARD、連射1、装甲貫通2、回避U-HARD


6ターン目以降:アマクダリあるいはソウカイヤにより、バンザイ・ニュークの使用が承認される。マスターは任意のタイミングで『ニューク・エンド』に移行し、強制的にシナリオを終了させても良い。


エンディング

ベルゼブブをカラテで押し切った場合と、時間切れによる強制終了の場合でそれぞれシナリオのエンディングが変化する。


ベルゼブブの撃破に成功した場合:ベルゼブブは消滅し、バイオ蝿のスウォームもすべてが滅びる。PCたちの勝利だ。しかし屋上にはアマクダリとソウカイヤ、敵対する2組織のニンジャが対峙した状況が生まれてしまう。

彼らが互いのリスペクトを尊重しテウチで事を済ませたのか、あるいはこの後、傷ついたニンジャたちによる死闘が繰り広げられたのかは、このシナリオでは描かれない。

「アバッ……アバーッ……!卑しきモータル風情が……!王はこの狼藉を……許……さ……ぬ……」ベルゼブブの体は薄れるようにして、無数の蝿へと分解し消滅した。爆発四散ではない、だが、それに呼応し発光バイオ蝿の大群は絶命し、暗い雨めいて地上へと降り注ぎ始めた。

「対象の殲滅を確認。主任務遂行へと復帰します」弾薬を使い果たしたネブカドネザルはベルゼブブのニンジャソウル反応消失を確認すると、マッハ加速しネオサイタマの夜闇へと飛び去った。

そして屋上には、4人のニンジャだけが取り残された。アマクダリとソウカイヤ。覇権を狙い、敵対する組織の、精鋭ニンジャたちだけが。


ニューク・エンドに到達した場合:ダイダロス/アルゴスはバンザイ・ニュークの即時使用を決定し、手のつけられない状況に陥ったボンボリ・ディストリクトごとベルゼブブとバイオ蝿を滅ぼそうとする。

当然、PCもまたニューク業火から逃れることは叶わない。だが唯一の脱出手段として、そこには瞬時にマッハ加速が可能な装備を搭載するネブカドネザルがいる。跳躍しネブカドネザルに飛び移るPCはマッハ加速でニュークから逃れることに成功するが、G負荷は彼らの意識を刈り取ってゆく。

『皆さん、バンザイ・ニュークの使用に承認が降りました。ボンボリ・ディストリクトは既に滅びており、経済的損失はゼロ。それに、そのニンジャは少々手に余ります』ダイダロスの無慈悲な宣告がIRC越しに届く。

わあんわあんわあんわあんわあんわあんわあんわあんわあんわあん!「モータルよ、手こずらせてくれたものだ。褒めてつかわす」ベルゼブブは四つの複眼を輝かせた。「だが、もはや王の領域に逃げ場はないぞ」

『彼女の言葉は正しい。直ちにニュークを投下します』ギゴン。上空で奇妙な音が響いた。『……しかし、モーターツヨシのマッハ加速であれば回避も可能。さあ、飛び移ってください、ネブカドネザル=サンへ』

ネブカドネザルはニューロンの速度でダイダロスと電撃作戦の内容を共有。ブースターエンジンに点火。わあんわあんわあんわあん!押し寄せる炸裂性バイオ蝿の群れ……渦を逃れ、4人は飛ぶ。

KRATOOOOOOOOOM!!それはニュークの炸裂音か、あるいはネブカドネザルのブースターエンジンの噴射音か。4人の意識は轟音・閃光・熱、そして瞬間マッハ加速による殺人的G負荷により薄れていった……。


◇報酬(PC1人あたり)

基本報酬 :万札50、余暇4日



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