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【NJRPG-2ND/シナリオ】アンナチュラル・ハント
あらすじ:1980年代、この「立ち枯れの時代」において、前触れなく力を手に入れる"不自然"なニンジャたちが生まれつつある。この日もまた、CIA捜査官たちはニンジャ第六感と推理を駆使し、監視チームを殺害しニューヨーク・シティを逃亡する"アンナチュラル"を追跡する任に就くのであった。
これは「ニンジャスレイヤーTRPG第2版」のシステムに対応した、ショットガン・シナリオ(短編シナリオ)記事です。Y2K以前のアメリカ合衆国を舞台とした特殊セッティングを採用しており、ノワールなアトモスフィアでニンジャスレイヤーの世界を体験できる内容となっています。
プレイ人数:2~3名
所要時間:4時間(オンライン/テキストセッション)
舞台:1980年代、アメリカ合衆国
難易度:ニュービー級、爆発四散可能性あり
▶11ptの特殊スクラッチビルドによる新規作成キャラクター向け
参考エピソード:【プロメテウス・アレイ】
インスパイア元として参考エピソードを記載しています。
はじめに
このシナリオでは、1980年代のニューヨーク・シティが舞台という特殊なセッティングを採用しており、PCはアメリカ合衆国のCIA(中央情報局)に所属するニンジャ・エージェントとして、憑依ニンジャと推定されるターゲットの行方を追跡することになる。実際、ターゲットはニンジャと化して、その力を用いた大事件を引き起こそうと画策しており、PCに与えられた時間の猶予は少ない。
通常のAoS(エイジ・オブ・ソウカイヤ)のセッティングと異なり、この舞台ではまだテクノロジーが発展しておらず、エテル濃度も薄い。ニンジャは極めて珍しく、また立ち枯れの時代のため力は十全ではないことに注意が必要だ。
PCはニンジャでありながら、通常のセッティングにおける重サイバネモータル程度の強さとなり、例えモータルが相手でも非常にダメージを受けやすくなっている。プレイヤーは全体的に緊張感のあるプレイフィールを得ることができるだろう。
タイムキーピングの目安(参考)
このシナリオをマスターとしてプレイするにあたって、各シーンにおける所要時間の参考となる目安は以下の通りである(オンライン・テキストセッションを想定)。
導入 : 15分程度
シーン1+2 : 90分程度
シーン3 : 45分程度
シーン4 : 60分程度+α
※テストプレイを参考に、じっくりと調査を行った場合を想定した所要時間。
戦闘重点の場合、シーン1+2が短くなる代わりに、シーン3に要する時間が増える。
キャラクターの作成について
このシナリオ向けのPCは11ptのスクラッチビルドで作成したのち、特殊なルールによって1段階強化することができる。これは、CIAのエージェントとして彼らが積んできた経験を表現するものだ。
すべてのプレイヤーは次のルールに従って、新たに1980年代のCIAニンジャを作成すること。
PCは11ptのスクラッチビルドによって新規作成する。
「チャカガン」を一丁、武器スロットに追加する(初期アイテム)。
任意の『知識スキル x 2個』か『交渉スキル x 1個』を獲得する。
取得条件を満たすスキルを1つ追加で獲得する(◉◉級は不可)。
追加の【万札】10を自由に使用し、アイテムを購入する。
1980年代のため、サイバネやテック武器は購入できない。
『●立ち枯れの時代』を得る。
『●立ち枯れの時代』:
このキャラクターは『種別:ニンジャ』だが、大気中のエテル濃度の不足から、
基本の回避難易度がHARDとなり、『スリケン』を使用できなくなる。
さらに、ジツの発動難易度は通常より+1されてしまう。
次の『生い立ち(経歴)』から、どちらか1つを選択する。
『◯生い立ち:フォーセイクン』:このキャラクターはかつてリアルニンジャのインストラクションを受け、自力でニンジャと化した者だ。既にモータルの域を超えて生き永らえ、戦い続けてきた経験がある。
◉【カラテ/ニューロン/ワザマエ】のいずれか2つを+1する。
これによる基本能力値の上限は6である。
『◯生い立ち:アンナチュラル』:このキャラクターはニンジャソウル憑依により、突如としてニンジャと化した者だ。戦闘の経験は少ないが、ニンジャのジツを持ち、CIAエージェントとして十分な訓練を積んでいる。
◉【ジツ】値を+1する(上限値2)。
探索ルールの改定(オプション)
このシナリオでは専用の探索ルールに加えて、『探索アーキタイプ』のルールを導入する。これはプレイヤーキャラクターが調査・交渉において何を得意とするのかを、能力値とは切り離して表現する要素である。
キャラクター作成時には、次の3つから『探索アーキタイプ』をひとつだけ選択しておくこと(1度選択すると変更できない)。
カラテ・アーキタイプ:このキャラはニンジャ存在感や暴力、あるいはスタミナなど身体能力を活かした探索を得意とする。
ニューロン・アーキタイプ:このキャラはニンジャ第六感や電子的な要素、あるいは論理的な思考による探索を得意とする。
ワザマエ・アーキタイプ:このキャラはニンジャ聴覚や視覚、あるいは直感的な感覚の鋭敏さを活かした探索を得意とする。
探索において、各キャラクターは選択した『探索アーキタイプ』に応じて次のようなメリットが得られる。
あらゆる調査・交渉判定において、判定に使用する基本能力値と同じアーキタイプを持つキャラは『難易度-1』のメリットを得られる。
このとき、さらに判定ダイスの下限が3個となる(例えばワザマエ・アーキタイプを選択していた場合、【ワザマエ】が1でも【ワザマエ】による調査判定ではダイスを3個使用できる)。
『◉ニンジャソウルの闇』を持つ場合、その数だけ判定ダイスが減少する(『◉狂気』ルールを採用していても、ファンブルは発生しない)。
マップデータ
このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。
導入
扉が開き、ラングレーの機密エリアの埃っぽい空気と静寂が「ドーモ、諸君。よくぞ集まってくれた」そして上司であるバーンズが君たちを迎えた。
「お前たちが呼ばれたと言う事は言うまでもない、"アンナチュラル"な事態が起きている」いつも通りの堅苦しい表情で、淡々と述べると、彼は1冊のファイルを手渡してくる。
「早速だが、ファイルで概要を確認してくれ。今から1時間ほど前、デビッド・ハリスという男を監視していたチームが全滅した。彼には元々"アンナチュラル"である疑いが掛けられており、チームは武装していた。つまり、君たちの出番と言うわけだ」
「現在、警察が現場確保に当たっているが、我々はまだ詳細な状況をつかめていない。お前たちは現場に向かい、まず状況を把握しろ。それからハリスの行方を追跡し、彼の脅威度を見定めるのだ。彼がニンジャであり、事件の犯人であるならば、お前たちは彼を排除しなくてはならない。以上だ」
バーンズの指示は極めて簡潔だ。君たちはまず、チームが全滅した現場およびハリスの住居を調べ、彼の行き先を突き止めなくてはならない。そして彼がニンジャであるかどうかも含め、その危険性を評価し、必要とあらば始末するのだ。
シナリオが始まるとPCたちは、上司であるバーンズの呼び出しに応えて、ラングレーの一角にある機密会議室を訪れることになる。バーンズは、予てより監視していた"アンナチュラル"なニンジャと思われる男を監視していたチーム(これは全員がモータルだ)が全滅したと語り、任務を引き継ぐように伝えてくる。
ターゲットはデビッド・ハリスという30代後半の男性で、PCには人相や体格など、対象の識別に必要な最低限のプロフィール情報に加え、彼の隠れ家の住所が与えられる。
彼らはまず、チームが全滅した現場およびハリスの住居を調べ、彼の行き先を突き止めなくてはならない。そして彼がニンジャであるかどうかも含め、その危険性を評価し、必要とあらば始末するのがCIAエージェントであるPCの任務となる。
ひと通りのダンゴウが終わり、次に何をするべきなのかが明確になると、次のシーンへと移行する。
TIPS:当時、ニンジャソウルの憑依現象は極めて珍しく、修行もカイデンもなく突如ニンジャと化すのは不自然なことだった。故に、彼らはCIAに「アンナチュラル」と呼ばれる。
CIAのお目付け役(オプション)
PCの戦闘能力があまり高くないとマスターが判断するのであれば、モータルのCIAエージェントを お目付け役 や 助手 としてチームに同行させると良い。目安は、PC全員が『強攻撃』や『連射2』など意図的に2ダメージを出す手段を全く持たない場合だ。
*回避の基本難易度はHARDとなる。
*「まとめて回避」はできない(すべて時間差扱いとなる)。
*遮蔽物に隣接していなければ射撃を回避することができない。
*このとき、味方のPCニンジャを遮蔽物とみなしても良い。
*ニンジャの攻撃は基本的に回避することができない。
*銃器による射撃のみが例外となる。
◆CIAエージェント(種別:モータル)
カラテ 3 体力 3
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 3
ジツ – 万札 -
攻撃/射撃/機先/回避 3/3/2/3
◇装備や特記事項
防弾ベスト: 【体力】+1(反映済み)
チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1
強化警棒 : 標準近接武器、ダメージ1
シーン1:事件現場
車両に乗って現場に到着した君たちは、まずバリケードテープで確保された現場を前に、手持ち無沙汰に現場を確保する現地警察の姿を目にすることになる。事件発生時からの経過時間を考えると、ひょっとすると彼らは既に幾らかの調査を進めてしまっているに違いない。
現場は警察に封鎖されているが、既にCIAの根回しが済んでおり、PCが「安全保障局だ」と偽の身分を伝えるだけで現場調査や警官への聞き取りが自由に行える。ただし、警官たちはハリスの存在について全く知らない点には注意しなくてはならない。
事件が起きた現場は人目のない路地裏であり、PCが手渡されたファイルによると、ハリスの住居もそこに面している。
このシーンではイニシアチブ順に、各PCへ行動手番が与えられる。手番が回ってきたPCは、以降に述べられる調査オプションを1つ選択して情報収集を行うことができる。PCは任意のタイミングで現場の調査を切り上げ、次のシーン「ハリスのアジト」へと移行することができる。
気の早いPCは物証から調べ始め、ハリスのアジトへの繋がりを見つけ出すと、すぐにそちらを調べようとするだろう。
TIPS:PCには移動の脚として車両が与えられている。車両には無線通信システムが搭載されており、PCはバーンズといつでも連絡を取ることができる。
警官への聞き込み
現場は通報に駆けつけた警察によって確保済みの状態だ。PCは警官から最低限の情報を聞き出すことができるが、彼らはそれほど説明の要領が良くないので、会話の主導権を握って必要な情報を適切に聞き出す必要がある。
◆警官に聴取を行う(交渉判定)
対応能力値、判定難易度:【ワザマエ】、NORMAL
ダイスボーナス:
*交渉系スキルを1つでも所持(+1ダイス)
*威圧か理路整然を所持(さらに+1ダイス)
判定に失敗した場合:PCは【精神力】を1消費することで、この判定に成功数1で成功したものとして構わない。
判定に成功した場合:PCは後述の聴取表から、成功したダイス数だけ項目を選択し、警官から情報を引き出せる(上限3)。
◆聴取表(質問事項と解答がまとめられている)
現場調査の状況はどうなっているのか:警官はひと通り現場の状況を検証済みだ。周辺への聞き込みもある程度は完了している。ただし(CIAの根回しまでに)幾つかの証拠物品は回収されてしまっている。
▶これ以降『警官に聴取を行う』判定でダイス+1ボーナスを得る。
▶聴取項目『回収した証拠物品はどうなっているのか』が開放される。
回収した証拠物品はどうなっているのか:証拠物品は回収されたものの、まだ持ち去られていない。PCが望むなら、警察からそれを手に入れることができる。
▶証拠物品『ダイナーのマッチ箱』を手に入れる。
現場の状況はどうなっているのか:現場は吹き飛ばされた死体や弾痕が散見される殺人現場となっている。死体はそのままの状態で、まだ証拠物が回収されずに幾つか残留している。路地裏は暗くて狭く、密集した建物が立ち並んでいるため、犯人の逃走は容易であったと思われる。
▶次の『物証を調べる』判定でダイス+1ボーナスを得る。
犯人の目星はついているのか:現時点では、犯人については明確な目星はついていない。しかし、証拠物品や現場の状況から、事故でないことは確かであり、爆発物が使われた可能性が高いと考えられている。
▶次の『物証を調べる』判定でダイス+1ボーナスを得る。
目撃者はいないのか:周辺の住民や通行人に聞き込みを行ったが、目撃者の情報は得られていない。路地裏の入り組んだ地形や事件が発生した時間帯などが影響して、直接の目撃者はいなかったようだ。しかし、周辺の人々からは銃声やすさまじい爆発音が聞こえたという情報が集まっている。
▶次の『物証を調べる』判定でダイス+1ボーナスを得る。
証拠物品『ダイナーのマッチ箱』:警察が現場から回収したマッチ箱。「ミリー&メルヴィンズ」という店舗名と、電話番号が書かれている。
血で汚れたり焦げたりした様子はなく、中身は既に何本か使われた形跡がある。犯人が落としたものではないかと考えられている。
物証を調べる
現場である路地裏は散々な有様になっている。爆発が起こったかのような焼け焦げと破損痕が無数に残り、吹き飛ばされたCIAエージェントたちの残骸がレンガ壁や地面に貼り付いているのだ。PCはこの混沌とした状況のなかから、ニンジャ洞察力や第六感を用いて手掛かりを集める必要がある。
◆物証を調べる(調査判定)
対応能力値、判定難易度:【ワザマエ】or【ニューロン】、HARD
ダイスボーナス:
*知識系スキルを1つでも所持(+1ダイス)
*それがシノギ系の場合、さらに+1ダイス
判定に失敗した場合:PCは【精神力】を1消費することで、この判定に成功数1で成功したものとして構わない。
判定に成功した場合:PCは後述の物証表から、成功したダイス数だけ項目を選択し、現場から手掛かりを集められる(上限3)。このとき、【ワザマエ】と【ニューロン】のどちらで成功したかにより情報が変化する。
◆物証表(調査対象と情報がまとめられている)
焼け焦げた壁【ワザマエ】:壁には犠牲者の歯や骨などの破片、そして銃弾が食い込んでいる。しかし、手榴弾の破片など爆発の原因となった何かの残骸は見当たらない。
▶全員の緊急回避ダイスが+1される。
焼け焦げた壁【ニューロン】:飛び散った血が既に乾ききっていることから、よっぽどの高熱がここで炸裂したことが推測できる。また僅かにニンジャの痕跡も感じ取れることから、それはジツの可能性もある。
▶全員の緊急回避ダイスが+1される。
路面【ワザマエ】:焼き焦げた路面には血痕が一切残されていない。犯人は現場に直接訪れなかったのか、あるいは無傷で監視チームを始末したのだと推測できる(既に焼け焦げた壁の調査を終えているならば、犯人がこの場で銃弾の雨をものともせずチームを殺害したことが分かる!)。
▶全員の緊急回避ダイスが+1される。
路面【ニューロン】:犯人が慎重なのか、路面には足跡などの痕跡は残されていない。しかし、そこには微かな残留カラテを感じられ、短距離であれば追跡することができそうだ。
▶全員の緊急回避ダイスが+1される。
▶物証項目『残されたカラテ痕跡』が開放される。
残されたカラテ痕跡【ニューロン】:この痕跡はハリスの住むアパートの駐車場まで追跡できる。恐らく、彼は自動車で現場を立ち去っている。
▶全員の即応ダイスが+1される。これは調査・交渉・ギミック判定のみで使用できる。
シーン2:ハリスのアジト
君たちは事故現場での調査を切り上げ、次いでハリスのアジトであるアパートメントを調査することにした。ハリスが事件に関与しているのか、そして彼がいま何処にいるのか、手掛かりを集めなくてはならない。
ハリスのアジトは慌てて逃げ出したような有様になっているが、一見して重要なものは見当たらない。しかし注意深く調べるならば話は別だ……。
事故現場での調査を切り上げた時点で、このシーンへと移行し、次いでPCはハリスのアジトであるアパートメントを調査することになる。ハリスが事件に関与しているのか、そして彼がいま何処にいるのか、手掛かりを集めなくてはならない。
ハリスのアジトは慌てて逃げ出したような有様になっているが、一見して重要なものは見当たらない。しかし注意深く調べると、幾つかの気になる証拠物品を見つけることができる。
このシーンでは先のシーンと同様に、イニシアチブ順に、各PCへ行動手番が与えられる。手番が回ってきたPCは、次の調査判定によって情報収集を行うことができる。PCは任意のタイミングで現場の調査を切り上げ、次のシーン「川沿いのダイナー」へと移行することができる。
気の早いPCは『手掛かり3』を手に入れた時点で、即座に「ミリー&メルヴィンズ」へと向かおうとするだろう。
◆ハリスの部屋を調べる(調査判定)
対応能力値、判定難易度:【ワザマエ】or【ニューロン】、HARD
ダイスボーナス:
*知識系スキルを1つでも所持(+1ダイス)
判定に失敗した場合:PCは【精神力】を1消費することで、この判定に成功数1で成功したものとして構わない。
判定に成功した場合:PCは後述の表から、成功したダイス数だけ、順番に手掛かりを見つけ出すことができる(上限3)。
続く判定で成功数が1の場合、次に見つかるのは3の手掛かりだ。
◆手掛かり表(判定成功に伴い順番に開示される)
手掛かり1)引き出しからは数発の.357口径弾と、空の弾薬箱が見つかった。肝心の銃は見当たらない。ハリスは銃で武装している可能性がある。マグナム弾を使用するライフル、あるいはリボルバー拳銃だ。
手掛かり2)引き出しの1つが二重底となっていた。そこでは何枚もの偽造パスポートや身分証が見つかる。ハリスはなんらかの犯罪に関与していたのか?CIAのファイルにおいてハリスの職業や犯罪歴といった情報は脱落していた。
手掛かり3)机の上には灰でいっぱいの灰皿が置かれている。ハリスは喫煙者だ。ゴミ箱にはタバコの空箱と、マッチ箱が見つかる。マッチ箱は空で、「ミリー&メルヴィンズ」という店舗名と、電話番号が書かれている。
▶証拠物品『ダイナーのマッチ箱』を手に入れる。
▶シーン1で同じものを手に入れていた場合、ハリスは定期的に「ミリー&メルヴィンズ」に通っていたのでは?と推測することができる。
手掛かり4)クローゼットの奥にはさらに隠しスペースが存在した。そこには合衆国の国旗や、額縁に入った数枚の写真、そして犯罪捜査めいてピンやロープでマークされたニューヨーク・シティ全域の地図がある。
手掛かり5)額縁に入った写真には、ラフな服装に防弾ベストを着て武装した人物が数名写っている。そのうちの1名はハリスだ。背景からして、撮影地は合衆国ではない。ハリスは米軍に所属していたのだろうか?写真の裏面には『1970, フェニックス』と書かれている。
手掛かり6)マークされたNYシティの地図は、明らかに犯行計画図である。幾つかの地点にマークが付けられ、なんらかの計算式が書き込まれているが、ひときわ情報量が多いのはインディアン・ポイントの原子力発電所だ。警備体制についてのメモや写真まで付随している。ハリスは原発を狙っているのか?
▶「ミリー&メルヴィンズ」について調べた場合、あるいは既にマッチ箱を2つ手に入れている場合、地図上のマークの1つが、このダイナーの位置を指し示すことに気がつく。しかも、ここはインディアン・ポイントが面するのと同じ川沿いにある。
手掛かり7)さらに注意深く調べると、ハリスのものと思われる手記を発見することができる。これは巧妙な暗号文になっており、読み解くには時間がかかる。
▶証拠物品『ハリスの手記』を手に入れる。
証拠物品『ハリスの手記』:【ニューロン】判定(HARD)によって断片的に解読できる。何らかの知識スキルを1つでも所持していると、判定ダイスに+1のボーナス。ただし、それなりの時間を要するため、この判定は次のシーン開始時に行うこと(移動中に行ったとみなす)。
判定に成功すると、そこからはハリスの独白めいた、あるいは妄想めいた内容が断片的に確認できる:
"ラングレーはLSDの実験を密かに継続している。アレは終わった話だと、世には出回っていたはず。奴らは俺の口封じをするつもりだ。"
▶情報の断片1:ハリスは世間で「終わった」ものとされている、LSDの実験をラングレーが秘密裏に継続していると主張している。彼は何らかの情報を掴んでおり、それが理由で消されてしまうことを恐れているようだ。
"ニューヨークはもうダメだ。誰もが汚染されてしまっている。無色透明、無味無臭。誰が気がつける?隣の彼も、彼女も、CIAの連中が頭のなかを引っ掻き回してしまっている。何もかもがおかしくなってしまった。"
▶情報の断片2:ハリスはニューヨークがもはや手のつけようもない状態に陥っていると考えているようだ。無色透明、無味無臭の何かにより、CIAが住民たちの頭をおかしくしてしまっている……と強く思い込んでいる。
"よく考えてみた。やはり、NYCは浄化しなくてはならない。この状況を打破するには、プロメテウスの炎が必要だ。インディアン・ポイントを解き放たなくてはならない。"
▶情報の断片3:ハリスの精神状態は明らかに不安定だ。ここまでの情報を結びつけて考えるに、彼は原発へのテロ行為を画策している可能性が高い。
ブービートラップ(イベントギミック)
バラバラと何かが天井から落下してくる。君たちのニンジャ動体視力はそれが何なのか、正体を瞬時に捉え・理解する。それはピンの抜けた手榴弾!巧妙なブービートラップだ!
ひと通りの調査を終えると、ハリスがアジトに仕掛けた時限式のトラップが作動する。部屋を立ち去ろうとするPCを取り囲むように、あちこちからピンの抜けた手榴弾が落下してくるのだ。
PC全員はこれに素早く対処できたかどうか、【カラテ】判定(NORMAL)か【ワザマエ】判定(HARD)のどちらかを行う。この判定は探索中のギミック判定とみなされ、アーキタイプによる恩恵を得られる。この判定に失敗したPCは回避不可の1ダメージを受けてしまう。
TIPS:PCが早々にアジトの調査を切り上げる場合、このイベントは省略しても構わない。代わりに、続くシーン『川沿いのダイナー』終了時に同じイベントが発生したり、後述の『トラブル判定表』による障害が発生したりする。
トラブル判定表(オプション)
PCがシーン1、シーン2で最小限の調査のみを行って先に進む、"あまり理性的ではない"ニンジャの場合、マスターはこのトラブル判定表を用いて幾つかの障害を発生させても構わない。
これは最短ルートで進行することでダイスロールも省略され、シナリオが薄味になってしまうことを防ぐためのオプション要素である。
プレイヤーの探索スタイルが分かったなら、マスターは次の表を任意のタイミングでロールしておくか、自由に選択して幾つかのイベントを用意すると良いだろう。
◆トラブル判定表(D6でロールする)
1:ハリスは逃亡時に数人のギャングを雇入れ、アジトの警備に向かわせた。PCはアジトを出たところで、あるいはアジトに入ろうとした時点で彼らと鉢合わせ、戦闘になる。
2:横暴で粗雑な調査が近隣住民や警官の怒りを買ってしまう。揉み合いなど軽い暴力を伴う激しい口論に発展し、PCは想定外の時間を取られてしまう。
3:ガサツな扱いが災いしてか、あるいはニンジャとしての規格外の体格が原因か、移動に使用していた車両がマシントラブルに見舞われ立ち往生してしまう。PCは応急処置を行うか、暴力でカージャックを行う必要がある。
4:現場あるいはダイナー周辺で、PCの姿を見て慌てて逃げ出すモータルが現れる。明らかに怪しく、PCが追いかけると、単にニンジャ威圧感に怯えて逃げ出した無関係の人物であることが分かる。
5:ダイナーにおける小競り合いで、追い詰められたギャングがダイナーの店員を人間の盾として人質に取り、近づくなと警告してくる。PCは店員の命など知ったことではないかもしれないが、ギャングを片付ける障害にはなる。
6:ダイナーからハリスの追跡を始めると、彼に追いつく前に、雇われ待ち受けていたギャングがPCの車両に並走しながら銃撃を浴びせかけてくる。
◆トラブルに対処する(ギミック判定)
判定方法:【カラテ】判定(NORMAL)or【ワザマエ】判定(HARD)
判定に失敗した場合:PCは【体力】、『緊急回避ダイス』、【精神力】のいずれかを1減少させる。
判定に成功した場合:PCは無傷でトラブルへ対処することができる。
出目【6】を含み成功した場合:即応ダイスが+1される。
ペナルティ:PC全員の判定成功ダイス数の合算が [PC人数+1]未満の場合、判定難易度を-1して、再び同じ判定を繰り返す必要がある。
※打ちのめしたはずの敵がまだ戦意を保っているなど、完全には問題に対処しきれなかったものとみなされる。
シーン3:川沿いのダイナー
君たちはダイナーの赤いドアを押し開け、店内へと踏み入る。そこは特段、綺麗とも汚いとも言えない、これといった特徴のないダイナーであり、入口の側に設置されたジュークボックスからは、1世代前の古いヒットソングが哀愁と共に垂れ流されていた。
順当に調査が進んでいれば、エージェントたちはハリスのアジトに残されたマッチ箱や地図を手掛かりに、この場所へと辿り着く。彼が定期的に訪れている場所、あるいは彼の計画上重要な場所であると推察できるからだ。
古びたダイナーの駐車場には数台のバイクや車両が駐車されており、店内にも何人かの(ガラの悪い)客がいる。PCはこの場所で、客の中にハリスが居ないか探したり、店員などに彼の写真を見せて聞き込みを行うことができる。
しかしながら、PCが何らかの有用な手掛かりを得る前に、ダイナーにたむろしていた数名のチンピラが突然彼らに因縁をつけてくる。このチンピラはハリスにカネで雇われたバイカーギャングであり、PCが困惑している間にも店外からぞろぞろと集まり彼らを取り囲む。
バイカーギャングの目的は、ハリスを探している人物(すなわちPC)を痛めつけて追い返すことであり、PCとの暴力的な衝突は避けられない。
戦闘の主導権を握る(イベントギミック)
バイカーギャングとの衝突に際して、PCは幾つかの手段によって戦闘の主導権を握ることができる。プレイヤーが望むなら、PCの誰かひとりを代表者として、次のいずれかの手段によって敵の威圧や懐柔を試みても構わない。
ただし、いずれの手段を選択したとしても、判定後には逆上したバイカーギャングとの乱闘に発展してしまう。またPCが好戦的なキャラクターであるならば、この判定を行うまでもなく戦闘処理に突入する。
ニンジャE.S.P:『☆カナシバリ・ジツ』もしくは『◉魅了』を持つ場合のみ選択できる。【精神力】1を消費して、発動判定(NORMAL)を行う。
成功した場合、ギャング1名が即座に行動不能となる。さらに他の全員は恐怖により、1ターン目の終了時まで『崩れ状態』となる。
ニンジャ存在感による威圧:【カラテ】による交渉判定(NORMAL)を行う。何らかの交渉スキルを1つでも持つ場合、ダイス+1。それが『交渉:威圧』か『交渉:超然』の場合、さらにダイス+1。
成功した場合、成功したダイス数だけのギャングが『不覚状態』となる。
買収を試みる:【ニューロン】による交渉判定(HARD)を行う。このPCが【万札】を2以上所持している場合、この難易度はNORMALとなる。
何らかの交渉スキルを1つでも持つ場合、ダイス+1。それが『交渉:理路整然』か『交渉:誘惑』の場合、さらにダイス+1。
成功した場合、成功したダイス数だけのギャングが『不覚状態』となる。
戦闘マップ
![](https://assets.st-note.com/img/1686721985187-qLVLCPQMnP.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1686496410442-RxZ8ca923b.png?width=1200)
バイカーギャングとの戦闘では「ダイナー」の戦闘マップを使用する。マスターはダイナーにおけるRPに応じて、任意の場所にPCを配置させてから、それを取り囲むようにバイカーギャングを配置する。
バイカーギャングの人数はPCの人数+2人程度をベースとして、PCの強さに応じて調整する。具体的には『☆カナシバリ・ジツ』や『◉魅了』といった、複数人を容易に制圧できる手段を保つ場合、思い切ってPCの人数の2倍まで数を増やして構わない。
この戦闘において、PCはニンジャの存在を隠蔽するべく活動するエージェントであることを忘れてはならない。まず、みだりに殺戮を繰り広げるべきではないだろう(マスターは攻撃手段やダメージに関わらず、自動的にNPCが"ミネウチ"されるものとしても構わない)。
さらに『ヘンゲヨーカイ・ジツ』や『カトン・ジツ』、『カラテ・ミサイル』など、可視の"E.S.P"は強力だが、モータルを"フリークアウト"させてしまうため注意が必要だ(詳細後述)。
戦闘の勝利条件:バイカーギャングを全員行動不能とする。もしくは3ターンが経過する。
◇NPCデータ:バイカーギャング
バイカーギャングはいずれも筋肉質で、レザージャケットなど頑丈な衣類を着込んでいるため、体力が高い。
基本的には体格を活かした近接攻撃で戦うが、PCが難なく彼らを倒し始めると、2ターン目からは半数がチャカガンを抜いて発砲してくる(これにより、近接攻撃と射撃による擬似的な時間差が生まれる)。
あるいは、PCが先述のような"E.S.P"を使用した場合、彼らは"フリークアウト"し、全員が即座にチャカガンを抜いて発砲してくる。
TIPS:マップ上にいるダイナーの従業員も"フリークアウト"が発生するものとして処理しても構わない。この場合、従業員の1人は防犯用のショットガン(ダメージ2)を持ち出してPCを射撃してくる(ステータスはバイカーギャングのものを使用する)。
◆バイカーギャング(種別:モータル)
カラテ 3 体力 2
ニューロン 2 精神力 2
ワザマエ 3 脚力 3
ジツ – 万札 -
攻撃/射撃/機先 3/3/2
◇装備や特記事項
チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1
拳や鈍器 : 近接攻撃、ダメージ1
シーン4:真夜中の決闘
ご、ゴウランガ!この奇妙な取り合わせの者たちは、一瞬のうちに体格に優れる男4人を叩きのめしたのである。店員は目の前の光景を畏れ、微かに震えた。そしてその時!
ドルルルルン!君たちが車を駐車したのとは逆側の駐車スペースから、突然のエンジン音。車を急発進させる音が鳴り響く!君のニンジャ視力は窓越しに、北側に去ってゆく一台の車両を。そしてニンジャ動体視力は、それを運転する男の姿を捉える。
ほんの一瞬ではあったが、君は彼と視線がかち合ったように感じた。
デビッド・ハリス……!
ダイナーにおける戦闘に決着がつく、あるいは3ターンが経過してバイカーギャングが恐怖し戦意を喪失すると、このシーンへと移行する。
シーンが始まると、PCが車を駐車したのとは逆側の駐車スペースから、車を急発進させる音が響いてくる。PCがそちらに飛び出す、あるいは窓に駆け寄って道路側を見ると、北側に去ってゆく一台の車両を視界に収めることができる。そしてPCのニンジャ視力は、それを運転するハリスの姿を捉える。
ハリスはギャングを買収してけしかけるだけでなく、慎重なことに、現れるであろう追手の正体を確かめようとダイナーの戦闘を自らの目で監視していたのだ!
TIPS:『ブービートラップ』のイベントがまだ発生していない場合、マスターはこのシーン中の任意のタイミングでそれを発生させても良い。屋外から様子を伺っていたハリスが、ギャング諸共に始末しようと手榴弾を投げ込んでくるのだ。
これによって、【体力】が中途半端に残っていたギャングを一層し、プレイヤー心理的にも次のシーンへとスムーズに移行できるようにする。
追跡(イベントギミック)
君たちはダイナーを飛び出し、車両でハリスを追跡する。焦れったい数分間のドライブの後、君たちはついに彼の黒い車両の背後を捉えた!
PCはダイナーを飛び出し、車両でハリスを追跡することになる。アジトでの探索がうまく行っていれば、PCはハリスが向かう先にインディアン・ポイントの原子力発電所があることに気がつく(追い詰められた彼は、もはや何をしでかすか分からない!)。
PCがハリスに干渉しようとせず追跡を続ける場合、ハリスは手榴弾を路面にばら撒き攻撃してくる。並走するなどカーチェイス状態から(比較的)穏便に停車を呼びかける場合、容赦なく拳銃を発砲して応戦してくる。PCはすぐに、多少強引な手段でも彼を停車させなければ埒が明かないことを理解するだろう。
ハリスの車両を停車させるには、強引に体当たりを仕掛けるか、タイヤなどを正確に撃ち抜いてスリップさせるしかない。PCの誰かひとりを代表者として、次のいずれかの判定を1度だけ行うこと。
体当たりを仕掛ける:【カラテ】判定(NORMAL)を行う。この判定は探索中のギミック判定とみなされ、アーキタイプによる恩恵を得られる。
タイヤを撃ち抜く:【ワザマエ】判定(HARD)を行う。この判定は探索中のギミック判定とみなされ、アーキタイプによる恩恵を得られる。
判定の成否に関わらず、運転を妨害されたハリスの車両はコントロールを失い、横転して路上で炎上する。判定に失敗していた場合、PCの車両もそれに巻き込まれて横転してしまい、PC全員が回避不可の1ダメージを受ける。
国家安全保障上の脅威(ボス戦闘)
予断を許さぬ強烈な体当たりに、運転を妨害されたハリスの車両はコントロールを失い、激しく横転。君たちの目の前で強制的に停車させられると、炎上し始めた。
この状況に、君たちは否が応でもブレーキを掛けざるを得ない。彼は、生きているのか!?
車両を停車させたならば、あとはハリスとの決着をつけるだけだ。ハリスは横転炎上する車両から、炎をものともせずに這い出し、立ち上がる。彼がニンジャであることはもはや疑いようもない。
ハリスと対峙して言葉を交わせば、彼が完全に"フリークアウト"しており、ニューヨーク・シティを炎に包み浄化するという考えに取り憑かれていることが分かる。PCは彼を無力化し、その企みを止めなくてはならない。
戦闘マップ
![](https://assets.st-note.com/img/1686496147520-mLqnxqGjJB.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1686496353441-rLjvHtEpWD.png)
ハリスとの戦闘では「クロトン高速道路9号線」の戦闘マップを使用する。マスターはマップ上の白い車の周辺にPCを配置させてから、戦闘を開始する。あるいはRP描写に伴って、PCとハリスがワン・インチ距離まで接近して睨み合う状況になるものとして配置を調整しても構わない。
戦闘の勝利条件:ハリスを行動不能とする。もしくは爆発四散させる。
◇NPCデータ:デビッド・ハリス
君たちの疑念に応えたわけではなかろうが、しかし、路上に降り立ったCIAエージェントの前に、横転炎上する車両から1人の男が這い出した。全身を包む炎をものともしないその人物は当然、デビッド・ハリス。
彼がニンジャであることはもはや疑いようもない。「……ドーモ。CIAの犬どもめ……」ぐしゃぐしゃと顔を掌が抑えるように動くと、そこにはメンポがあった。炎が彼の体に吸い込まれた。
![](https://assets.st-note.com/img/1686497386176-sPSycfkR3f.png?width=1200)
デビッド・ハリスの正体は1967年~のフェニックス作戦にも参加したCIA工作員のひとりである。彼は偶然にも、70年代に世間で取り沙汰された『LSDを民間人に投与する洗脳実験』をラングレーが秘密裏に継続している事実を知ってしまった(実際には、これは計画を吸収したメガトリイ社の秘密部門によるものだ)。
その事実を世間に暴露しようとしたため、一度は口封じに暗殺されるも、ニンジャとして蘇った彼はその衝撃で"フリークアウト"し、NYC全体がLSDに汚染されているという妄想に囚われることとなった。彼はニンジャソウルのもたらす衝動と妄想の危険な化学反応により、インディアン・ポイントの原発を吹き飛ばすことでNYCの汚染を浄化しなくてはならないと考えている。
ハリスは強力なジツの使い手であり、CIA工作員としての実戦経験も積んだ油断ならぬ相手である。彼はボスNPCとして、毎ターン必ずレッサー・コロナ・ジツで複数人にダメージを与えたのち、「チャカガン射撃/グレネード/近接攻撃/コロナ・ジツ」のいずれか最適な手段で追撃を加えてくる。
「邪魔を……するなよ。俺はこの汚れた人生で初めて、正しいことをしようとしているんダ!」 /// 「CIA、クソ喰らエ!」 /// 「誰も彼も、歪められてしまった……そうだ、死が浄化と救済を齎ス!」
◆デビッド・ハリス(種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 7
ニューロン 5 精神力 9
ワザマエ 5 脚力 2/N
ジツ 4 万札 -
近接攻撃D:5、射撃D:6、発動D:10、回避D:5、即応D:2
◇装備やスキル
装備 :『コルト・パイソン(チャカガン)』、『バクチク・グレネードx1』
スキル :『◉◉グレーター級ソウルの力』、『◉頑強なる肉体』、『◉滅多打ち』
『◉ニンジャソウルの闇』
『●射撃スタイル:ファニング』:
回避ダイス2個をコストとして消費。この拳銃は『連射+1』を得る。
『☆レッサー・コロナ・ジツLv3』:
移動フェイズ開始時に【精神力】1と1行動を消費して発動(NORMAL)。
発動すると即座に回避ダイスを2個獲得し、【脚力】の3倍を移動できる。ナナメ移動可。
このとき『火炎属性ダメージ1』を与える『●轢殺攻撃3』を使用できる(回避:NORMAL)。
『★コロナ・ジツ』:
攻撃フェイズに【精神力】2と1行動を消費して発動(NORMAL)。
自身を中心とした5x5マスに『火炎属性ダメージ1』を与える(回避:HARD)。
直前の移動フェイズで『レッサー・コロナ・ジツ』を使用していた場合、
範囲を3x3マスに縮小し、回避難易度をNORMALとすることで【精神力】コストを0にしても良い。
『●立ち枯れの時代』:
このキャラクターは『種別:ニンジャ』だが、大気中のエテル濃度の不足から、
基本の回避難易度がHARDとなり、『スリケン』を使用できない。
さらに、ジツの発動難易度は通常より+1されてしまう。
◇戦闘バランス調整のヒント
ハリスが行使するジツの回避難易度は『●立ち枯れの時代』により、実際には表記されている難易度からさらに+1される点に注意する必要がある。これにより『レッサー・コロナ・ジツ』は回避HARD、『コロナ・ジツ』は回避U-HARDとなる。
PCが回避ダイスが5~6個程度であろうと考えると、上記のジツのコンボを使用した時点で、毎ターン1ダメージは受けてしまうことは覚悟しておく必要がある。逆にダメージの上振れはないため、マスターは安心してダメージを与えられるとも言える。
難易度をマイルドにしたい場合:レッサー・コロナ・ジツから『回避ダイス+2』の効果を取り除くと良いだろう。
PCの人数が多い場合:基礎の回避ダイスを防具などで+2するか、『●射撃スタイル:ファニング』の使用コストを削除して『2ターン連続使用不可』を付与すると良いだろう。
ビッグニンジャなど飛び抜けて頑丈なキャラがいる場合:次の『★◉コロナ・ヌーク・ジツ』をもたせると良いだろう。
『★◉コロナ・ヌーク・ジツ』:2ターン連続使用不可。
攻撃フェイズに【精神力】2と【体力】1、さらに1行動を消費して発動(NORMAL)。
視線の通る1マスを中心とする5x5マスを効果範囲とし、中心点の敵にD6ダメージ(回避HARD)を
それ以外のマスに1ダメージ(回避NORMAL)を与える。
※『●立ち枯れの時代』により、上記の表記から1段階回避難易度があがることに注意。
エンディング
大破した車両の炎に照らされながら、2人は嘆息する。政府によるニンジャの迫害を止めるために?あるいは契約に従い?CIAのニンジャとしてニンジャを狩るという今の状況は、いつ安寧の時を迎えるのであろうか。
相反するかのような刹那の時間を駆け抜け、そして今、CIAのニンジャたちはこれからのアメリカ合衆国の未来に……あるいは自らの将来に思いを馳せるのであった。
ハリスを行動不能・爆発四散に追い込んだ時点で、このシナリオは終了となる(つまり生け捕りにするケースも想定される)。PCは大破した車両の炎に照らされながら、政府によるニンジャの迫害を止めるためにCIAのニンジャとしてニンジャを狩るという今の状況に、あらためてうんざりした気分に陥ることだろう。
ハリスが生け捕りにされた場合、【プロメテウス・アレイ】でダニエル・キャリントンが入手した1984年10月10日のビデオテープに映っているのは彼の姿なのかもしれない。
◇報酬(PC1人あたり)
基本報酬 :万札15、余暇4日
+殺人を犯さなかった、もしくは手記を回収した場合:万札5
シナリオ改変のヒント(参考)
このシナリオは専用ルールが多いものの、調査から戦闘に結びつくシンプルな構成となっており、少しの改変を加えることで、原作エピソードに近い内容やAoSを舞台としたシナリオとしてプレイすることができる。
【プロメテウス・アレイ】の過去エピソードに近づける:舞台を1990年代とし、事件の犯人をロックバンド「ジェイド・ディヴィニティヴ」のメンバー、セズベスとする。
シナリオの背景では"フリークアウト"セズベスを止めるため、フィルギアを含めたジェイド・ディヴィニティヴのメンバーが動き始めている。PCは戦闘の代わりに、ダイナーのシーンで彼らと遭遇することになる。
【プロメテウス・アレイ】のエピソードに近づける:舞台を1990年代とし、事件はアパートメントの内部を舞台としたカップルの殺人事件とする。犯人はアンナチュラルと化した、ロックバンド「プロメテウス・アレイ」のメンバーであるディーだ。
PCは調査から「プロメテウス・アレイ」とフィルギアの存在に辿り着き、ライブ会場で推定ニンジャのディーと対峙することになる。しかし、そこにはジェイデッドやダニエル・キャリントンが乱入し混沌とした状況が生まれ、さらにはディーを守ろうとする全力のフィルギアとの殺し合いに発展してしまう。
AoSのシナリオに再構成する:舞台をAoSとし、単にソウカイヤなどニンジャ組織のシマで行われた殺人事件の犯人探しに駆り出されるものとする。その犯人は野良ニンジャかもしれないし、恐るべきニンジャ殺戮者かもしれない。
後者の場合、PCは恐るべき罠に掛けられ、命からがら逃げ出すことになるだろう。
謝辞
🕵SPECIAL THANKS:テストプレイ卓に参加頂いた皆さん:THE-MAKER=サン、せにすち=サン、ヒフミ=サン、Wolfram=サン、久助=サン🕵
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