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【NJRPG-2ND/シナリオ】フォールス・ウインター#4:オペレイシヨン・クロスボウ

あらすじ:オナタカミ社が都市丸ごとを改造した、新型ロボ・ニンジャ「ドラグーン」の戦闘実験サイト。鷲のニンジャたちの次なる目的は、そこに運び込まれたプロトタイプの試験データ。そして、訪れるメイライ・コーポレーションへの技術プロモーションの妨害工作であった。

彼らには疎遠でいてもらう必要がある。すべて台無しにしてやれ。大暴れの時間だ。

これは「ニンジャスレイヤーTRPG2版」のシステムに対応した、「鷲のニンジャ」がテーマのキャンペーン『フォールス・ウインター』の第四話に該当するサンプルシナリオ記事です。

プレイ人数:4~5名
所要時間:12~16時間(オンラインセッション/テキストセッション)
難易度:キャンペーン専用のルールで作成後、3シナリオを踏破した程度の強さのPCを想定(成長の壁(1)をそれぞれ1~2つずつ超えている)

キャンペーン全体の背景設定やルート分岐の調整方法などは、別途CPセッティング記事も参考にしてください。

※各ゲーム要素はニンジャスレイヤーTRPG初版で行ったキャンペーン実卓を元に、2版向けへコンバートされたものです。ゲームバランスは現行環境やプレイヤーキャラクターに合わせて都度調整することを推奨します。

関連記事はこちらのマガジンから。

◇本文中に登場する略称
NM:ニンジャマスター    → ゲームの進行役。描写などを行う。
PL:プレイヤー       → ゲームの参加者。PCを操作する。
PC:プレイヤーキャラクター → ゲーム内の主人公。メインキャラ。

前シナリオ

シナリオ分岐について

このシナリオはCP全体の物語に大きく関わる内容ではなく、本筋の展開が唐突過ぎないように過程を描き、情報を補足する幕間的な立ち位置を想定したものです。伴って、必ずしもプレイする必要があるシナリオではありません。

想定される用途として、ここまでのシナリオでPCに十分な動機を与えられていないと感じるNMにとっては、『オペレイシヨン・マタドール』で入手したオナタカミの情報をトリガーにアマクダリ・セクトの妨害という中期的な目標を明示したり、ハタモト・エージェントとの接触を発生させたりすることで、物語全体の緊迫感を高める良い機会となるでしょう。

マップデータ

このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。

なおこのシナリオでは状況やイベントに応じてPOPする敵や数、位置が大きく変更となるため、マップ上では具体的な配置が定められていません。本文中の表記を参考に、PCの相性やチーム分けに応じてNMは適時配置を調整してください。


◆はじめに

このシナリオにおいて、PCはオナタカミ社の戦闘兵器実験場を訪れ、ハックアンドスラッシュ系の破壊工作任務を遂行することになる。PCは2チームに分かれ、市街地サイトでドラグーンの試験演習へと乱入。陽動を行う一方で、別働隊は実験場の研究区画へと忍び込んで破壊工作とデータの奪取を行う。

しかしPCが襲撃を行う日、兵器実験場には護衛ニンジャを引き連れたメイライ社の重役『シロウ・イスヒ』が視察に訪れている。『オペレイシヨン・ペーパークリップ』に起因するアルトゥール博士の損失により、メイライ社は工学技術の面で外部の力を今以上に積極的に取り入れる方向性を検討し始めたのだ。

一方でPCが"派手にやらかす威力部門"のニンジャ・エージェントとして活動していた場合、『オペレイシヨン・マタドール』での車列襲撃からこの場所に現れることを予期し、ハタモト・エージェントが彼らを待ち受けている可能性がある。激しい戦闘となるだろう。

導入:カットシーン

『敵はどこからお前を襲ってくる?』『何人だ?』『武装は?』『練度は?』『どこから、どうやってお前を見ている?』『誰がお前を見ている?』『音を聞け』『振動を感じ取れ』『敵はどんな武器を手に取った?』『どこを歩いている?』『何を履いて歩いている?』

無数のオベリスクめいて屹立するコンクリートの街並み……それを模した戦闘訓練施設へと〈任意のPC名〉と〈任意のPC名〉が足を踏み入れてから、既に1時間が経過している。

薄っぺらな建物に足を踏み入れようとすればワイヤーがブービートラップの引き金を引き、物陰から突き出した銃口はUNIXに制御されゆらゆらと獲物を待ち受けている。

しかし2人が相対しなくてはならない真の相手は、ボス……すなわち"アシッドウルフ"その人である。

導入の描写テキスト

NMが望むならば、このシナリオは任意のPC数名が登場する、上記のようなシーンの描写から始まることになる。このシーンでPCは戦闘訓練施設においてアシッドウルフ(スパイマスター)との模擬戦闘訓練に臨んでおり、無数に仕掛けられた罠と、ステルス・ジツめいて気配を消したアシッドウルフの散発的なアンブッシュに警戒しながら彼の位置を特定しなくてはならない。

いくらかのロールプレイの後、NMはPCの不意を突く形でアシッドウルフを出現させる。そしてマップを用いない、簡易的な戦闘処理を1~2ターン程度行いPCの小手調べを行う(この戦闘の感触は今後登場させるボスキャラクターの強さを調整するための指針としても用いることができる)。


◇NPCデータ:アシッドウルフ(スパイマスター)

NMはエネミーデータとして次のステータスを開示すること。あるいは、意図的に『●???』移行の能力や、データそのものを伏せた状態で戦闘させても構わない(ただし下記のデータは『ブレインウォーフェア』などで既に開示されている可能性がある)。

一方で、この戦闘では『アシッドウルフが通常のキャラクターとは何かが違う』という違和感を覚えさせるためのものでもある為、NMは例えば「複数のタツジンの効果が同時に発動する」など本来のルールの枠を超えた(そしてデータ上にも表記がない)効果をアドリブ的にアシッドウルフに持たせることが望ましい。

複雑な精神性と独自のカラテ・スタイルを持つこのニンジャと戦うとき、熟練のニンジャであれば、まるで「複数のタツジンと同時に戦っている」かのような錯覚と違和感を覚える。

◆アシッドウルフ (種別:ニンジャ)
カラテ     10  体力     13
ニューロン   10  精神力    12
ワザマエ    10  脚力     6/N
ジツ      1   万札     50    
近接攻撃D:14、射撃D:14、回避D:15
◇装備や特記事項
 防具 :『旧世紀ポリゴンメンポ&ミリタリー装束(精神力+1、回避D+1)』
 武器 :オノミチ・カスタムx2(赤外線レーザーサイトx2、クイックドロー・ユニット)

 サイバネ:▶︎▶︎▶︎▶︎鷲の腕Lv4(カラテ判定D+4, 回避D+4, 精神力+1)
      ▶︎アパタイトの眼(ワザマエ判定D+1, 射撃D+1)、▶︎生体LAN端子

 スキル:『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
     『◉トライアングル・リープ』、『◉グレーター・ツジギリ』
     『◉タクティカル移動射撃』、『◉キリングマシーン』、『◉痛覚遮断』
     『◉◉タツジン(ピストルカラテ)』、『◉ヒサツ・ワザ(ネバダズ・デスカタパルト)』

『○元秘密工作員』:
  諜報活動のタツジンとして、電子・物理両面で様々な情報収集と隠蔽工作に精通している。
  適切なシチュエーションであれば、関連した判定の難易度が−1ないし−2される。

『◉◉タツジン(ピストルカラテ)』:
 「拳銃/二挺拳銃/ライフル」装備を「素手状態」ともみなし、
 それら銃器の装備時ペナルティを全て無視し、隣接している敵に対しても射撃可能とする。

  『●戦闘スタイル:射撃反動カラテ(使用コスト:回避ダイス2個)』:
   装備中の銃器で射撃判定を行った後、近接攻撃判定を行う(射撃スタイルは使用不可)。
   『二挺拳銃』を装備している場合、『連続攻撃+1』かつ『近接攻撃難易度+1』を得る。

  『●戦闘スタイル:セイケンヅキ射撃』:
   この近接攻撃は全て『痛打+1』を得る。この攻撃が1発でも命中した場合、
   攻撃フェイズ終了時に対象へ「弾き飛ばし」を与えても良い。

『☆腐食カラテ』:
  手番開始フェイズに【精神力】を1消費して瞬時発動。ジツ値Xターンの間だけ効果が持続。
  効果中は『素手』攻撃にエンハンスによる『装甲貫通1』『回避ダイスダメージ1』が付与される。

『●???』:
 このキャラは常時強化系やソウル系を除く、ルールブック収録の全スキルを所持するとみなされる。
 ただし例外的に、『◉◉戦闘系ソウルの力』はこの対象に含まれる。

 これに伴い、手番開始時にタツジン系スキルの切り替えも行うことができ、
 さらに対応した武器が武器スロットに存在しなくとも、常に所持しているとみなされる。

『☆☆跳弾射撃』:
 宙に放った金属などを反射板とし、神がかり的な計算に基づく超精密な跳弾射撃を行う。
 「拳銃/二挺拳銃/ライフル」装備時に限り、次の射撃スタイルが使用可能となる。

 『●射撃スタイル:跳弾射撃』:使用コスト 回避ダイス2個
  この射撃は『射撃難易度+1』かつ『回避難易度+1』となり、射線を無視することができる。
  また出目【6,6】で『スリケン急所破壊』と同様の表からサツバツ!が発生する。


ダンゴウ

上記の『導入:カットシーン』から時間を巻き戻すような形で、この『ダンゴウ』のシーンは挿入される(作戦会議の後、作戦現場を再現するフィールドで訓練を受けることになった……という背景になる)。ブラックサイトの作戦司令室に集められたPCは、アシッドウルフ(スパイマスター)より次のような任務を与えられる。

◉磁気嵐の荒野で回収された座標データを元に偵察を行ったところ、実際にオナタカミ社が荒廃した市街地を買い取り戦闘兵器実験場として運用していることが判明した。ここでは現在、ドラグーン(開発名:モータートラ)と呼ばれる新型ロボ・ニンジャのテストが行われている。
*この座標データは『オペレイシヨン・マタドール』でPCが回収する可能性がある。

◉数日後、ここには"新規プロジェクト"の企画データ及び試作機体と共にテスト用のドラグーンが多数搬入される。目的は、同日にここを訪れるメイライ社へのプロモーション演習である。

◉彼ら2社には疎遠でいてもらう必要がある。今回のPCたちの任務は、このプロモーション演習に介入し、失敗に導くこと。そして新規プロジェクトのデータを研究区画から盗み出すこと。状況を鑑みて、これは同時に、速やかに実行されなくてはならない。

達成目的と脱出手段

兵器実験場には敵の戦力が集結しており、騒ぎを起こすほどに戦闘は激化するだろう。いつまでも戦い続けることはできない。NMは上記の任務の具体的な達成方法として、次の「目標」と「脱出手段」を明示する。

目標①:兵器実験場で市街地戦闘演習中のオナタカミ製ロボ・ニンジャを破壊して周り、プロモーションを妨害すること(詳細後述)。

目標②:ヘッドクォーター内部にあるデータセンターに潜入し、機密データの抽出を行うこと。(PCには専用のウィルスフロッピーが渡される。)

脱出手段について①:制御室のUNIXコンソールから格納庫のドラグーンの制御を乗っ取ること。(PCには専用のウィルスフロッピーが渡される。)

脱出手段について②:先んじて潜入しているニンジャが、南の外壁に爆弾を仕掛けている。これは制御室のハックに連動し起爆、壁に大穴を開ける。制御を乗っ取ったドラグーンに飛び乗り、ここから逃走すること。

◇情報の開示

十分な行動動機や、達成に向けて試行錯誤するための短期的な目標が、PCとPLに与えられていないと考えるNMは、このシナリオの導入シーンにおいて、前シナリオの戦果を評価するアシッドウルフ(スパイマスター)の口から次のように情報を補足提示する。

これ当然、セッションの進行をスムーズにするという目的もあるが、物語上ではPCの意識を『打倒アマクダリ・セクト』へと誘導することで、その能力を最大限に活用しようとするアシッドウルフの意図も隠れている。

■アマクダリ・セクトに関する情報と指示
◉磁気嵐の荒野の一件で耳にしている通り、アマクダリ・セクトは旧世紀の技術サルベージを各地で行っている。つまり、現状のPCたちの活動と競合する部分がある。

◉セクトは回収したテクノロジーをオナタカミ社へ技術導入し、遭遇したドラグーンを始めとする兵器開発で軍備増強を試みている。

◉PCたちには今後の明確な行動指針・目的として、アマクダリ・セクトの活動妨害、戦力縮減を命じる。PCの存在は既に露見しているため、必要以上に隠密性に拘る必要はない。しかし活動の目的など、これ以上の情報を与えることは許されない。

◉次に挙げる構成員には警戒して対処すること。何もかも正面からぶつかって対処できるものではない、という現実を理解するべし。

アガメムノン:PCより遥かに強い。勝ち目はない。
スターゲイザー:PCより遥かに強い。勝ち目はない。
ドラゴンベイン:PCより遥かに強い。
スワッシュバックラー:PCより遥かに強い。
ニューロサージ:なんらかのニューロン干渉系のジツを持つ。
ダイザキ・トウゴ:推定ニンジャ。人心掌握に長けている。接触すら避けるべき。

シーン1:兵器実験場への潜入

この場所は小さな都市区画まるごとをオナタカミ社が買い上げた、実践に近い市街地戦闘シミュレーションが可能な兵器実験場である。

区画は全体が高い壁で囲まれており、壁の上ではライフル武装したオナタカミ・トルーパー(その実態はクローンヤクザY-12型だ)が巡回警備を行っている。後述のロボ・ニンジャ軍団の存在もあり、ここから外界へは容易に出ることができない。

PCたちが訪れるとき、ここでは3体ずつでスクワッドを組んだドラグーンが実験場のあちこちに展開され、目標の走査撃滅の任務を遂行し始めている。ドラグーンは柔軟に敵を識別し殲滅を試みるが、事前に実験場へと配置されたモーターヤブ、捕獲ニンジャ、クローンヤクザなどは撃滅対象として既に入力済みとなっている。

◇中継カメラ
実験場のあちこちには戦闘の様子を記録するための監視カメラが多数配置されている。NMは監視カメラがどこにどのように配置されているのか自由に決めて構わないが、これらは大抵の場合は地上に向けられており、建物の内部にはほとんど存在しない。この場合、高い場所を移動すればカメラから逃れることも可能となる。一方で、ニンジャからは発見されやすくなるだろう。

チーム分け

NMはまずPCを2チームに分け、次のどちらの役割を担うかを決めさせる必要がある。ゲーム上の処理(=行動)は「陽動チーム側のイニシアチブ → 潜入チーム側のイニシアチブ」という順で行われる。待ち時間を気にするNMは、2チームの行動を同時並行で処理したり、別々のセッションとしてプレイさせたりしても構わない。

陽動チーム:区画内のドラグーン・スクワッドをゲリラ的に破壊して周り、市街地戦闘演習とプロモーションを台無しにする必要がある。

別部隊が潜入するHQを除き、このチームが移動する可能性があるのは周囲の8区画。陽動チームは最初に突入するセクションを選択し、ダイス判定によってそこで発生する戦闘イベントを決定。逃げるもしくは殲滅後、隣接する別セクションへと次々に移動が可能となる。

潜入チーム:陽動チームが活動している敷地の中央部にあるHQに潜入し、機密データの抽出とメインコンソールのハッキングを行う必要がある。

HQは簡易マップのみが示され、イニシアチブの行動手番が回ってきたら「1部屋分」を移動して何らかのアクションを起こすことができる。

◇NPCデータ:オナタカミ・トルーパー

兵器実験場の壁の上では、およそ10mおきに1人のスパンでオナタカミ・トルーパーが配備され、警備を行っている。彼らの仕事は侵入者と逃亡者の抹殺だが、接近する相手にはまず警告を行い、それでもなお近づこうとしたり壁を登ろうとしたりした場合にのみ発砲する。

◆オナタカミ・トルーパー (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ     2  体力     2
ニューロン   2  精神力    1
ワザマエ    3  脚力     2
ジツ      -  万札     1
近接攻撃D:2、射撃D:5
◇装備や特記事項
 装備:液晶ヘルメット(「サイバーサングラス」とみなす)
    オナタカミ武装戦闘服(「タクティカル・ニンジャスーツ」とみなす)

 オナタカミ・アサルトライフル:『遠隔武器』、『小銃』、『連射3』、『ダメージ1』


シーン1-A:陽動作戦

概念マップ

こちらの役割を与えられたチームのPCは、区画内のドラグーン・スクワッドをゲリラ的に破壊して周り、市街地戦闘演習とプロモーションを台無しにする必要がある。

別部隊が潜入するHQを除き、このチームが移動する可能性があるのは8区画となる。これらは大まかにセクション構造の特徴から「ダイドー」、「ヨツツジ」、「スイレン」の三種類に分類される(詳細後述)。

・北セクション(#ダイドー)
・北西セクション(#ヨツツジ)
・北東セクション(#ヨツツジ)
・南セクション(#ダイドー)
・南西セクション(#ヨツツジ)
・南東セクション(#ヨツツジ)
・西メンテナンスドック(#スイレン)
・東メンテナンスドック(#スイレン)

PLはまず、PCをどのセクションに配置して開始するのかを決める必要がある。セクションごとに発生するイベントについては、後述の「地形情報」を参照すること。


ニンジャ警戒度とプロモーション妨害度

兵器実験場ではPCの行動に応じて「ニンジャ警戒度」「プロモーション妨害度」が変動する。

「ニンジャ警戒度」は兵器実験場に控えたアマクダリ・セクトのニンジャ戦力の警戒度であり、目立つ行動を取るほどに増加する。このパラメータが一定以上に達すると、オナタカミ戦力では侵入者の排除が困難、あるいはプロモーションに悪影響を及ぼすと判断しアクシスが直接介入を始める。

「プロモーション妨害度」は兵器実験場でのプロモーション演習をどれだけ台無しにしてやったか、の指標数値である。これはドラグーン・スクワッドとの戦闘をトリガーに1~10までの範囲で変動する。PCの目的は、この数値を5以上に高めることで達成される。このパラメータが一定以上に達すると、オナタカミ管制室は追加のドラグーン部隊や試作型シデムシを投入するなどし、PCの排除でプロモーション効果の倍増を図ろうとする。

◇「ニンジャ警戒度」上昇によるイベント(めやす)
 1~3 :出動の必要なし。
 4~5 :やや危険。状況により中堅のアクシスが出動待機。
 6~8 :危険。状況により中堅のアクシスが2人以上出動待機。
 9~10:非常に危険。ハタモト・エージェントが出動待機。

◇「プロモーション妨害度」上昇によるイベント(めやす)
 1~5  :状況により追加のドラグーンをヘリボーン投下する。
 6~10 :状況により試作型シデムシが投入される。

◇各種パラメータの増減
戦闘を仕掛けるとき、PLは監視カメラの視界を避けて戦う(あるいは破壊する)かどうかを選択できる。接敵したドラグーン・スクワッドを殲滅したときには、その選択に応じて上記パラメータの増減が発生する。

カメラを避ける:ドラグーン・スクワッドのバイタル反応が次々と途絶え、管制室にはちょっとしたパニックが起こる。「ニンジャ警戒度」、「プロモーション妨害度」がそれぞれ+1される。

カメラに映る:謎のニンジャ愚連隊の出現に、管制室にはパニックが起こる。オムラのアサルト部隊かと誤認される可能性もある。「ニンジャ警戒度」、「プロモーション妨害度」がそれぞれ+D3される。

※万が一ドラグーン・スクワッドがPCの撃破や撃退に成功した場合、上記と同様の条件で、同じ値だけ「プロモーション妨害度」が減少する。

なお上記の設定は、陽動チームのPCが3人の場合を基準として作られているものの、実際に3人でプレイする場合は比較的易しい難易度となっている。いずれの場合でも、これはPLが頭を捻りながら戦略を組むように誘導するマクガフィン的な要素が強いため、NMはあまりシビアに考えずアドリブも踏まえながらイベント処理を行うのが好ましい。


地形情報「ダイドー」


広く道幅の取られた道路が1本突き抜けており、放棄された車両を除けば遮蔽物が全く存在しない見通しのいい場所となっている。路肩にはHQと部分的に連結した巨大な高層ビルがそびえ立っている。

このタイプのセクションでは次のようなイベントが発生する。NMはこれをダイスで決定しても、任意で選択しても構わない。

1:隣接するセクションへと移動する、バイク形態のドラグーン・スクワッドと遭遇する。アンブッシュは必ず成功する。

2:ドラグーン・スクワッドとモーターヤブ2機が激しい銃撃戦を繰り広げている。この戦闘に介入する場合、モーターヤブは味方NPCとなり、攻撃手番がスキップされる代わりにドラグーン・スクワッドの「回避ダイス」を常時0まで低下させる。(もしくは通常通り戦闘させても良い)。

3:ドラグーン・スクワッドとゼンメツ・アクション・モード状態の試作型モータードクロが激しい銃撃戦を繰り広げている。この戦闘に介入する場合、モータードクロは単純に最も近くの敵から殺そうと行動する。


地形情報「ヨツツジ」

ダイドーより道幅の狭い直線道路が1本通り、そこから枝分かれする形で複数の十字路やT字路が構築されている。小規模な建物が非常に入り組んだ状態で混在し、モーター兵器では通行困難と思われる裏路地が多数存在する。

このタイプのセクションでは次のようなイベントが発生する。NMはこれをダイスで決定しても、任意で選択しても構わない。

1:直線道路でドラグーン・スクワッドと装甲車に乗ったクローンヤクザ部隊が激しい銃撃戦を繰り広げている。この戦闘に介入する場合、クローンヤクザ部隊は味方NPCとなり、攻撃手番がスキップされる代わりにドラグーン・スクワッドの「回避ダイス」を常時0まで低下させる。(もしくは通常通り戦闘させても良い)。

2:数人の武装ヤクザが十字路に追い詰められ、ドラグーン・スクワッドから十字砲火を受けている。この戦闘に介入する場合、武装ヤクザは味方となるか、逃げ出してドラグーンの優先攻撃対象になる。

3:建物の窓から、ロケットランチャーやアサルトライフルで武装したクローンヤクザ部隊が道路上のドラグーン・スクワッドに待ち伏せ攻撃を仕掛けている。この戦闘に介入する場合、クローンヤクザ部隊は味方となり、アンブッシュによりドラグーン全機の【体力】を5まで低下させる。

4:ドラグーン・スクワッドに追われるソウカイヤのサンシタニンジャ「ガイドポスト」が裏路地へと逃げ込み、ノーフューチャーな撤退戦を繰り広げている。これに遭遇したとき、彼は(PCを敵ニンジャと認識し)一瞬硬直したのち、驚いた表情で「待てよ。その顔、クレイニアム=サンの……何故い……」と言い掛けた瞬間、ドラグーンの銃撃を受けて爆発四散する。先にドラグーンを倒していた場合、謎のステルスニンジャが彼を殺す。


地形情報「スイレン」

大小様々な建造物に囲まれたコンクリート固めの平地が広がるエリア。基本的に遮蔽物はほとんどないが、まばらにクローンヤクザ走行車両が停車しており、ドラグーン展開用の輸送ヘリ用にヘリポートまで用意されている。巨大なメンテナンスドックには展開前のドラグーンが多数待機している。

このセクションにはほとんど遮蔽物がなく、中央のHQからの監視の目から逃れることはできない。ここに移動することを決定した時点で「ニンジャ警戒度」が+1され、メンテナンスドックからドラグーン・スクワッドが迎撃にPOPする。

もしPCたちが無理にメンテナンスドックへと侵入し、内部から破壊工作を行おうとした場合、NMは即座にアクシスやシデムシをPOPさせて彼らを撤退戦に追い込んでも構わない。


◇NPCデータ:ドラグーン

陽動チームの主な敵は、3機のドラグーンで編成されたドラグーン・スクワッドである。スクワッドはHQの管制室からLAN直結オペレーターによって戦術指揮を受けており、高速で移動しながら高度な連携行動を取る。

ドラグーンはなるべく分散した位置取りをし、可能な限り十字砲火による制圧射撃を行おうと試みる。

「データベース照合完了。共有完了。ドーモ、所属不明のニンジャ工作員の皆さん。ドラグーンです。シリアルナンバーは非公開です」

カラテ     5  体力     8
ニューロン   3  精神力    -
ワザマエ    8  脚力     4
ジツ      -  万札     -
近接攻撃D:5、射撃D:8、回避D:3(HARD)
◇装備やスキル
 スキル :『タクティカル移動射撃』、『シャープシューター』、『疾駆』、『突撃』

 『アームバルカンx2』:遠隔武器、連射4、バースト2x2、ダメージ1、小銃
 『アームパンチ』  :テック近接武器、ダメージ2

 『●移動スタイル:モーターサイクルモード』:
  一時的に脚力が2倍となり、ナナメ移動が可能となる。

*『高機動回避』:オペレーター指揮スキル
  このキャラは毎ターン【ニューロン】に等しい数だけ『回避ダイス』を獲得し、
  「射撃」種別の攻撃に対してのみ「回避判定」を行える(基本難易度HARD)。

*『ラン・アンド・ガン連携』:オペレーター指揮スキル
  複数機で高度な連携を取ることで、2体以上の「ドラグーン」による射撃について、
  「まとめて回避」が不可となる(2体に十字砲火を受けた場合、PCは2回の回避が必要)。

*『クローンヤクザ生体脳』:
  このキャラは精神攻撃系のジツに対して「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
  そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる。
  このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。


◇NPCデータ:試作型シデムシ

陽動チーム側のボスキャラクター候補は、機動性と静音性を兼ね備えた多脚戦車シデムシである。潜入チーム側がほとんど目的を達成してしまっている場合や、陽動チームがかなり優勢で戦闘にマンネリ化が起こっている場合、シデムシはHQ連結ビルの高層階から這い出ると、壁を伝ってPCたちの居るエリアへと侵攻を開始する。

モータードクロほどではないが、シデムシもまた堅牢な装甲を有しており、相性によっては非常に苦戦を強いられる可能性がある。特に、このシナリオではパーティーが二手に分かれていることに留意すべきだ。

シデムシを撃破可能な難易度に調整したい場合や、この戦闘をあくまでも前座としたい場合は、試作型モータードクロやモーターヤブなどの敵対ユニットを戦闘に乱入させる、クローンヤクザが装備している武器を取得可能にする、などの救済措置を取っても構わない。

シデムシの背中に埋め込まれた「死」の漢字が音も無く発光し敵を威圧!

◆試作型シデムシ(種別:戦闘兵器、大型2x2)
カラテ      8  体力     20
ニューロン    6  精神力    -
ワザマエ     12  脚力     6
ジツ       ー  万札     30
近接攻撃D:8、射撃D:12
◇装備やスキル
 スキル     :『●即死耐性』、『●轢殺攻撃2』

 ファイアウォール: ハッキング由来のダメージ1発を無効化する、使い切り
 熱線トーチ   : 近接武器、連続攻撃1、D3ダメージ、貫通1
 クローアーム  : 近接武器、連続攻撃2、2ダメージ(1+痛打1)
 ミニガンx2   : 銃器、連射12、ダメージ1、チェーンターゲット、射撃難易度:NORMAL
          (全ターゲットが互いに隣接している場合のみマルチターゲット扱いにできる)

 『●射撃スタイル:銃弾の雨2』:
  毎ターン、通常の射撃(連射12)とどちらか片方を選択する。
   視線が通っている3x3の範囲に対して自動的に1ダメージを2回与える(回避:HARD)。
   この射撃は『時間差』とみなされる。

 『●サイバー装甲』:
  機械昆虫めいた体節の黒い装甲は、大型の拳銃弾をも弾き返す。
  ジツを除く「遠隔武器」に対してのみ「ダメージ軽減1」の効果を持つ。
  
 『●多節走行モード』:
  シデムシは移動時のみ「大型1x1」の特殊サイズを持つとみなし、狭い通路などにも入り込める。
  移動フェイズが終了すると再びトグロを巻くように頭部をもたげ、2x2のサイズへと戻る。
  また移動および射撃時、マップ上の遮蔽物を無視することができる。

*『クローンヤクザ生体脳』:
  シデムシは精神攻撃系のジツに対しては「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
  そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる(軽減不可)。
  このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。


◇NPCデータ:モーターヤブ

珍しいことに、このシナリオにおけるモーターヤブはPCの味方として機能する。ドラグーンの有用性をアピールする為に、登場するヤブには「ドラグーン」だけが殲滅対象として登録されており、それ以外の存在には一切反応しないのである。(PCはおろか、アクシスのニンジャやシデムシにも反応しない。当然、射線に入った場合、偶然巻き込んでしまう可能性はある)。

これはクローンヤクザ部隊との遭遇など想定外のシチュエーションに遭遇したとき、既存なモーター兵器では繊細な判断が不可能、というイメージを強調するための工作が意図されている。

「投降受付時間は終了しました」

◆モーターヤブ (種別:戦闘兵器)
カラテ    6  体力  12
ニューロン  3  精神力  –
ワザマエ   6  脚力   2
ジツ     –  万札   6
攻撃/射撃/機先/電脳  6/6/3/3
							
◇装備や特記事項
 ショック・サスマタ: テック近接武器、ダメージ2(1+電磁1)
 ガトリングガン・アーム: 銃器、連射6、ダメージ1、チェーンターゲット、射撃難易度:NORMAL
  (全ターゲットが互いに隣接している場合のみマルチターゲット扱いにできる)

 『●射撃スタイル:銃弾の雨1』:
  通常の射撃(連射6)かこの射撃スタイルか、どちらか片方をターンごとに選択する。
   このスタイルは、視線が通っている3x3の範囲に対して自動的に1ダメージを与える(回避:HARD)。

 『◉移動スタイル:跳躍移動』:
  3マス以内の好きな地点へと、カンガルーめいた跳躍によって移動する。
  飛行装置を持っているわけではないが、ルール上は『飛行移動』をそのまま使用する。


◇NPCデータ:試作型モータードクロ

戦闘区画では大暴れする試作型モータードクロと遭遇する可能性もある。堅牢な装甲を持つロールアウト機体ではなく、敢えて試作型が投入されているが、それでも十分に危険なロボ・ニンジャであり、状況によってはドラグーン・スクワッドを単騎でなぎ倒してしまう可能性もある。

もっともゼンメツ・アクション・モードを発動しているモータードクロは、PCからアクシスまで、モーター兵器を除くあらゆるキャラクターに無差別的な攻撃を仕掛ける。

「ゼンメツ・アクション・モード承認状況。自己承認。ゼンメツ・アクション・モード展開」 // 「ゼンメツだ!ゼンメツだ!」

◆試作型モータードクロ (種別:戦闘兵器、大型2x2)
カラテ    8  体力   24
ニューロン  4  精神力  –
ワザマエ   12  脚力   6
ジツ     –  万札   10
攻撃/射撃/機先/電脳  8/12/4/6

◇装備や特記事項
 ショック・サスマタ: テック近接武器、連続攻撃2、ダメージ2(1+電磁1)
 全方位近接攻撃: 近接武器、【ワザマエ】で判定、連続攻撃3、隣接マスの敵全てにダメージ1、
         攻撃難易度:NORMAL、回避難易度:NORMAL、カウンター不可

 ショットガンx2: 銃器、連射2、ダメージ2、時間差、マルチターゲット
 ミサイル: 銃器、連射1、爆発(カトンLV2)
 アンタイニンジャ・スナイパーライフル: 銃器、連射1、ダメージD3、回避HARD
 ガトリングガン: 銃器、連射6、ダメージ1、チェーンターゲット
   (全ターゲットが互いに隣接している場合のみマルチターゲット扱いにできる)

 『●即死耐性』、『●轢殺攻撃2』


『●ゼンメツ・アクション・モード』:
 モータードクロは移動フェイズで移動をあきらめる代わりに、射撃を行ってもよい。
 この場合、手番中に「射撃」→「射撃」や「射撃」→「近接攻撃」などの行動が可能である。
 ただし、「攻撃フェイズ」で使用する銃器は、直前の「移動フェイズ」で使用した銃器を選択できない。


◇NPCデータ:武装クローンヤクザ

◆クローンヤクザY-11型 (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ     2  体力     1
ニューロン   2  精神力    1
ワザマエ    3  脚力     2
ジツ      -  万札     -
近接攻撃D:2、射撃D:3
◇装備や特記事項
 ・チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1 
 ・マシンガン: 銃器、連射3、ダメージ1、『●射撃スタイル:掃射3』
 ・ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
 ・ガトリングガン: 銃器、連射3、ダメージ2、重火器
 ・バズー: 銃器、連射1、爆発(カトンLv2)、銃火器

※いずれかの武器を装備している。


◇NPCデータ:ガイドポスト

PCは「先んじて潜入しているニンジャが、南の外壁に爆弾を仕掛けている」という事前情報からこのニンジャを味方として誤認するかもしれないが、彼の所属はクロスカタナのエンブレムが雄弁に語っている。しかし彼はPCに敵意を向けるのではなく、訝しげな視線を投げかけてくる。

彼はソウカイヤの中堅ニンジャ、クレイニアムの部下であり、(かつてソウカイヤに所属していた)PCと顔を合わせたことがあった。ソウカイヤの記録上、爆発四散したことになっているPCを見て、彼は「何故生きている!?」と口にしようとする。

爆発四散した彼がドロップするIRC端末には、ソウカイヤの所有する訓練施設の座標情報とアクセスキーが収められている。

このキャラクターはPCが『元ソウカイヤ』というパーソナリティに気がつくフックとなるキャラクターの1人であり、事前に種まきをしておきたいNMはいずれかのシーンでこのニンジャを登場させておくと良い。

「待てよ。その顔、クレイニアム=サンの……何故い……」

◆ガイドポスト(種別:ニンジャ)
カラテ     3  体力     4
ニューロン   6  精神力    6
ワザマエ    5  脚力     4/E
ジツ      0  万札     5
近接攻撃D:3、射撃D:7、回避D:6
◇装備やスキル
装備  :アサルトライフル、タクティカル・ニンジャスーツ
サイバネ:▶サイバネアイ
スキル :『◉常人の三倍の脚力』、『◉トリガーハッピー』


◇NPCデータ:ビクター

事前情報にある「先んじて潜入しているニンジャが、南の外壁に爆弾を仕掛けている」とはビクターのことである。彼は潜入後、不可視状態で陽動チームの監視を行っている。

彼はPCらの監視と外部接触者の排除という役割を守り、PCがガイドポストに接触してしまった場合、(予想外に)真のパーソナリティに近づくきっかけとなってしまう彼をアンブッシュで殺してしまう。

明確にビクターの仕業として後の伏線を残しておきたいNMは、彼が扱うスリケンを「白いスリケン」などと特徴を持たせて描写する。

次の瞬間、彼の額に白いスリケンが突き刺さった「サヨナラ!」ガイドポストは爆発四散!狙撃方向……というにはやや近すぎる印象を受けたが、君たちは辛うじて、姿の見えない狙撃者の気配が再び実験場に溶け込んでいくのを感じ取る。

◆ビクター(種別:ニンジャ)
カラテ     8   体力     11
ニューロン   8   精神力    12
ワザマエ    7   脚力     4
ジツ      4   万札     25
近接攻撃D:8、射撃D:13、回避D:10
◇装備やスキル
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉剛力(出目【6】含む近接攻撃は『痛打+1』)』、『◉挑発』
      『◉ニューロン・ブースト』、『◉翻弄』、『◉◉グレーター級ソウルの力』

『**ドウメキ・ステルスニンジャスーツ**』:
 全身に大量の『▶サイバネアイ』めいた装置が埋め込まれたハイテック光学迷彩スーツ。

 ・【ワザマエ】判定ダイス+4、射撃ダイス+2個、回避ダイス+2個。
 ・手番終了フェイズにおいて、自動的に『☆ステルス・ジツLv3』が発動する(コストなし)。
 ・ステルス状態の使用者によるあらゆる攻撃は「回避難易度+1」となる。

『●全身義体』:
 全身を医療用サイバネで置換しており、痛覚を完全に遮断することができる。
 このキャラは『◉痛覚遮断』を取得しているものとみなされる。

『☆タイジン・ジツ』:
  手番開始フェイズに【精神力】を1消費し、瞬時行動として発動する(難易度NORMAL)。
  発動した場合、射線の通る敵1体を術者の次の手番開始時まで『不覚状態』とする。
  相手はこれを望まない場合、回避判定を行う(HARD)。

『★センド・ジツ』:
  手番開始フェイズに【精神力】を1消費し、瞬時行動として発動する(難易度HARD)。
  自身もしくは視線の通っている味方キャラに隣接する3×3マスを『NRS錯乱モータル』マスとする。
  
  このマスは「移動困難な地形」であり、術者側の味方NPCとして扱われる(【体力】1)。
  また頭上ないし隣接マスを通過しようとする敵に回避ダイスダメージ1(回避NORMAL)を与え、
  命中した場合はそこで移動を強制的に終了させる。


シーン1-B:潜入作戦

兵器実験場の中心部には要塞化されたヘッドクォーター(HQ)がそびえ立っている。この場所では、実験場で活動するドラグーンの監視・制御のほか、実戦テストのフィードバックを反映するカスタマイズモデルや試作型シデムシの研究開発が行われている。

こちらの役割を与えられたチームのPCは、定期的な資材搬入トラックの積荷に紛れて侵入し、陽動チームが注意を引いている間に、データセンターからオナタカミの機密データを盗み出さなくてはならない。

潜入チームのPCはアシッドウルフの手引きにより、清掃スタッフに変装してヘッドクォーターの調査にあたる。あらゆる武装は大型の清掃カートに隠すことで持ち歩くことができるが、清掃スタッフに変装している都合上、同じ部屋を何度も往復することはできない。


マップ上の各部屋に関する詳細は次の通りとなる。

①~②:エレベーターホール

無機質な壁と床に囲まれたエレベーターホール。潜入チームのPCは清掃カートを伴って、まずこの場所に降り立つことになる。

正面には観測室に繋がる大扉が待ち構え、左右にはそれぞれ制御室と工房に連結する通路へと繋がる扉が備わっている。


③:トイレ

この場所にはオナタカミの新人エンジニアがプロモーション演習に対する緊張から個室に籠もり続けている。彼からはオナタカミ社章のエンジニア白衣と社員IDを奪うことができる。

これによりPCのひとりは新人エンジニアに変装することが可能となる。


④~⑤:工房

オナタカミ社員と比較すると清掃スタッフはマケグミに位置するが、この兵器実験場に配属されるスタッフは全員が愛社精神を持っているということもあり、PCが清掃スタッフとしてここに立ち入ったとしても邪険に扱われることはない。

仕事に従事しながら「あれは何か」と問いかければ、誇らしげに最新プロダクトの説明(勿論機密情報には触れられない)を親切にしてくれる。対象はドラグーン、シデムシ、ハイタカの3機についてだ。

もしPCが新人エンジニアに変装してここに立ち入ったなら、それを見咎めた別のエンジニアが「フロッピーディスクを制御室に届けてくれ」と慌ただしくお使いを頼んでくる。あまりの忙しさに、彼らは新人の顔すら頭に入っていないのだ。


⑥:制御室

この場所には6人のLAN直結オペレーターと2人の計器観測エンジニアが業務を遂行している。彼らは戦闘演習を成功させるためコンソールにかじりついている状態であり、清掃スタッフが部屋に入ってこようと全く気がつかない。

潜入チームのPCはここのモニターを通して、陽動チームが戦闘している様子を把握することができる。またこの場所は目的地のひとつでもあり、PCは以下のような幾つかの行動を取ることができる。

◉LAN直結オペレーターやエンジニアを無力化する(殺害した場合、DKK+2)。この場合、実験場のドラグーンが戦術指揮を失い『オペレーター指揮スキル』の効果が消失する。一方でドラグーンの動きが明らかに鈍り始めることは誰の目にも明らかなため、待機していたニンジャが調査にやって来る危険性がある。

◉工房で受け取ったフロッピーに細工をして渡す。このフロッピーディスクの中身はドラグーンの照準補正システムの改良バージョンが収められている。別のUNIX端末を拝借するなどして、難易度:HARDのハッキング判定に成功すると、これをデタラメに書き換えることができる。

これに成功するとドラグーンは「攻撃集中」が使用できなくなり、基本射撃難易度がHARDとなる。一方でドラグーンの動きが明らかに鈍り始めることは誰の目にも明らかなため、待機していたニンジャが調査にやって来る危険性がある。

◉オペレーターからIDカードをスリ取る。この部屋のオペレーターやエンジニアが所持するIDカードは先の新人エンジニアよりも上級の権限を有している。難易度:HARDの【ワザマエ】判定に成功するとこれに気が付かれずに済むが、失敗した場合そのスタッフは警備員(オナタカミ・トルーパー)を呼ぼうとする。

◉ウィルス入りフロッピーを読み取り待機ボックスに紛れ込ませる。この部屋には工房から持ち込まれるドラグーンのシステムアップデート用のホットフィックス用フロッピーを入れておく為の箱が用意されている。彼らは順にそこからフロッピーを引っ張り出し、特に確認もせずUNIXコンソールに読み込ませる。この順番を調整することで、潜入チームは最も都合の良いタイミングでドラグーンの制御乗っ取り(脱出手段の手配)を発生させられる。

これを行うことで、脱出手段の目的①・②は自動的に達成される。
また特に判定は不要である。


⑦~⑧:データセンター(サーバー室)

オブシダンめいた黒いUNIXサーバーが所狭しとそびえ立ち、青いLED光を明滅させている。この中に目当てのデータが集積されているはずだ。

データーセンターの入り口は装甲隔壁化された扉に守られている。ハッキングやワザマエ判定による解除を試みることはできるが、失敗すれば警報が鳴り響き、任務が即座に失敗となることは言うまでもない。

NMは上記のリスクがあることをPLへ必ず説明し、適切な権限のIDカードがあればこの場所にアクセスできることを伝える。制御室でスリ取れるIDカードであれば十分な権限を有している。


この場所では誰かがIRC端末(もしくは生体LAN端子)をUNIXサーバーにLAN直結し、専用のウィルス入りフロッピーを挿入することでクラッキングが開始される。この作業の完了には少なくとも3ターンが掛かる。

NMはこのターン数を自由に設定して構わないが、目安としては陽動チームがボス戦の前座(シデムシなど)を倒し終えるタイミングが望ましい。増援のドラグーンをPOPさせつつ、潜入チームのPLには陽動チームの味方として機能するモーターヤブやドクロを操作させるのが良いだろう。

事前に制御室でフロッピーの仕込みを行っていた場合、クラックが完了したタイミングで格納庫のドラグーンが制御を乗っ取られ、勝手に動き始める。脱出の時間だ。

◇オナタカミの機密データ
このデータセンターにどのような情報が保管されているのかはNM次第だが、状況に応じて次のようなキーワードが直結IRC端末のログに流れるとしても構わない。

・ナノカラテエンジン
・ミボウジン
・ナイミツ
・カラビツ


◇観測室(北)

「観測室」とされているが、厳密には中央のヘッドクォーターから空中通路で連結された別の高層ビルが、潜入マップ北側に存在する。この場所にはどうやっても入ることは出来ない。NMはこの部屋を都合の良いNPCの待機ポイントとして活用して構わない。

  • 例えばここにはアマクダリ・セクトのニンジャたち(アルバレストやブラックオニキス、場合によってはハタモト・エージェントの2人)がオナタカミ・トルーパーを伴って、戦闘演習の様子を俯瞰している。

また起動可能なシデムシが同じ高層ビルのどこかに格納されており、状況に応じて建物の内部や外部へと展開される可能性がある。


◇観測室(南)

「観測室」とされているが、厳密には中央のヘッドクォーターから空中通路で連結された別の高層ビルが、潜入マップ南側にも存在する。アクセスには上級権限のIDカードが必要。

本来は中央部から「観測室」まで空中連結通路を通り抜けたり、他の部屋へと繋がる扉やエレベーターが存在したりしているが、NMは細かいことを気にせずに自動的にこの場所までPCを導くと良い。

ただしこの場所はPCたちの目的地ではなく、無理に突入すれば戦闘は免れず、そうなれば本来の目的を果たせなくなるであろうことは忘れてはならない。NMはニンジャソウル存在感などを伝え、警告すること。


PCが訪れたとき、この場所には最低でも4人のキャラクターが存在しており、戦場を見下ろせる全面強化ガラス窓や監視モニターで実験場の戦闘を観戦している。

・オナタカミ専務
・ディスメンバメント(オナタカミ護衛ニンジャ)
・メイライ重役(シロウ・イスヒ)
・アクセルカタナ(メイライ護衛)

状況に応じて、ここには全身を装甲で覆った武装サラリマンが何人か控えていることにしても構わない。NMは、彼らの中にアマクダリ・セクトのニンジャが紛れており、有事には装甲を外してPOPするものとして扱う。

待機している可能性のあるニンジャは、「観測室(北)」で記載したようなアマクダリ・アクシスの手練である。

◇アクセルカタナ(ニンジャ)

アクセルカタナが『ブレイン・ウォーフェア』で爆発四散していなかった場合、下記のような強化版のデータで再登場する。

◆アクセルカタナ(種別:ニンジャ)
カラテ     6  体力     6
ニューロン   6  精神力    6
ワザマエ    10  脚力     7/E
ジツ      0  万札     10
精密攻撃D:11、射撃D:10、回避D:12
◇装備やスキル
 武器  :『サイバーカタナ(プラズマカタナ)』、『バクチク・グレネード』
 サイバネ:『▶︎テッコLv1』、『▶︎生体LAN端子Lv1』
      『▶︎ヒキャクLv1』、『▷ブースターカラテ・ユニット』
 スキル :『◉常人の三倍の脚力』、『◉滅多斬り』

『サイバーカタナ(プラズマカタナ)』:近接武器、2ダメージ(1+電磁1)、攻撃難度HARD、電磁貫通
 
『電磁貫通』:
  手番「攻撃フェイズ」の開始時に使用を宣言できる(戦闘スタイルではない)。
  このフェイズ中、この武器の『近接攻撃』は、「1+電磁D3ダメージ」かつ『装甲貫通D3』となるが、
  連続攻撃上限2となる。シナリオ中1回限りの使用(リチャージ2)。

『●戦闘スタイル:アクセル・ツジギリ』:
 【ワザマエ】判定により『◉滅多斬り』の各種戦闘スタイルが使用可能になる。
 また攻撃フェイズ終了時、『ツジギリ』のように任意の方向に1マスだけ移動できる。

◇アクセルカタナ(概念蘇生)

爆発四散した「アクセルカタナ」が再登場するとき、それは『概念蘇生ニンジャ』と呼ばれる存在と化している。彼らは本来のニンジャが持っていたニューロン記憶バックアップで上書き洗脳された重サイバネのモータルであり、PCがかつて遭遇したニンジャとは全くの別人である。

そのため、アクセルカタナにはPCと交戦した記憶こそ無い(PC遭遇前の記憶バックアップが用いられているため)ものの、そのパーソナリティは過去に遭遇したそれと全く同じとなる。

なお『概念蘇生』において、素体と大本の存在について、性別や年齢が一致するかどうかは一切考慮されていない。現在のアクセルカタナは、その外見的な装備こそ全く同じだが、スペイシー・ボイスに隠された声色は異なり、装備の下は痩せた女性のモータルを素体としている。


この場所でアクセルカタナ及びメイライ社が侵入者であるPCと戦う道理はなく、彼らもまた速やかに撤収する。ただし『オペレイシヨン・ペーパークリップ』で回収されたコスモクライムがもたらした情報から、PC全員の数と戦闘スタイルを把握しているアクセルカタナは潜入チームの可能性も事前に予期している。

TIPS:『概念蘇生』したアクセルカタナは女性のモータルを素体としているが、全身をサイバースーツで覆い、エフェクトの掛かったスペーシーボイスで話すため、PCは性別を識別できない。伴って、NMも「彼・彼女」と性別を断定するような表現は一切避けなくてはならない。

概念蘇生したアクセルカタナの性別が明かされるのは、そして概念蘇生の性質が詳らかとなるのは、彼女との決着がつくその瞬間、その素顔が暴かれるその時である。そしてそれは、このシナリオより後に発生することが望ましい。

「お前にふさわしい死をくれてやる」「脆い身体だ。イラつくな」

◆アクセルカタナ(種別:モータル、重サイバネ)
カラテ     2  体力     7
ニューロン   7  精神力    6
ワザマエ    6  脚力     5/E
ジツ      -  万札     10
近接攻撃D:5、射撃D:7、回避D:6(HARD)
◇装備やスキル
 装備  :『カラテ伝導ファイバースーツ(タクティカル・ニンジャスーツ)』
      『フルフェイスメンポ』
 サイバネ:『▶︎▶︎▶︎テッコLv3』、『▶︎生体LAN端子Lv1』、『▶︎ヒキャクLv1』
 スキル :『●サイバネ適性』、『◉常人の三倍の脚力』、『◉滅多斬り』、『◉連続側転』
      『◉ツジギリ』、『◉トライアングル・リープ』

『サイバーカタナ』:特殊近接武器、ダメージ1、電磁ショック1

『メイライ社製カスタムオートハンドガン』:
 遠隔武器、拳銃、連射3、時間差、マルチターゲット、ダメージ1

『▶︎▶︎アクセル・フレーム』:
 【体力】+3、【精神力】+2、『連続攻撃+1』。

『●戦闘スタイル:アクセル・ジツ』:
 【精神力】を2消費して使用。痛打なし。
 すべての攻撃が「回避難易度:HARD」の「●ヒサツ・ワザ:ムーンシャドウ」となる。
 使用者は手番終了時に発動回数分だけD2のダメージを受ける。

◇NPCデータ:武装サラリマン

◆武装サラリマン (種別:モータル/バイオ生物/ヤクザ)
カラテ     2  体力     4
ニューロン   2  精神力    1
ワザマエ    3  脚力     2
ジツ      -  万札     1
近接攻撃D:2、射撃D:5
◇装備や特記事項
 装備 :ケンドーアーマー(射撃ダイス+2、【体力】+2)

 ショットガン:『遠隔武器』、『小銃』、『連射3』、『ダメージ1』


シーン2:大脱出

機密データの吸い出しを完了し、プロモーションを妨害したうえでドラグーンの制御乗っ取りに成功すれば、あとは速やかに実験場から脱出するまでだ。陽動/潜入チームの両方が目的を達成したタイミングで壁に仕掛けられた爆弾が起爆し、南側の壁に脱出経路である大穴が開く。

陽動チームは脱出経路に近い南側のセクションへ、潜入チームも南側エレベーターホールへと向かおうとするだろう。このとき、それぞれのチームでボス戦イベントを発生させる。


ボスイベント:陽動チーム

その時「イヤーッ!」「ピガーッ!」KRAAASH!!高層ビルから落下した白金の影が、空中から打ち下ろすカワラ割りパンチでモータードクロの頭部を破壊!そのまま崩れ落ちるロボ・ニンジャを踏みつけ、アイサツを繰り出した。「ドーモ。ドラゴンベインです」

脱出に向けて移動しようとする陽動チームの前には、アマクダリ・アクシスのニンジャが立ちはだかる。これは前述の「ニンジャ警戒度」に応じて決定しても構わないし、NMがストーリーテリング上出現させたいニンジャを選択しても構わない。しかし何れにせよ、戦力が二手に別れた状態では撃退が困難な手練のニンジャが現れることだろう。PCが非常に強力な場合、同時に数体のハイタカをPOPさせても良い。

オナタカミが格納庫ドラグーンの不審な挙動に気がついてから、PC全員分のドラグーンが指定ポイントに到着するまで、それぞれ3ターン程度のタイムラグが有る。

NMは「相手は逃走を容易には許さない手練である」ことを伝え、「脱出用のドラグーンが到着するまで3ターン耐える必要がある」と耐久戦の火蓋が落とされたことを宣言すること。


◇NPCデータ:ドラゴンベイン

ここで登場する可能性が高い、最も強力な敵はドラゴンベインである。ドラゴンベインは恐るべきツラナイテタオスを持たず、圧倒的な素手のカラテをもってして、立ちはだかる敵から順に叩き潰す。

実際の彼は戦術眼に優れているが、この場では最も近いPCのうち、最も厄介だと判断したPCを優先的に狙う。これは場を荒らし回っているエージェントたちの実力を一通り図りたいという意図もある。

「滅びよ」 /// 「相手にとって不足なし」

◆ドラゴンベイン (種別:ニンジャ)
カラテ    15  体力   27
ニューロン  7   精神力  13
ワザマエ   8   脚力   6/E
ジツ     5   万札   30

攻撃/射撃/機先/電脳  15/8/7/7
回避/精密/側転/発動  15/8/8/12

◇装備や特記事項
 **業物の西洋鎧甲冑一式** (【体力】+12、【脚力】-2、反映済み)

 『●連続攻撃3』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、『◉常人の3倍の脚力』、
 『◉不屈の精神』、『◉忠誠心:アマクダリ』x3、『◉マーク・オブ・アマクダリ』
 『◉鉄拳』、『◉トライアングル・リープ』


◇NPCデータ:ブラックオニキス

ここで登場する可能性の高い、2番目に強力な敵はアクシスの精鋭であるブラックオニキスである。

ブラックオニキスは戦闘で追い詰められた場合、ステルス機構の発動による撤退を優先し、PCは少なくとも2回は彼とカラテを交えることとなる。

「なんとしぶとい」/// 「ジ・エンドだ!」

◆ブラックオニキス(種別:ニンジャ)
カラテ     12  体力    12
ニューロン   7   精神力   7
ワザマエ    10  脚力    7/E
ジツ      0   万札    25
近接攻撃D:12、射撃D:12、回避D:12
◇装備やスキル
 スキル  :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
       『◉◉タツジン:イアイドー』、『◉ツジギリ』、『◉常人の三倍の脚力』
 サイバネ :『▶サイバネアイLv1』
 装備   :『ニンジャソード(カタナ)』

『ブレードガントレットx2』:
 特殊近接武器、内蔵型、攻撃難易度+1、連続攻撃+1、回避難易度HARD、サツバツ発生なし

『インタラプト防御』:
 隣接する味方が攻撃対象となったとき、【ワザマエ】HARDで判定。
 成功した場合、攻撃者の続く攻撃フェイズにおける攻撃対象を強制的に自身へと変更させる。
 1ターンに1回までの使用。

『●ステルスニンジャ装束』:
 シナリオ中1回まで『☆ステルス・ジツ』及び『★ステルス・アンブッシュ』を使用できる。
 このとき発動判定は不要となる。


◇NPCデータ:ハイタカ

◆ハイタカ  (種別:戦闘兵器、クローンヤクザ*)
カラテ    2  体力   4
ニューロン  2  精神力  –
ワザマエ   3  脚力   6(飛行のみ)
ジツ     –  万札   2
攻撃/射撃/機先/電脳  -/4/2/4

◇装備や特記事項
 ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
 小型マシンガン: 銃器、連射3、ダメージ1

『◉飛行移動』:ハイタカは常に6マスの『飛行移動』を行う。

*『クローンヤクザ生体脳』:
  ハイタカは精神攻撃系のジツに対しては「クローンヤクザ」とみなされる(モータルではない)。
  そのジツが【精神力】ダメージを与えるものだった場合、【体力】ダメージに読み替えられる(軽減不可)。
  このルールはジツに対してのみ有効であり、精神攻撃系のスキルは対象外である。


ボスイベント:潜入チーム

「社会見学は楽しかったか?そろそろ来ると思ってたぜ」エレベーター前で待ち構えていたニンジャが腕組みをとき、アイサツした。「ドーモ。アルバレストです」その両腕には、ボウガンと一体化した奇妙なブレーサーが装着されている。エレベーターはLED照明を落とし、動作停止していた。

来た時と同様のルートで脱出を試みるとき、南側エレベーターホールではアマクダリ・アクシスのニンジャが潜入チームを待ち受けている。陽動チームと同様、ここで現れるボスキャラクターは任意で決定して構わないが、潜入チームは孤立無援の状態に置かれているということを忘れてはならない。

エレベーターという脱出路を塞がれた今、残された手段は南側観測室の窓を突き破って飛び降りることだ。NMは「残された脱出路は観測室の窓」であることを伝え、「着地予想ポイントに脱出用のドラグーンが到着するまで3ターン耐える必要がある」と耐久戦の火蓋が落とされたことを宣言すること。

◇観測室へ向かう

潜入チームはエレベーターホールで戦闘を続けてもいいが、観測室まで撤退し、そこで耐久戦を試みても構わない。大体の場合、PCがここに辿り着く時点でオナタカミ及びメイライの重役(シロウ・イスヒ)は見切りをつけ、護衛ニンジャと共に屋上のヘリポートへと移動している。

この場所ではケンドー装甲服に身を包んだオナタカミ・トルーパーやハイタカが上記のボスに加勢したり、装甲を脱落させた他のボスニンジャがPOPする可能性がある。

 サンドウルフをチョップで瞬殺した武装サラリマンが立ち上がり、着脱機構で一瞬にして全身の装甲を外した。中から現れたのは豹頭を意匠化した白金色のフルメンポ、白金色の装束を着たニンジャだ。「ドーモ。ドラゴンベインです」

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より


◇NPCデータ:スワッシュバックラー

ここで登場する可能性が高い、最も強力な敵はスワッシュバックラーである。スワッシュバックラーはまずケンドー装甲服を纏う武装サラリマンの姿のまま、横をすり抜けようとするPCへ稲妻のような剣戟で襲いかかってくる。その後、装甲を脱落させ姿をあらわすと、PCの実力を試しながらなるべく1対1の状況に持ち込めるように立ち回る。

「なかなか油断のならぬ奴よな」 /// 「ごきげんよう、さようなら!」

◆スワッシュバックラー (種別:ニンジャ)
カラテ    7   体力   10
ニューロン  7   精神力   11
ワザマエ   15  脚力   8/N
ジツ     3   万札   30

攻撃/射撃/機先/電脳  7/15/7/7
回避/精密/側転/発動  15/15/15/-

◇装備や特記事項
 刺突剣(カタナとみなす)
 『●連続攻撃2』、『●連射3』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
 『◉忠誠心:アマクダリ』x3、『◉マーク・オブ・アマクダリ』、
 『◉電光石火』、『◉バック転回避』、『◉殺人剣』、
 『◉◉タツジン(イアイドー)』、『◉ヒサツ・ワザ:タイノサキ』、
 『◉針の穴』、『◉連続精密刺突』

『◉戦闘スタイル:連続精密刺突』:
 『●連続攻撃5』となり、【ワザマエ】で『近接攻撃判定』を行う。
 ターゲット敵1体固定。1発につきダメージ1固定(『エンハンス』『サツバツ!』『痛打』全て不可)。
 敵はこの攻撃に対し『カウンター不能』。 

『◉戦闘スタイル:針の穴』:
 装備する剣の切っ先にカラテエンハンスの力を凝集させるとともに、
 敵の装甲継ぎ目など、わずか数ミリ四方のウィークポイントを狙って、高速の突きを繰り出す。
 攻撃開始前に【精神力】を1消費し、『針の穴』の使用を宣言すること。
 ターゲット敵1体固定。【ワザマエ】で『近接攻撃判定』を行う。
 『ダメージ1』、『痛打+1』、『回避難易度:HARD』、『装甲貫通1』


◇NPCデータ:ディスメンバメント

観測室のオナタカミ専務は忠実な企業ニンジャ、ディスメンバメントによって守られている。「ニンジャ警戒度」が一定以上に膨れ上がった段階で専務とディスメンバメントはヘリポートから脱出するため、基本的にPCと遭遇することはない。

もし襲撃を受けるような事態になれば、ディスメンバメントは専務への攻撃防御に専念しながら撤退を優先して行動する。(下記ステータスはPCとの直接戦闘を想定しておらず、あまり強力な攻撃手段が用意されていない。必要な場合は各パーツを遠隔武器のように使えるなど、キネシス・ジツを参考にした攻撃系のジツを持たせると良い。)

「奥ゆかしいですな」「ルートを確保した。急ぎます」

◆ディスメンバメント(種別:ニンジャ、重サイバネ)
カラテ     5  体力     9
ニューロン   6  精神力    8
ワザマエ    4  脚力     3
ジツ      4  万札     10
近接攻撃D:6、射撃D:8、回避D:9
◇装備やスキル
 サイバネ :『▶︎▶︎生体LAN端子Lv2』、『▶︎サイバネアイLv1』、『▷全方位監視アイ』
       『▶▶クロームハートLv2』
 スキル  :『◉銃弾の見切り』、『◉◉忠誠心:オナタカミ』、『◉重サイバネ化』
 武器   :『LAN直結型ハンドガンx2(銃弾の反射や内蔵型の武器を再現する)』

『☆ロクビ・ジツ』:
 自身の身体を四肢・頭部・胴体の6つのパーツに分離し、浮遊させる。
 移動フェイズ開始時に【精神力】1を消費し、難易度:NORMALで発動を試みる(瞬時)。
 発動した場合、術者への『近接攻撃判定』/『射撃判定』は難易度+1となるが、
 術者は近接攻撃が行えなくなる。この効果は【ジツ】値に等しいターンだけ持続する。

『★ロクビ防御』:
 『☆ロクビ・ジツ』発動中、手番終了時に【精神力】2を消費して発動(NORMAL、瞬時)。
 術者中心の3x3範囲内の味方は、「射撃」「範囲攻撃」「爆発」に対する『ダメージ軽減1』を得る。
 術者は手番終了時に、この効果対象のうち1人を重点防御対象に選択し、その1人に対してのみ
 『ダメージ軽減1』の代わりに『ダメージ軽減2』を与えても良い。


◇NPCデータ:アルバレスト

ここで登場する可能性の高い、2番目に強力な敵はアクシスの手練であるアルバレストである。ブラックオニキスよりは1段劣る強さではあるものの、持久戦・撤退戦となるこのイクサにおいては非常に相性が良いステータスとなっているため、NMはアルバレストを使って積極的に攻撃を仕掛けることで終盤戦の緊張感を高めることができる。

「チッ、死に損ない共がよォ」「ほざけーッ!」

◆アルバレスト(種別:ニンジャ)
カラテ     7   体力     7
ニューロン   7   精神力    7
ワザマエ    10   脚力     6/N
ジツ      3   万札     25
近接攻撃D:7、射撃D:14、回避D:13
◇装備やスキル
 スキル  :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
       『☆ヤギ・ニンジャクラン(射撃D+3)』、『◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック』
       『◉スリケン乱射』、『◉シャープシューター』
 装備   :『アクシス正式装束(回避D+3)』

『*スリケンボウガン・ブレーサーx2*』:
 素手、スリケン、二挺拳銃、連射+1、ダメージ1、本人の連射、時間差、マルチターゲットを使用。
 ※『スリケン乱射』と併用可能、かつ「連射+」の効果が累積される。

『◉◉タツジン:フタツイシユミテ・ドー』:
 圧倒的な手数で敵を封殺する、遠近の戦闘スタイルを兼ね合わせた失伝カラテ。
 「スリケン」種別を持つ武器を使用する場合に限り、次の効果が適用される。

 ・隣接している敵に対して射撃が可能となる。
 ・次の以下のスタイルとワザを使用できる。

  『●射撃スタイル:防御的スリケン投擲』:
    ターゲット敵1体固定。次の手番開始時まで、
    攻撃対象からのあらゆる攻撃の回避難易度が-1される。

  『●射撃スタイル:誘い込み』:
    ターゲット敵1体固定。対象は次の手番終了フェイズまで「不覚状態」となり、
    次の移動フェイズで必ず移動を試みなくてはならない。

  『●戦闘スタイル:オートマチック・ピストルカラテ』:
    タツジン:ミリタリーカラテと同様。


結末

去っていくニンジャたちの背後。大量のドラグーンに阻まれ、立ち往生した一機のドラグーンの背にステルス状態を解除してニンジャが出現した。

「なんとしぶとい」そのニンジャ、ブラックオニキスは顔をしかめた。その隣にドラゴンベインが着地し、汚染ドラグーンの頭部を踏み潰す。「追いますか?」「……」ドラゴンベインはかぶりを振った。

「……は」あれらとは再び相まみえることになるだろう。それも、近い内に。ブラックオニキスの戦士としての本能が、そう伝えていた。

それぞれのチームがボス戦闘を3ターン以上生き延び、脱出地点に到着した時点で、このシナリオは完了となる。敵はそれ以上彼らを追っては来ない。


エピローグ

NMはシナリオ終了後、次のようなショートエピソードを開示し、シナリオの背景で起こっている出来事を描く。これにより、何かニンジャスレイヤー・トリロジーとは異なる展開が起こり始めていることが明白となる。

中立的な立場の湾岸警備隊、ハーヴェスターはソウカイヤにアマクダリとブラックサイト勢力の情報をリークしつつ、部下のカメレオンを使って官房長官の抱き込みを画策している。一方でブラックサイト勢力はというと、ニンジャエージェント(カメヤマ=ドラゴングラス)を送り込み、アマクダリの官房長官への接触を妨害しつつ、シンマキ・ソウキュウ(ビクター)を介してカラカミ・ノシトの懐柔に着手している。

【トコロザワ・ピラー|天守閣】
白い髪と凶悪かつ豪壮な黄金メンポ、ダブルのスーツの帝王、すなわちこのトコロザワ・ピラーに居を構えるネコソギファンド社主、ソウカイ・シンジケートの首魁……ラオモト・カンは、ワイングラスを口元へ運ぶと、手元にある極薄型の液晶モニタに注目した。

モニタ越しに眼帯の男がサケ焼けしたガラガラ声でアイサツした。白髪交じりの長髪で、ミリタリーニンジャコート。この眼帯の男は電子戦争を生き残った退役軍人であり、湾岸警備隊を経て、現在は国防軍の顧問にある。ハーヴェスターだ。

「ドーモ、ケイノウ=サン。隠居の身にしては随分猛っておるではないか」「最近、吾輩にも愉快な仕事が回ってきましてな。なに、誰も彼も戦いたくて仕方ないのです……特需が生まれますぞ!」

「ムッハハハハ!イクサは良い!カネを産む!げに、勝ちイクサはな」帝王はギロリと睨んだ。その眼力は並のニンジャをして失禁せしめる威圧力をもつ「戦闘はビジネス同じだ。ロマンなど不要。最終的に、俺様の懐にカネが入るかだけが重要なのだ」

「その通り!実に吾輩、そのお考えには常々感銘を受けております」物怖じせずに言うハーヴェスターの目と口元には、隠しようのないウォーモンガーじみた笑みがこびりついている。「して、ラオモト=サンのビジネスの障害となりうる例の羽虫の件で、少しお耳に入れておきたいことがありましてな」

【カスミガセキ・ジグラット|官房長官室前】
「どうしました?ヨモミ=サン」書類を手に、何気ない動作で部屋へ踏み入ろうとしたオーエルの背後から声をかけたのは、先程まで影も形もなかった官房長官のSPエージェント、カメヤマである。

「エット、頼まれた資料をお持ちしまして……」「ああ、国防軍関係の」カメヤマはいつの間にか書類の1枚をつまみ上げており、それを見て嘆息した。スーツに隠れるその片腕は、極めて滑らかに動作する、オブシダンめいた美しい装飾の施されたサイバネティクスだ。

「官房長官は会議中だ。僕が預かりますよ」「エット、でも……」「書類の事前チェックも僕の仕事なんですよ。戻られるまでに、改めておきたい」カメヤマは困ったような表情で肩をすくめた。

「それなら……オネガイシマス」一瞬、両者の無感動的な視線が交差した後、ヨモミは諦めたように書類をカメヤマに手渡した。ゾッとするほど冷たいサイバネへ僅かに指が触れた。

(((全く、クソみたいな仕事だな)))カメヤマは立ち去るヨモミの背中を、ニンジャ性を伺わせる酷薄な眼で見つめながら、通し番号4の書類を"腕"で握りつぶした。


角を曲がったヨモミ……あるいは湾岸警備隊のカメレオンの口元は、苛立ちに小さく歪んでいた。(((忌々しいSP共。いつか、殺してやる)))彼女は昂ぶる精神を落ち着けようと、モージョーめいて己のネイルを眺める。それはいつの間にか「天下」の印が描かれたネイルにすり替わっていた。

【カラカミビル|最上階】
カラカミ・ファンド社本拠。カラカミビル最上階の暗いボーディング・ルームでは、暗黒投資家たちを集めた秘密カンファレンスが開始されていた。スクリーンの前でカリスマ性溢れるプレゼンを行うのは、ヤッピーめいたスーツの男。

彼の名は、青年実業家カラカミ・ノシト。天才的なデイトレードと投資プレゼンの才能を持ち、「誰にでも勝利のチャンスがある」と説く彼は、過剰なメディア露出パフォーマンスで瞬く間に若きサラリマンたちの経済イコンとなった。現在ではNSTV社をはじめとするメディア各社、そしてネコソギ・ファンド社の筆頭株主である。

「市場はフェアだ。誰にでも勝利チャンスがある。……つい先程まではね」モニタに映る株価チャートでは、上昇を続けていたオナタカミ社が急落し、片や勢いを盛り返し始めたオムラ社の株価と逆転現象を起こしていた。「だが洪水で方舟はもう出航した。皆さんで満席だ」ノシトは自信に満ちた身振りで追加投資プレゼンを行う。

「そしてこの方舟には……あのシンマキ=サンも乗っている!」彼が仰々しく指して見せる席には、洒落たスーツを着込んだ伊達男が座っていた。シンマキ・ソウキュウとは、特定の界隈に与せず、金儲けではなく市場の大番狂わせを愉しむことで知られる、不気味な暗黒投資家である。

そんな彼が、カラカミ・ノシトと手を組んでいる?些か虚無的な雰囲気を湛える彼は、周囲のどよめきに小さく手を挙げて応えた。「実際、今回のビッグディールの裏には彼の的確なアドヴァイスがあった。ありがとう、シンマキ=サン」

「ノシト君の才能に惹かれた。それだけだよ。そして、これまでは私だけだったが……」キャバァーン!彼が言葉を切ると、カラカミ・ファンドに決断的な追加投資が行われた。「これからは"我々"が市場をコントロールする」

「如何です」ノシトは自身に満ちた表情で暗黒投資家たちを見た。「なるほど!」「説得力!」日本有数の暗黒投資家たちが入金を開始する。シンマキは心底愉快そうな表情でその様子を眺め、机の下でスリケンを弄んだ。


◇報酬(PC1人あたり)

基本報酬:万札30、余暇4日

※撃破したキャラクターの所持万札は除く。
 調整したい場合、所持万札のドロップを無しにして想定獲得分を基本報酬に加算する。
◇名声
 ・増加なし(他シナリオで成果が振るわず、十分な数字でない場合は+して調整する)


補足コメント

『クロスボウ(The Crossbow)』は第2次世界大戦における、米英によるドイツ・ナチスの長距離爆撃ミサイル計画の調査・妨害計画のコードネームであり、後に映画などの影響で『クロスボウ作戦』として知られるようになりました。

実施時期の関係上、CIAや前身のOSSは全く関与していない作戦となるわけですが、『オペレイシヨン・クロスボウ』では「あくまでもこのシナリオはサブストーリーである」ということを明確化するため、あえてこの作戦名をタイトルとしてお借りしています。

なお元々のプロットでは「オペレイシヨン・マタドール」においてPCがハタモト・エージェントと遭遇しつつ、オナタカミ社とも激しい戦闘を繰り広げ、面識と因縁が芽生えることを想定していたため、このシナリオはプロット上存在しておらず、想定されていた要素を回収しながら物語全体が唐突すぎる展開にならないよう『オペレイシヨン・クロスボウ』が急遽サブストーリーとして設定されたという背景があります。

本来、『フォールス・ウインター』キャンペーンは7~8話程度の長さで検討されており、各シナリオはどちらかというとプレイヤーキャラクターたちの活躍のダイジェスト的な要素が強く、終盤に到達するまでは物語としての連続性が薄いものでした。しかしながら、本作「オペレイシヨン・クロスボウ」を挿入して物語を補間したことを契機に、これ以降も全体的に物語の連続性を意識したシナリオ構成へと推移していくこととなります。


「オペレイシヨン・クロスボウ」のシナリオ全体構成としてはそれほど元の作戦をオマージュした内容にはなっておらず、「危険な新兵器を開発しているオナタカミ(そしてその恩恵を得ようとするメイライ=ドイツ・ナチス)の計画を妨害し、情報を盗み出す」という目的と構図だけが共通しています。

また現実の「クロスボウ作戦」は成功したとは言い難い結果に終わりましたが、「オペレイシヨン・クロスボウ」ではPCの活躍に応じてオナタカミそしてメイライ社は少なからずその有り様に影響を受けることになるでしょう。


付録:シナリオ分岐メモ&新旧プロット対比

フォールス・ウインターCPはざっくり書き出すと上記のような分岐構造になっている

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