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【NJRPG/プレイエイド】DIYトレジャーボックス・オブ・ニンジャ:ベンター

この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG」のルールセットに対応した、AoSセッティング(あるいはトリロジーセッティング)で使用できるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)のデータや設定情報を収録するものです。

様式については【ソウルワイヤード・マガジン】で公開されている【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】に倣っており、過去にPC(プレイヤーキャラクター)として使用されていたニンジャについて、NPCとして使用できるよう調整をした内容となっています。


ベンター//Ventar

ベンターはAoM(エイジ・オブ・マッポーカリプス)においてミハル・オプティ社のベルリン支部に勤める社員であり、修士課程を修めた光工学設計士でもある。彼女はソウル憑依の奇妙な影響により、眼球を除く全身が、光を反射せずほぼ完全に吸収する"黒い"特性を得た。

この奇妙な性質は衣服や武器など、接触した物体を覆うよう一時的に伝播してしまうため、傍からは彼女の簡単な所作でさえもシルエットとして捉えることしかできない。それは錯視を引き起こし、例えばイクサにおいては実際に攻撃が命中する瞬間まで、ベンターが何をしようとしているのか正確に認識することを極めて困難となっている。

その暗殺者めいた特性に反して、技術者であるベンターが前線に立つことは基本的にない。やむを得ない状況下において初めて、彼女は自ら設計した特殊な光学照準器とジツの助けを得た、光反射めいた不可解な跳弾射撃によりしぶしぶ "最低限の自衛" を行う。


光工学技士としてのキャリアと人生の窮地

ベンターのミハル社でのキャリアは極めて平凡なものであり、技術開発部の所属という点以外に特筆すべき事柄はない。対テロ特殊部隊員の父と服飾デザイナーの母という妙な取り合わせの、しかし比較的裕福な両親のもとに生まれた彼女は、これといった苦労を経験しないままミハル社の末席に滑り込んだ。

そんな彼女が人生で初めて明確な窮地に陥ったのは、前触れのないディセンションにより、体質の変化が生じたときであった。ある日の朝以来、触れたものが突然「黒く」変化してしまうようになったことで、彼女はミハル社の通常業務をこなすことはおろか、日常生活にも支障をきたし、決して短くない期間そのニンジャソウルに振り回された。

体質変化のささやかな対価として、ベンターは「光」に対する半ば直感めいた感覚の鋭敏さを身につけたが、一連の経験は彼女に多大なストレスを与え、結果"ニンジャソウル"そのものへの忌避・嫌悪という形で遺恨を残すこととなる。

異形の外見を持つニンジャに対して:ベンターは忌避感を抱き、なるべく関わりを持たないよう距離を取る。否応なしに接点を持つ機会があると、怖がりながらも徐々に同情的な態度を見せるようになる。

危険な/不気味なジツを操るニンジャに対して:一度そのジツを目撃すると、怯えて周囲に居着かないようになる。


跳弾するピストルカラテ

その臆病な性格に反し、ベンターは父の熱心な手解きによってモータル時代から拳銃の扱いに習熟している。現在の彼女は不釣り合いに大口径のリボルバー拳銃を自衛用の得物として携行し、いざとなれば実戦的な特殊部隊式のCQBと奇妙なジツを組み合わせ「視認困難な」「不可解に反射する」独特な射撃スタイルによる自衛行為を行う。

彼女の"黒い"性質は、いわば光を吸収するネガティヴなカラテ・エンハンスメントのエネルギー皮膜であり、侵食したものにキネシスめいて干渉する。これがある程度まで弾丸の挙動を操るため、彼女の射撃は鏡に囲まれたレーザーめいた不自然な跳弾で敵を襲うのである。

このエンハンス侵食は着弾点にも広がってゆくため、イクサが長引くほどにベンターの姿は捉えづらくなり、また侵食面を反射板とした複雑怪奇な連続反射跳弾が襲いくるようになるなど、極めて攻撃的なものだ。

だが元来臆病な性格はそもそも戦闘に向いておらず「下手に大きな怪我を負えば医療用サイバネティクスが"黒い"侵食により機能せず、永久的に身体能力を失うのではないか」という恐怖が彼女を争いの場から遠ざけている。

跳弾射撃(マエ/ヨコ):あらぬ方向を撃ちながら間合いに踏み込み、足技や肘打ちを繰り出す。その直前、跳弾が背後や左右の死角から襲いかかる。

跳弾射撃(ウシロ):自身の背後を撃ち、反動加速で間合いに飛び込む。その直前、跳弾がベンターを追い越し敵へ襲いかかる。

光学的乱跳弾射撃:対象を中心に、"黒い"侵食面を反射板として、鏡に囲まれたレーザーめいたありえない挙動で弾丸が乱反射を繰り返す。

イマジナリ生成弾装填:"黒い"侵食面からエテルで生成した弾丸をシリンダーへ吸い込むように再装填する。あちこちに予備の弾薬を仕込めるようなものだ。

カーボンチャフ・ボム:光吸収率99%のカーボンチューブ塗装箔をチャフ散布する奥の手。ベンターに対する敵の死角を増やす。


◇NPCデータ:ベンター

ここに収録されたデータは、何らかのトラブルにより実戦経験を否応なく積むことになり、ある程度戦闘に習熟した段階を想定したものとなる。憑依から間もない段階、あるいは実践経験が乏しい段階を再現する場合、【ワザマエ】を7〜8、【ジツ】を3〜4まで低下させると良い。

ベンターの"黒い"性質と跳弾射撃はゲン・ジツと「射撃反動回し蹴り」「タクティカル移動射撃」の組み合わせによって再現される。ゲン・ジツのマーカーは"黒い"エンハンス侵食として読み替えられ、原則として「戦闘スタイル」による近接攻撃は一切行わない。

「私は頭脳労働職だから、こうして安全な場所で温かいコーヒーとお菓子を用意して君を待っていても許されるんだなこれが」 /// 「銃?これは護身用。撃たなくても良いように君がいるんだからね。頼むよホント」

◆ベンター(種別:ニンジャ)
カラテ    6     体力   8
ニューロン  5     精神力  11
ワザマエ   10    脚力   5/-
ジツ     5     万札   -
近接D:6、射撃D:13(14)、発動D:11、回避D:11
◇装備や特記事項
 防具  :『テック・フルヘルム/ ニンジャブレーサー/ 伝統的礼装/ テックレガース』
 武器  :『49マグナムx2 + 赤外線レーザーサイト』、『ステルス・グレネード』
 
 スキル :『●連射2』、『◉◉グレーター級ソウルの力』、『★◉銃弾のエンハンス』
      『◉◉タツジン:マグナム・ピストルカラテ』、『◉ヒサツ・ワザ:サマーソルトキック』
      『◉ウィークポイント射撃』、『◉タクティカル移動射撃』

 ジツ  :『☆ゲン・ジツLv3』、『★イマジナリー・スリケン生成』、『★★牙を剥く幻影』

『*ミハル・カスタムドットサイト*』:
 ベンターがデザインし、マグナム銃による跳弾射撃向けにチューンした高性能照準器。
 この銃は出目【6,6】で『ヘッドショット』効果を得る(ウィークポイント射撃と累積される)。


◇NPCデータ:ベルベル(モータル)

AoSの世界観にベンターを登場させる場合、まだニンジャソウルが憑依していないミハル社のモータル社員として登場させることもできる。

彼女は純ドイツ人として"ベルベル"のモータルネームを持ち、ニンジャ筋力やジツこそないものの、小口径のリボルバー拳銃を護身用に携帯し、父親仕込みの特殊部隊式CQB戦闘術をモータルの範疇で扱うことができる。

モータルとして登場する場合、単なるモブか、最低限自衛可能な(しかし臆病な)護衛/抽出対象の役割を与えられているパターンが想定される。

◆ミハル・オプティ社員の"ベルベル"(種別:モータル)
カラテ    1     体力   2
ニューロン  4     精神力  5
ワザマエ   4     脚力   2/-
ジツ     -     万札   -
近接D:1、射撃D:4、回避D:4(HARD)
◇装備や特記事項
 防具  :『伝統的礼装 / 光学迷彩ローブ』
 武器  :『チャカガンx2』、『ステルス・グレネード』
 
 スキル :『◉ウィークポイント射撃』、『◉タクティカル移動射撃』、『◉疾駆』

『◉銃器習熟(拳銃)』:
  基礎射撃難易度「HARD」以上の拳銃の射撃難易度が-1される。
  また隣接マスの敵に対しても拳銃による射撃が可能となる。


ベンターとの遭遇

ベンター//ベルベルとは主にドイツで、あるいはミハル・オプティ社の事業所があるエリアであればどこでも遭遇する可能性がある。ただし、彼女は危険な地域や状況に踏み入ることは慎重に避けており、そうした状況で遭遇するのは彼女が予想外のトラブルに巻き込まれている場合がほとんどだ。

研究ラボ:ミハル社や関連施設の研究ラボで働いている彼女と遭遇する可能性がある。何らかの依頼で呼び出されるのか、あるいは彼女に光学テックのチューンナップを依頼しに訪れることがあるかもしれない。

景色の良いカフェ:彼女はストリートの角地や水辺の近くにあるような、見晴らしの良いカフェを気に入り通っている。暗い席ではウェイターに気付かれづらいため、基本的には日当たりの良い明るい席に座っている。

ショッピングエリア:オーガニック豆や焼き菓子を扱っているような食品店、あるいはショーウィンドウが立ち並ぶブランド店通りで買い物をする彼女を目撃する可能性がある。後者については、あまり不特定多数の他人から己の姿をジロジロと見られることを好まないため、大抵の場合は日が落ちてから通っている。


ベンターのユウジョウ/センパイ判定表

ベンターないしベルベルと協力的な立ち位置で遭遇した場合、あるいはミハル・オプティ社の所属である場合、それ以降いつでも彼女をユウジョウ/センパイ判定の対象にできる。

判定ダイスのボーナス:彼女は個人的な趣味としてコーヒーに凝っているため、関連する知識や嗜好のあるキャラは判定時に意気投合したものとしてダイスボーナスを+1〜2個得ることができる。

判定ダイスのペナルティ:そのキャラが極めて危険な / あるいは不気味なジツを有している場合、彼女はそれを怖がり積極的に関わろうとしないため、ダイスペナルティを-1~2個受けてしまう。

◆ユウジョウ/センパイ判定表:ベンター
最重視するパラメータ :【ニューロン】

親密度1:「やあ、いらっしゃい。コーヒーでも飲んでいくかな?」
 報酬:『◉知識:世間話』、「◉知識:美味しいコーヒーの淹れ方」

親密度2:「ニンジャは誰も彼も武闘派だらけでこわい。……君は妙なジツを使わないだろうね」
 報酬:『◉知識:サラリマンの流儀』、『◉タクティカル移動射撃』

親密度3:「私のカラダは光の99.995%を吸収する。オマケに触れているモノもそうなるから、
      ご覧の通り真っ黒なのだ。……好奇心は満たされたかな?」
 報酬:『◉知識:光工学』、『◉交渉:駆け引き』、『★◉銃弾のエンハンス』
◆ユウジョウ/センパイ判定表:ベルベル
最重視するパラメータ :【ニューロン】

親密度1:「ニンジャも難儀だね。否応なしに荒事が天職になるわけだから」
 報酬:『◉知識:世間話』、「◉知識:美味しいコーヒーの淹れ方」

親密度2:「銃は扱えるけど撃つのが好きなわけじゃないんだよ。ワカル?」
 報酬:『◉知識:サラリマンの流儀』、『◉タクティカル移動射撃』

親密度3:「ニンジャに? 君には悪いけど、私は成りたくないかな。外に興味はないからね」
 報酬:『◉知識:光工学』、『◉交渉:駆け引き』、『◉ウィークポイント射撃』


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