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【NJRPG-2ND/シナリオ】オイル・ステンド・カーネイジ

あらすじ:反オムラ会合はヤナマンチ社の裏切りにより瓦解した!押し寄せるオムラ戦力を前に、オナタカミの企業戦士たちは強行突破を強いられる。増援の到着も見込めぬ中、彼らは重役たちを護衛しての決死の脱出劇に挑む。

これは「ニンジャスレイヤーTRPG第2版」のシステムに対応した、ワンナイト・シナリオ記事です。通常のプレイでは数を埋め込むことに苦労するサイバネに焦点を当て、全身をクロームで強化した企業ニンジャとして派手なイクサに身を投じることができる戦闘重点の内容となっています。

プレイ人数:3名
所要時間:6時間(オンライン/テキストセッション)
舞台:AoS、ネオサイタマ
難易度:マスター級、爆発四散可能性あり
    ▶
28ptの特殊スクラッチビルドによる新規作成キャラクター向け
参考エピソード:【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】

『第二回シナリオコン』応募作のため、
インスパイア元として参考エピソードを記載しています。

はじめに

このシナリオにおいて、PCはオナタカミ・コーポレーションに所属する企業ニンジャとなり、護衛として反オムラ会合へと秘密裏に参加する。AoS(エイジ・オブ・ソウカイヤ)セッティングにおけるオナタカミ社は既にオムラ社を離反しているため、このシナリオで彼らは不満を持つオムラの下請け企業に対する引き抜き工作を行っていることになる。

しかし【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】と同様に、その背後ではヤナマンチ社による裏切りが進行しており、オムラ社の襲撃によって会合はめちゃくちゃにされてしまう。"万が一のために"潜入させられていたPCの任務は、オムラ社による苛烈な襲撃を切り抜け、自社の専務を無事に難局から脱出させることだ。

AoSならではのアレンジとして、オナタカミはアマクダリ・セクトと同調関係にあり力をつけているため、イッキ・ウチコワシの力を必要としていない。またドラゴン・ユカノはスターゲイザー傘下のアクシスとなっており、ザイバツも容易に手を出せないことから(今のところ)ニンジャスレイヤーが積極的に介入してくることもない。

つまり、オナタカミ社がなまじ力を持った立ち位置であることから、PCは外的要因をあまり期待できない状況下において、独力でトラブルに対応する必要があるのがこのシナリオのキモとなっている。

反オムラ会合:AoSにおいて既にオムラから離反しているオナタカミが主導する会合。不満を持つオムラの下請け企業の離反工作が狙いである。マトモ電器、ニッキキ・コープ、ヤマミ鋼材、サブリ化学、そしてヤナマンチが参加しているが、ヤナマンチはオムラに通じており情報をリークさせた裏切り者だ。


タイムキーピングの目安(参考)

このシナリオをマスターとしてプレイするにあたって、各シーンにおける所要時間の参考となる目安は以下の通りである(オンライン・テキストセッションを想定)。

導入     : 60分程度
シーン1   : 30分程度
シーン2  : 60分程度(3ターン固定)
シーン3  : 90分程度
シーン4  : 90分程度(3ターン固定)

※ネブカドネザル戦は特殊な処理の説明が必要であり
 ダイス判定も増加しがちなので多めに時間を見積もること。


キャラクターの作成について

このシナリオ向けのPCは、28ポイントスクラッチビルドをベースとした専用のルールで作成することになる。自由度は低いものの、企業ニンジャとしてサイバネティクスを大量に埋め込むことができるため、通常のビルドルールより一段階強くなる。

すべてのプレイヤーは次のルールに従って、新たにオナタカミ・エレクトロニクスに所属する企業ニンジャを作成すること。


  • PCは28ポイントスクラッチビルドによって新規作成する。以下に記載されているのは、ビルドルールの変更点である。

  • 『◉忠誠心:オナタカミ』を強制的に得る。

    • 効果は『◉忠誠心:オムラ』と同様。
       

  • 任意のスキルを◉シンボル2つ分まで無料で獲得しても良い。

  • 任意のサイバネを無料で枠限界まで埋め込んでも良い(最大9点まで)。

    • バイオサイバネは不可。通常の基部サイバネもLv3が上限となる。

    • βサイバネ』のデータ採用が推奨される。

  • 【万札】80 の代わりに【万札】30 が配布される。

    • 【万札】を用いたスキル習得は◉シンボル2つ分が上限となる。

    • ローンは使用できない。

TIPS:『◉◉グレーター級ソウルの力』のように「自動的に取得してもよい」などと記載されている任意の自動取得系のスキルも通常通り万札の消費が必要になる。

例えば『◉重サイバネ化』は強制獲得のためコスト不要だが、『ハッカー系ソウル』の【ジツ】値に応じたジツスキルの獲得は任意なのでコストが必要となる。


マップデータ

このシナリオで使用するマップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。


導入

とてつもない震動を伴った破砕音……何かが反オムラ会合の開かれるショッピングモールに突入したのだ。恐るべき質量を持つ何かが。「アイエエエエエ!?」ヤマミ鋼材の跡取りがコタツを飛び出し、狼狽えて周囲を見渡した。

「何?どこから?コワイ!」KABOOOM!さらに轟音、そして震動!「下からだ」オナタカミ専務が言った。「上空は旧キルゾーン時代の対空迎撃設備が生きている」「襲撃か?」とサブリ化学CEO。

「誰の責任だ!こんな簡単にバレて!」ニッキキ役員が血相を変えて言った。「オムラだろ?襲撃だろう!」「アイエエエ絶対そうです!だから僕は最初から反対しましたよね?」ヤマミ鋼材の跡取りが言った。

一瞬のうちに、反オムラ会合の会場たるショッピングモール17階は恐慌状態に陥った!

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より一部引用

このシナリオはオナタカミが主導する反オムラ会合の現場に、何者かが襲撃を仕掛けてきたシーン描写から始まる。上記の描写を終えたら、マスターは時間を巻き戻し、次のようなダンゴウのシーンを演出すること。


……その、しばし前!
オナタカミ社のディスメンバメントは、本社洋上要塞にてサイバネの最終メンテナンスを受ける3人のニンジャ……すなわち君たちを前に、護衛主任として今宵の任務のブリーフィングを行っていた。

「諸君。既に機密データで確認済みかと思うが、今晩開催される "反オムラ会合" に裏切り者が紛れ込んでいることが判明した」見慣れないビジネススーツの女を連れたディスメンバメントが概要を淡々と述べ始める。

「だが、それが誰なのかは分からない。そのため、我々はこの機に色々とハッキリさせる。予定通り会合を開催し、裏切り者を燻し出し、物事をシンプルにする」


「そして今回、任務にはサイデン・マルティネス最高顧問が直々にご推薦の彼女が同行する」「ドーモ、アマクダリ・セクトのネペンテスです。ヨロシク」彼の言葉に促され、スーツの女がアイサツする。どこか奇妙なアトモスフィアのニンジャだ。

「君たちには彼女と共に、変装して会合へと参加してもらう。ただし、任務は重役の護衛だ。どこかの段階で裏切り者が事を起こし、場合によってはオムラを手引するだろう。そこを潜伏していた君たちが叩く!」

ここではオナタカミ社が何者かが裏切ることや、オムラ社の襲撃が発生する可能性を事前に掴んでいることが明らかとなる。そのうえで、PCの任務が襲撃への対処と重役の護衛であることが伝えられる。

さらにアマクダリ・セクトからはネペンテスが任務の協力者として同行する。ディスメンバメントと異なり、彼女は実際の戦闘でPCと並び立って戦うことになるため、ここでコミュニケーションを取る時間を設けても良いだろう。

TIPS:PCはアマクダリ・セクトの存在を知っていても、知らなくても構わない。しかし、オナタカミとアマクダリが協力関係(あるいは支配関係)にあることは知らないとするのが適切だろう。


◇NPCデータ:ネペンテス

このシナリオにおいて、記憶喪失状態のドラゴン・ユカノはアマクダリ・セクトのエージェントとして「ネペンテス」を名乗っている。彼女はストリートの悪意や危険な側面を知り、社会を浄化し平準化しようとするアマクダリやオナタカミと出逢うことで、その思想に感化されたのだ。伴って、そのパーソナリティも通常よりやや成熟したものとなっている。

現在の彼女はスターゲイザー配下のアマクダリ・アクシスとして活動しているため、ほとんどオナタカミ社の企業ニンジャのようなものだが、このシナリオにおいてはアマクダリ・セクトからの出向者のように扱われる。

「君、もっと集中しないと。死ぬよ?」 /// 「……これより任務を遂行。全ての障害を排除します」

◆ネペンテス (種別:ニンジャ/リアルニンジャ)
カラテ    5  体力   9
ニューロン  7  精神力  8
ワザマエ   9  脚力   5/N
ジツ     0  万札   20

攻撃/射撃/機先/電脳  5/11/7/7
回避/精密/側転/発動  9/9/9/-
緊急回避ダイス:1

◇装備や特記事項
 武器  :『可変式ナガユミ(装備時のみ側転難易度+2, 脚力-1)』
      『パルスダガー』
 防具  :『近代的タクティカルニンジャ装束一式』
 サイバネ:『▶生体LAN端子Lv1』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●マルチターゲット』、『●時間差』
      『◉トライアングル・リープ』、『◉ランスキック』、『◉忠誠心:アマクダリ』
      『◉タクティカル移動射撃』、『◉頭上からの死』、『◉◉タツジン:ユミ・ドー』
      『◉ペネトレイター』、『◉交渉:超然』、『◉交渉:誘惑』

『●弱点:浮世離れ』
 記憶を失う前のネペンテスは、長らく人里離れた山奥でドージョーを営んできた。
 このため、UNIXやIRCなどの最新テックを用いたあらゆる判定時に、ダイス個数が半分となる。


再び現在

――「行くぞブルージュッテ!僕を逃がせ!」ヤマミ鋼材の跡取りが自社ニンジャに命ずる。「イエッサー、グワーッ!」ブルージュッテは上司を守るべく飛び出そうとした。その背中にカタナが突き刺さり、胸から切っ先が飛び出した。

「シューッ」アンブッシュをしかけた黄色のニンジャは、同様に警護にあたっていた企業ニンジャ!「イヤーッ!」「イヤーッ!」繰り出された飛び蹴りをディスメンバメントは回し蹴りで受け、ガード!「貴様ら……ヤナマンチ?」さらに周囲のモールから飛び出す武装サラリマン!

「裏切りか?ヤナマンチの!」「最初からこんな会合にアレしていません。裏切りとは人聞きが悪いですよ!」食って掛かるサブリ化学CEOに、ヤナマンチ役員は冷淡に返す。「貴様ーッ!」

「アバーッ!」「グワーッ!?」「アバーッ!?」警護ニンジャ達はヤナマンチのニンジャのアンブッシュを受けて次々に絶命、爆発四散!「「「サヨナラ!」」」ヤナマンチのニンジャは五人もいる。さらに武装サラリマン達がアサルトライフルで出席役員達をホールドアップさせる!

では、オナタカミ社の忠実なるニンジャである君たちはこの非常時に、一体どこで何をしているというのか!?その答えはすぐに分かる。護衛主任、ディスメンバメントはシャナイヒ回線を用い、密かに指示を出した。

同時に、3人の武装サラリマン……否、武装サラリマンに変装した君たちは行動を開始する!

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より一部引用

ダンゴウの後、シーンは再び現在へと戻り、裏切ったヤナマンチ社のアンブッシュによって、反オムラ会合が制圧されてしまうシーンから始まる。PCはこの場に居ないかのように描写されるが、実際には周辺を取り囲む(あるいはホールドアップさせられる)ケンドー装甲服を着た武装サラリマンの中に変装した状態で紛れ込んでいる。

マスターはプレイヤーに自由な方法で敵のニンジャ(すなわちサンドウルフ、スティングレイ、バンケット)を爆発四散させ、変装を解いて突然に登場するシーンを自由に描写させること。

このとき、オナタカミ専務の秘書に変装していたネペンテスも姿を現し、役員を拘束していた他の武装サラリマンを殺害する。

「私の助けは不要だったかな」いつの間にか役員を拘束していた他の武装サラリマンは全滅。その傍らに立つオナタカミ秘書がビジネススーツを脱ぎ捨てると、そこには圧着式ボディスーツに身を包むニンジャの姿があった!


シーン1:オムラ襲来!

「何?」ヤナマンチ役員はパチパチと瞬きした。「何?ニンジャナンデ?」「何者かが裏切りを企てていることは掴んでいた。故に、備えていたのだ」ディスメンバメントの言葉に、ヤナマンチ役員はたじろぐ。

「フ、フフ……貴方、備えていたから何だと言うのです!」その時!KABOOOM!ひときわ大きな轟音と共に、天井を突き破りモーターヤブが出現!「早期に反抗の種を摘み、オムラとウィンウィンだ!」この混乱に乗じ、ヤナマンチ専務は護衛ニンジャと共に逃亡!天井からは次々と戦闘兵器に武装サラリマンが現れる!

PCとネペンテスのアンブッシュにより、ヤナマンチ社の戦力は総崩れになる。残当の始末も一瞬でケリが付くかと思いきや、ヤナマンチ社の手引きによるオムラ社の襲撃が発生し、状況は再び混沌に陥る。

ヤナマンチ役員はこの隙に乗じて護衛ニンジャ2人を連れて逃げ出してしまうが、PCたちは押し寄せるモーターヤブと、ケンドー型装甲服を纏うヤナマンチ兵への対処を強いられる。

オナタカミの企業戦士たるPCはこのシーンの間、オムラ戦力を押し返しながら前進し、用意された物資搬入用のリフト・エレベーターという脱出ルートへと強行突破を行うことになる。

「屋上からヘリで脱出を図ります」ディスメンバメントは通路を先導しながら一同に説明した。「階下は実際危険だ。安全のため、物資運搬用のリフトエレベータで移動しましょう」

「私の部下が先行し、このフロアの侵入敵を排除。ルートを確保します」ディスメンバメントは君たちにリフトまでの経路をIRC送信する。ここまでの安全を確保するのが、次なる君たちの仕事だ。

「脱出時のみ、高射砲による自動迎撃システムを一時的にオフにします」ディスメンバメントはオナタカミ専務を見た。専務は頷いた。「当然、許可する」


戦闘処理(簡略化されたギミック戦闘)

このシーンでは特殊なギミック判定による、マップを使用しない、簡略化された戦闘処理を行うことになる。マスターは以下のギミック戦闘を3ターン分繰り返し処理する。

  • 一度戦闘が始まると、毎ターン開始時には「オムラ社武装社員」が12人(PC人数×4)、「モーターヤブ」が6体(PC人数×2)POPする。

  • 手番が回ってきたPCは、本来の行動の代わりに、後述のギミック判定のどちらかを選択して判定を行い、結果に応じてPOPした敵の数を減らすことができる。

  • PC全員の手番が終わると、生き残った敵NPCからPCへと自動的に特殊なダメージが発生する。詳細は次の通りである。

     オムラ社武装社員:生き残った人数分だけ、ショットガン射撃による1ダメージ(回避EASY)が発生する。これは『時間差』であり、PC全員へと均等に攻撃が割り振られる。

     モーターヤブ:PC全員へガトリング掃射による1ダメージ(回避HARD)が発生する。これは『時間差』である。

◆オムラ社武装社員を排除する(ギミック判定)
判定と難易度:【カラテ】もしくは【ワザマエ】判定、HARD
 制限:2ターン連続で同じ能力値で判定を行うと難易度が+1される。

判定に成功した場合:成功したダイス数だけ「オムラ社武装社員」の数を減らすことができる。

出目【6】を含み成功した場合:出目【6】の数だけ、「オムラ社武装社員
」の代わりに「モーターヤブ」の数を減らすことができる。

例えば2ターン連続で【カラテ】判定を行うと、2回目は判定難易度がU-HARDとなる。


◆モーターヤブを排除する(ギミック判定)
判定と難易度:【カラテ】もしくは【ニューロン】判定、NORMAL
 制限:2ターン連続で同じ能力値で判定を行うと難易度が+1される。

判定に成功した場合:成功したダイス数の半分(端数切り上げ)だけ「モーターヤブ」の数を減らすことができる。

出目【6,6】を含み成功した場合:成功したダイス数だけ「モーターヤブ」の数を減らすことができる。

武装社員とヤブの判定はそれぞれ別とみなされる。

例えば2ターン連続で【カラテ】判定を行う場合でも、
武装社員→ヤブと判定すればペナルティは受けない。


◇難易度の調整

1ターン毎のPOP数がかなり多く設定されているため、このギミック戦闘ではターンが重なるほどに大量の敵がPCに攻撃を浴びせかけるようになることが想定される。

状況によってはそれなりにピンチに陥ることも考えられるため、マスターは必要に応じて次のようなオプションを採用して難易度を調整することができる。

*ネペンテスが炸裂矢による支援射撃を行う:このターンに限り、ネペンテスが【ワザマエ】を用いてギミック判定に参加する。

*敵のPOP数に上限を設ける:敵がPOPする上限数を予め決定しておき、それを超過しそうになった場合、新たにPOPする人数を減少させる。


シーン2:ヤナマンチ再び

ディスメンバメントがパネルを操作すると、重苦しい唸りを立てて、リフトエレベーターに通じるゲートがゆっくりと上昇を開始した。しかし、肝心のエレベーターが到着するには暫しの時間を要する。

ガッシ!ガッシ!ガッシ!ガッシ!逆関節歩行音が接近してくる。「第二波が来た!やれやれって感じね」ネペンテスが言った。

「ドーモ!モーターヤブ改善は賢く強い」「ドーモ!モーターヤブ改善は賢く強い」「ドーモ!モーターヤブ改善は賢く強い」「ドーモ!モーターヤブ改善は賢く強い」三方向から視界内へモーターヤブ改善がエントリーする!

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より一部引用

一行はオムラ戦力を蹴散らしながら、ディスメンバメントの誘導のもと、ヘリポートへと繋がる物資搬入用のエレベーターへと到着する。しかし、エレベーターが上層から現在フロアまで到着するには幾らかの時間を要する。

その間にもオムラ戦力の第二波が押し寄せ、さらには彼らと合流したヤナマンチ戦力がPCらに襲い来る。ディスメンバメントが専務らを守っている間に、PCとネペンテスは敵を始末しなくてはならない。


戦闘マップ

オナタカミ&ヤナマンチとの戦闘では「エレベーター前」の戦闘マップを使用する。マスターはマップ上の「白い◉マーク」上にPCとネペンテスを配置させてから、戦闘を開始する。

この戦闘では7体のモーターヤブ改善に加え、ヤナマンチ社のニンジャであるクレイモーンとシーパンサー、そしてオムラ社のインフェルノが敵NPCとしてマップにPOPする。いずれのNPCにも弱点が用意されているため、マスターはNPCデータの確認をプレイヤーに促すと良い。

また複数名のニンジャとロボニンジャが入り乱れるこの戦闘においては、乱戦のルールが適用される。

戦闘の勝利条件:敵NPCを全員殺害する。もしくは3ターンが経過した(エレベーターが到着した)後、資材搬入用エレベーターにPC全員が到達する。


◇NPCデータ:モーターヤブ改善

モーターヤブ改善はマップ上に7体もPOPするが、実際には単なるギミック・オブジェクトとして運用する(攻撃対象にできない)。実際に敵NPCとして戦闘を行わせたい場合のみ、後述のNPCデータを使用すること。

ガトリングガン掃射:この戦闘において、モーターヤブ改善は単なるダメージギミックとなり、直接攻撃を行うことはできない。代わりに、モーターヤブ改善はイニシアチブ順が回ってくると、合計機体数に関わらず、全PCに1ダメージ(回避HARD)の銃撃を1回だけ浴びせてくる。

◆モーターヤブ改善 (種別:戦闘兵器)
カラテ    6  体力   12
ニューロン  3  精神力  -
ワザマエ   6  脚力   2
ジツ     –  万札   -
近接D:6、射撃D:6
			
◇装備や特記事項
 ショック・サスマタ  : テック近接武器、ダメージ2(1+電磁1)
 ガトリングガン・アーム: 銃器、連射6、ダメージ1、バースト2x2、射撃難易度:NORMAL

『●射撃スタイル:銃弾の雨1』:
  通常の射撃(連射6)かこの射撃スタイルか、どちらか片方をターンごとに選択する。
   このスタイルは、視線が通っている3x3の範囲に対して自動的に1ダメージを与える(回避:HARD)。

『●移動スタイル:飛行移動(8マス)』:
 背部に増設されたジェットパックにより飛行移動する。

『●弱点部位の熟知』:
 オナタカミのニンジャたちはこのロボニンジャの弱点部を熟知し、効率的に破壊する事ができる。
 出目【6,6】を含む攻撃は追加の2ダメージを、【6,6,6】を含む攻撃は追加の4ダメージを与える。
 ※この追加ダメージは、「攻撃フェイズ」終了時にまとめて与えられる。


◇NPCデータ:インフェルノ

オムラ社のニンジャ。このシーンに登場する敵NPCの中では最も強いが、火力はそれほど高くない。自爆装置による2D3ダメージ(回避UH)を持つことには注意が必要となる(場合によっては爆発四散させないほうが安全だ)。

「ドーモ!汚らしい革命家諸君!」モーターヤブ改善の後ろから、鉄板で補強されたニンジャ装束を着たニンジャが進み出てアイサツした。「オムラ・インダストリの極めて優秀なニンジャ、インフェルノです」

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より
◆インフェルノ(種別:ニンジャ)
カラテ    7   体力   11
ニューロン  7   精神力  9
ワザマエ   9   脚力   5/N
ジツ     3   万札   -
近接D:9、射撃D:10、回避D:7
◇装備や特記事項
 サイバネ:『▶生体LAN端子Lv1』、『▶▶クロームハートLv2』、『▷自爆装置』、『▶テッコLv1』
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●時間差』、『●マルチターゲット』
      『◉シャープシューター』、『◉憎悪:オナタカミ』、『◉忠誠心:オムラ』
      『◉重サイバネ化』、『●脆弱性:電磁1』、『☆カトン・ジツ』

『▷▷防弾フレーム』:
 ・回避ダイス-3個、連続側転ダイス-3個、【脚力】-1。
 ・実際に状態異常中でない限り『●ダメージ軽減1』を得る。
  ・「状態異常とみなす」効果はこの条件を満たさない。

『▷内蔵型カトン・フレイムスロワー』:
 銃器、小銃、火炎放射器、内蔵型、範囲攻撃(カトンLV1相当)、射撃NORMAL、連射2、時間差
 
 『●焼却重点』:射撃時【6,6,6】で『回避難易度+1』。

『●弱点:装甲の隙間』:
 「サツバツ!」を受けるとき、その付属効果を無視する代わりに『崩れ状態』となる。


◇NPCデータ:シーパンサー

◆シーパンサー(種別:ニンジャ)
カラテ    5   体力   7
ニューロン  4   精神力  5
ワザマエ   6   脚力   4/E
ジツ     0   万札   -
近接D:6、射撃D:5、回避D:7
◇装備や特記事項
 防具   :『タクティカルスーツ(体力+1)』
 サイバネ :『▶テッコLv1』
 スキル  :『◉常人の三倍の脚力』、『◉滅多突き』、『◉忠誠心:ヤナマンチ(体力, 精神力+1)』

『▷サイバネクロー』:
 外付け近接武器、1ダメージ、EASY、連続攻撃上限2、エンハンス可能
 「カタナ」が持つ戦闘スタイル2種類(強攻撃/精密攻撃)を使用できる。

『●弱点:二流ニンジャ』:
 このニンジャは出目【6,6】を含む攻撃は回避することができない。


◇NPCデータ:クレイモーン

◆クレイモーン(種別:ニンジャ)
カラテ    6   体力   10
ニューロン  4   精神力  5
ワザマエ   4   脚力   3/H
ジツ     0   万札   -
近接D:6、射撃D:6、回避D:6
◇装備や特記事項
 武器 :『大剣(チェーンソー)』
 防具 :『ヘヴィニンジャアーマー(体力+3)』
 スキル:『◉滅多斬り』、『◉疾駆』、『◉忠誠心:ヤナマンチ(体力, 精神力+1)』

『●弱点:二流ニンジャ』:
 このニンジャは出目【6,6】を含む攻撃は回避することができない。


物資補給

次のシーンへと進む前に、PCはエレベーターに積載されていた物資によってリソースを補給することができる。【体力】と【精神力】、『緊急回避ダイス』と『即応ダイス』、そして各種サイバネやテック武器の「リチャージ」もすべてが最大値まで再充填されるものとして構わない。


シーン3:陽炎に霞む巨大なシルエット

「屋上……だ!」ディスメンバメントが分離した身体を戻し、上を見上げた。リフトのパネルを操作すると、頭上に迫り来るハッチが開き、曇天の光が差した!

「なんだ、この音は」サブリ化学のCEOが眉をひそめた。屋上ヘリポートに鳴り響く轟音。オナタカミ専務が周囲を見渡す。この建造物を囲むように、等間隔で地上から生えたキョート風の細い五重塔……それらの瓦屋根が割れ、中から迫り出した無骨な高射砲が、上空めがけて激しく砲撃をかけているのだ。「これは」

「迎撃システム。上から来ているのだ」ディスメンバメントが言う「バカな奴らだ。システムは高射砲だけではない。大量の地対空ミサイルによる迎撃もあります。ご覧なさい」彼ははるか上空を指差した。マグロツェッペリンとおぼしき航空機の影が、燃える煙の軌跡を空に描きながら遠くへ落ちてゆく。

落ちてゆくツェッペリンめがけ、さらに無数のミサイルが蛇めいた尾を引き、貪欲なピラーニャのごとく追いすがる。ナムアミダブツ! 「ヘリを出しました。あちらへ」ディスメンバメントが促す。ヘリポートの床が開き、大型の装甲輸送ヘリがせり上がってくる。

ネペンテスは落ちてゆくツェッペリンをもう一度振り返った。小さな影が、ツェッペリンから飛び出したように見えた。彼女は目を凝らした。幻覚では無い。「なにかが来る!」「迎撃させる!だから……なに?なんだと?」

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より

第二波を切り抜け、急上昇するエレベーターでヘリポートへと到着する一行。高射砲と対空ミサイルが激しく攻撃を仕掛ける一方で、ヘリコプターへと搭乗しようと移動を開始するも、そこにネブカドネザルが飛来する。

ディスメンバメントは護衛としてヘリコプターに乗り込み、PCとネペンテスは恐るべきニンジャ、ネブカドネザルをなんとか足止めして彼らを脱出させなくてはならない。


戦闘マップ

「ネブカドネザル」はマップ上の画像をコマとして操作する。

この戦闘では「屋上ヘリポート」の戦闘マップを使用する。マスターはPCを「初期配置エリア」に配置させてから、戦闘を開始する。この戦闘ではPCの他に、ボスNPCであるネブカドネザルと、護衛対象である重役の搭乗するヘリコプターがマップに配置される。

  • ヘリコプターは毎ターン終了時に難易度NORMALの「脱出判定」をダイス10個で行い、成功数の合計が15に到達した時点でマップからの脱出に成功する(期待値上は3ターンで脱出できる)

  • ただしネブカドネザルがヘリコプターへと攻撃を行った場合、発生したダメージ分だけ、次に行う「脱出判定」のダイス数が減少してしまうため注意が必要だ。

ネブカドネザルからヘリコプターを守る方法については、次のNPCデータのセクションにて述べられる。

戦闘の勝利条件:重役たちが搭乗するヘリがマップから脱出する。


◇NPCデータ:ネブカドネザル

ゴウランガ!一体いかなる事か?弧を描いて空中を旋回する飛行物体にミサイルが到達しようとするが、なぜか爆発せずにそのまま消えてしまうように見える。高射砲の弾丸もやはり同じだ。実際、飛行物体は迎撃などどこふく風……この屋上ヘリポートへ、接近してくる!

「ドーモ。ネブカドネザルです」陽炎に霞む巨大なシルエット……恐るべき背部アーマーを装着した鋼鉄ニンジャがアイサツした。全ての者たちが一瞬、固唾を飲んだ。「アーッ!」ヤマミ鋼材の跡取りが風圧で床を転がった。オナタカミ専務が叫んだ。「オムラだ!奴をやれ!皆殺しになるぞ!」

「あなた方のアイサツは省略します」ジャキン!音を立て、ネブカドネザルが両肩のキャノン砲と両腕アーマーのミサイルランチャーを展開した。「とりあえず重要対象を除く者達を全滅させます。当然ながら降伏は認めない」

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より

このシナリオにおけるネブカドネザルは、通常のキャラクターとは異なる挙動の特殊なボスキャラクターとなる。ネブカドネザルに関する詳細なルールは次の通りである。

◉このシーンにおいて、ネブカドネザル本体を攻撃対象としたり、【体力】を減らすことは一切できない(無敵である)。

◉ネブカドネザルが装備する大量の銃火器は、それぞれが固有の【体力】を持ち、本体の代わりに、それらを攻撃ターゲットにすることができる。

 ◎銃火器は本体の『ダメージ軽減2』の効果対象外であり、ダメージを全く軽減しない。この例外は『●電磁バリア展開』の効果である。

◉銃火器は単に『戦闘兵器』とみなされ、あらゆる攻撃を回避できない。ただし『●脆弱性』の影響は受けない。

◉【体力】0になった銃火器は使用不可の状態となる(可動部の破壊などにより展開不能となる)。


◉ネブカドネザルは直前のターンに(銃火器が受けたダメージの合計÷6)人(端数切り捨て)までのPCを攻撃する。PCを攻撃してなお余った攻撃フェイズがある場合、その攻撃対象はヘリコプターとなる。

 
◉ヘリコプターが攻撃対象となったとき、PCの1人は「判定難易度+1」の状態で、自身の回避ダイスを用いて代わりに回避判定を試みても構わない。ただし、最終的に発生したダメージはヘリコプターが受けることになる。

細則1:「●轢殺攻撃X」で銃火器を攻撃する場合、Xの値に関わらず1つの銃火器にしかダメージを与えられない。これは「ネブカドネザル」を轢殺したダメージが銃火器に与えられているものとみなすためである。ただし、ネブカドネザル本体とのサイズ差は無視して構わない。

細則2:範囲攻撃や爆発で銃火器を攻撃する場合、複数の銃火器にダメージを与えられる可能性がある。

 それが3x3マスの効果範囲を持つ場合、中心点ダメージを与えた銃火器1機に加え、外周ダメージを別の銃火器1機に与えることができる。

 それが5x5マスの効果範囲を持つ場合、中心点ダメージを与えた銃火器1機に加え、外周ダメージを別の銃火器2機に与えることができる。

ネブカドネザル本体を滅ぼすことは極めて困難であり、PCは彼の武装を少しずつ破壊することで行動を制限し、活路を見出してゆくことになる。

「無意味な質問です。私はニンジャソウル憑依者であり、私の身体は機械です。私はオムラ・インダストリの所有物です」 /// 「オムラ!インダストリーッ!」

◆ネブカドネザル(種別:ニンジャ/戦闘兵器/大型4x4)
カラテ     10   体力     50/-2
ニューロン   17   精神力    -
ワザマエ    10   脚力     7/-
ジツ      0   万札     100
近接攻撃D:13(16)、射撃D:16(19)、回避D:22、イニシ:21、即応:5
◇装備やスキル
 スキル :『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●ニンジャ第六感』、『●時間差』
      『●マルチターゲット』、『●即死耐性』
      『◉重サイバネ化』、『◉戦闘兵器化』、『◉◉忠誠心:オムラ』
      『◉タクティカル移動射撃』、『◉空中制動』、『◉翻弄』、『◉ツジギリ』

 サイバネ:『▶︎▶︎▶︎テッコLv3』、『▶︎▶︎ヒキャクLv2』、『▶︎▶︎▶︎サイバネアイLv3』
      『▶︎▶︎▶︎▶︎生体LAN端子Lv4』、『▶▶クロームハートLv2』
      『▷▷ジェットパック・ユニット』、『▷脚部バーニア・ユニット』

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『**ネブカドネザル・フレーム&モーターツヨシ**』:
 ・『●移動スタイル:飛行移動(12マス)』を得る。
 ・『ダメージ軽減2』と『轢殺攻撃3』を得る。
 ・武器所持および装備ペナルティを全て無視する。
 ・大型(4x4)となる。
 ・精神攻撃の対象とならなくなる。
 ・能力値へのダメージを無効化し、『●即死耐性』によるダメージ変換を2d3まで軽減する。
 ・対電磁コーティングにより自身の『●脆弱性』を『●脆弱性:電磁(1)』まで軽減する。

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『●電磁バリア展開』:
  手番開始フェイズに即応ダイス1を支払い、ネブカドネザルの周囲に電磁バリアを展開する。
  電磁バリアは次の手番開始フェイズまで持続し、展開中は次の効果を得る。
  
 メリット:
  ・展開時、隣接するキャラは『電磁ダメージ2』を受ける(回避NORMAL)。
   さらに回避の有無に関わらず強制的に1マス後退させられる。
   遮蔽物や味方などで後退不可の場合、後退の代わりに『回避ダイスダメージ1』を受ける。
  
  ・ネブカドネザルのあらゆる銃火器が『●ダメージ軽減2』を得る。
  ・ネブカドネザルは『電磁属性ダメージ』を発生させる『★カラテバリア』の効果を得る。

 デメリット:
  ・「爆発」系のダメージを持つ武器および近接攻撃が使用不可となる。
  ・回避不可となる。ただし攻撃を受けたとき、瞬時にバリアを解除し回避を可能としても良い。

===========
『●武装パージ』:
  弾薬を使い切った/破損した銃火器を切り離し、機動性を向上させる。
 「攻撃フェイズ」終了時、使用した武器の残り使用回数が0の場合、瞬時の行動として、
  即座にその【体力】を0としても良い。代わりにネブカドネザルは即応ダイス1を得る。

『●移動スタイル:ブースト旋回』:
  ロケット噴射で短距離の高速移動を行う。ボディに衝突した相手は無事ではすまない。
  飛行移動(6マス)を行う。このとき『轢殺』の効果を「ダメージ2(回避HARD)」に強化する。
  対象は手番開始時まで『崩れ状態』になる代わりに、この回避難易度をNORMALとしても構わない。

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『●火器完全制御』:
  ネブカドネザルは1回の手番中に、射撃のみ可能な2回の「攻撃フェイズ」を得る。
  『集中状態』に限り、射撃難易度-1効果を諦める代わりに、これを3回に強化しても構わない。
  またこの一連のフェイズ中、同じ銃器を2回使用することはできない(x2を除く)。
『肩部内蔵型ミサイルポッドx2』:【体力】5 x 2機
  内蔵型、小銃、ランチャー、爆発(カトンLv2相当)、射撃HARD、連射4、時間差可、マルチ可
  >1機あたり、シナリオ中2回までの使用。リチャージ1。


『腕部内蔵型ミサイルランチャーx2』:【体力】5 x 2機
  内蔵型、小銃、ランチャー、爆発(カトンLv3相当)、射撃HARD、連射2、時間差可、マルチ可
  >1機あたり、シナリオ中2回までの使用。リチャージ1。


『腕部内蔵型重金属弾バルカン砲x2』:【体力】5 x 2機
  内蔵型、小銃、ダメージ2、装甲貫通1、射撃NORMAL、連射3、時間差可、バースト3x3
  >1機あたり、シナリオ中2回までの使用。リチャージ1。


『肩部内蔵型対人マルチプル機銃』:【体力】10
  内蔵型、小銃、ダメージ1、射撃EASY、連射6、●ヘッドショット、回避EASY、時間差可、マルチ可
  >1機あたり、シナリオ中2回までの使用。リチャージ1。


『腕部内蔵型オムラ・ガトリングガンx2』:【体力】10 x 2機
  内蔵型、重火器、ダメージ1、射撃NORMAL、連射6、時間差可、●バースト4x4、●銃弾の雨3
  >1機あたり、シナリオ中3回までの使用。リチャージ2。

 『●射撃スタイル:銃弾の雨3』:
  視線が通っている3x3の範囲に対して1ダメージを3回与える(回避HARD、時間差)
  さらに、この範囲はターン終了時まで『移動困難な地形』とみなされるようになる。


『アンタイ・ニンジャ・アサルトキャノンx2』:【体力】10 x 2機
  内蔵型、重火器、ダメージ2D3、射撃U-HARD、連射1、装甲貫通2、回避U-HARD
   射撃時に出目【6,6,6】でサツバツ!が発生する。

  >1機あたり、シナリオ中2回までの使用。リチャージ2。

 『●射撃スタイル:無差別砲撃』:
  この射撃は『連射2』、『射撃難易度HARD』、『回避難易度HARD』、『マルチ可』となる。
  ただし同じターゲットを2回射撃することはできない。


クリティカル・メーター(オプション)

この戦闘ではPCが「近接攻撃/射撃/ハッキング」のいずれかで出目【6】を出すたびに、その数だけ『クリティカル・メーター』のゲージが増加する。これは全PCで共通のリソースであり、蓄積されたゲージを消費することで、有益な効果を発生させることができる。

各PCは手番開始フェイズにおいて、上記で充填された"ゲージ"を消費して、次の効果のいずれかを発生させることができる(複数の効果を選択し、発生させても構わない)。

ポイント消費による効果(すべて使用した手番中のみ効果を発揮する)
 *4ポイント消費:すべての攻撃に装甲貫通1を得る(累積しない)
 *4ポイント消費:体力を2回復する
 *4ポイント消費:支援射撃が発生する(2ダメージ、装甲貫通2)
  ⇛ネペンテスによる対装甲炸裂矢の射撃とみなす。
 *4ポイント消費:2点分までサイバネをリチャージする
 *6ポイント消費:すべての攻撃に装甲貫通2を得る(累積しない)


シーン4:モーター兵器の脅威

ネブカドネザルの腕部から、赤熱震動する刃が展開!「モーターブレード充填完了です」ネブカドネザルがズシリズシリと足音を立て接近する。「モーターツヨシ、ジェネレーターに損傷無し。戦闘継続が可能です」両腕のモーターブレードが赤い軌跡を描く。

【ビガー・ケージズ、ロンガー・チェインズ】より

重役たちを載せたヘリコプターが脱出に成功すると、ネブカドネザルの攻撃ターゲットは否応なしにPCへと集中する。次なる目的はPCたちがこの場から脱出することだが、当然ネブカドネザルが易易と見逃してくれるわけもない。

ここでネペンテスは「考えがあるから暫く足止めしてくれ」と言い残し、止める間もなく先んじて戦線を離脱してしまう。何にせよ、PCは(彼女を信用するかどうかは別として)眼の前のネブカドネザルと再び決死のイクサを交えることになる。

戦闘の勝利条件:3ターンが経過する。もしくはネブカドネザル本体の【体力】に合計25点のダメージを与える。

解禁されるネブカドネザルの新たな武装

この戦闘において、ネブカドネザルには次の新たな武装と能力が追加される(大抵の場合、この時点で彼の銃火器はすべて破壊されているかアウトオブアモー状態になっているはずだ)。

これによりネブカドネザルが近接戦闘に特化したスタイルへと変化すると同時に、PCは彼本体を直接攻撃することが可能となる。

『赤熱モーターブレードx2』:
 大型テック近接武器、3ダメージ(1+痛打1+火炎1)、装甲貫通1、連続攻撃+1、攻撃難易度HARD

  『●戦闘スタイル:赤熱貫通』: シナリオ中1回までの使用。リチャージ2。
   この攻撃は『装甲貫通D3』を得る。敵がダメージ軽減を持たない場合、
   火炎ダメージボーナスを+1ではなく+D3に強化する。

  『●戦闘スタイル:切断攻撃』:
   集中状態のみ使用可能。【6,5】で『サツバツ!』発生。

=====
『胸部内蔵型ショットガン』:
  内蔵型、散弾、2ダメージ、連射2、時間差
  
  『●ショットガン接射』:
   【6,6】成功時、敵に2マスの『弾き飛ばし』を与える。
   【6,6,6】成功時は『痛打+1』『回避:HARD』となり、敵に4マスの『弾き飛ばし』を与える。

=====
『●近接戦闘モード』:
 ネブカドネザルは『●火器完全制御』の効果を失う代わりに、次の効果を得る。
  ・使用回数制限を無視し、常時『キリングマシーン』の効果を【体力】2消費のみで使用できる。
  ・回避ダイスの最大値が-4される(最終的な回避ダイス数は18となる)。

『●弱点:金属疲労』:
 試作型オムラニウム装甲は高Gカラテ負荷に加え、繰り返し攻撃を受け続けると防御性能が低下する。
 10点以上のダメージを軽減すると、次ターンの終了時まで一時的に『●ダメージ軽減1』へ弱体化する。


◇難易度の調整

グランドマスター級(成長限界級)など、シナリオ想定以上の強さのPCでこのシナリオに挑む場合、次のような強化オプションを採用してネブカドネザルを強化すること。

*ネブカドネザル本体の体力を100まで増加させる。
*各武装の体力を2~3倍に増加させる。
*『オムラニウム装甲』の許容軽減値を2倍に増加させる。

*ミサイルポッドなどによる各種爆発ダメージを+1する。
*ガトリングガンの基礎ダメージを2に強化する。
 *伴って、銃弾の雨のダメージも2に強化する。

*赤熱モーターブレードに『●戦闘スタイル:解体攻撃』を付与する。
*ショットガンの基本回避難易度をHARDに強化する。


エンディング

そのときである。君たちは、そしてネブカドネザルは、上空のオムラツェッペリン群から1機のキハダ級ライトクルーザーが隊列を外れ、落下を始めていることに気がついた。

落下?否。それは明確に、この屋上へと向けて急降下を開始していた。そして全員の第六感が理解する。そこからの敵意がネブカドネザルに向けられていることを!よもや、これがネペンテスの"打開策"か!?

「オムラ識別子の喪失を確認。迎撃します」BRATATATATATAT!ネブカドネザルはもはや君たちを相手にせず、胸部から展開した迎撃用の重金属弾バルカンによる対空砲火を開始する。

描写のサンプル

シーン4のクリア条件を満たすと、幾つかのイベント描写と簡単なギミック判定が発生する。ギミック判定の成否はシナリオクリアに何の影響も与えないが、イベント描写が若干変化する。

PCは全員が【カラテ】もしくは【ワザマエ】判定(HARD)を行う。全員の判定成功数の合計が12以上の場合、迎撃を試みるネブカドネザルへの集中攻撃で体勢を崩すことに成功し、キハダ級ライトクルーザーが直撃する。脱出のチャンスだ!

BOOM!BOOM!ネブカドネザルは背後からの猛攻を受け、各部から火花を噴き出し、よろめく。そして、それが決定的な一撃を与えるコンマ秒の隙となった。「不測事態です」ネブカドネザルは呟いた。KRAAAAASH!キハダ級ライトクルーザーが激突!

さしもの鋼鉄の怪物もおしまいか!?しかし、君たちの眼前では激突したツェッペリンの残骸を赤熱振動する刃が切り裂き、再び怪物がその姿を現そうとしている。オバケ!

一瞬遅れ、爆風に煽られるように再び姿を現したネペンテスが君たちの側に見事なウケミで着地する。「さあ君たち、今のうちに逃げよう。あんなのまともに相手をしていたらキリがない!」

判定成功時の描写のサンプル


一方で判定成功数の合計が12未満の場合、ネブカドネザルはキハダ級ライトクルーザーをモーターブレードで両断し、この奇襲に難なく対処してしまう。ネペンテスは捨て身のアンブッシュを試みるも、一行は窮地に陥ってしまう。そこにドラゴン・ユカノの行方を追っていたニンジャスレイヤーが介入してくるところでシナリオは終了する。

しかしネブカドネザル猛攻を物ともせずインプラントICで素早く計算、ツェッペリンの質量を回避できない可能性が99%以上の確率であると結論した。「事前対処、可能です」彼はバルカン砲撃を停止すると、モーターブレードの刃を再展開。

「イヤーッ!」KRAAAAASH!キハダ級ライトクルーザーが激突する瞬間、それは赤熱振動する致命的刃によって真っ二つに両断されていた!すわ、作戦は失敗か!?否!

「キエーッ!」ツェッペリンから一瞬早く飛び離れていたネペンテスのアンブッシュ!「グワーッ!」パルスダガーがネブカドネザルの背部アーマーの隙間にねじ込まれる。

「無視できないダメージです。対応が必要」「ンアーッ!?」再び電磁バリアが発生し、ネペンテスは君たちのもとへと弾き飛ばされる。万事休すか!?だが、そのときである「Wasshoi!」ネペンテスとネブカドネザルを遮るようにして赤黒の装束を着たニンジャが降り立ったのは!

判定失敗時の描写のサンプル


◇報酬(PC1人あたり)

基本報酬 :万札30、余暇4日
 

 +オナタカミ勲章授与
  一定の条件を満たしてクリアすると社内表彰され、全員に以下の追加報酬が与えられる。

  ※ただし、受け取るためには『◉忠誠心:オナタカミ』を強制的に1つ獲得する必要がある。
   既に2つ以上所持している場合は強制獲得が免除される。

  『オナタカミの盾』:脱出するヘリコプターに一切のダメージを与えずクリアした。
  『オナタカミの矛』:ネブカドネザル以外のオムラ戦力を全滅させてクリアした。
    ▶それぞれ万札+15

  『オナタカミの眼』:ネブカドネザルの武装すべてを破壊する。
    ▶任意の拡張サイバネ1つ(シンボルマーク1つまで)

  『オナタカミの決戦兵器』:
    ネブカドネザル本体に自力で25ダメージを与え、最後のギミック判定に成功する。
    ※支援射撃や、キリングマシーンによる消費分を除く。

    ▶任意の基本サイバネを1段階レベルアップしても良い。
     能力値が不足している場合、レベルアップに伴い最も高い能力値が1段階増加する。


謝辞

🤖SPECIAL THANKS:テストプレイ卓に参加頂いた皆さん:THE-MAKER=サン、ヒフミ=サン、飛餅=サン🤖


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