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イベントレポート|感染症時代の「自由」のつくりかた

今回のイベントでは、感染症時代に改めて「自由とはなにか?」という問いについて考えることで、各セクターで社会づくり・場作りを行っている方々の企画の指針になるような議論を目指しました。

どうすれば「自由」を社会に実装できるのか?
政治的な自由はどこまで制限されるべき?
「リモートワーク」「新しい生活様式」に本質的な自由はあるか?

などの問いに対して、各界で「自由」を社会に創出しているプレイヤーの方々をお招きしました。

<登壇者リスト>
林曉甫氏 
| NPO法人インビジブル 理事長
園利一郎氏| N高等学校 経験学習部 部長
室井舞花氏| ひきこもりUX会議 理事
林篤志  | Next Commons Lab

以下は、本イベントの企画・編集を担当した神明が、イベントを通じて心に残った/重要だと感じたポイントを列挙していきます。

感染症時代の「自由」のつくりかた の重要論点

| 1 |  
自由を支えるのは自立 0:47:56
自由とは個々人の自立があって成立できるもの。ただし、その「自立」とは東京大学・熊谷晋一郎准教授の定義する「依存先を増やすこと」である。多様な依存先の一つになるように「目的の無い場を増やしていくことが重要」(1:53:35)と室井さんは言う。

自由を成り立たせる前提条件はなにか、という問いはとても重要です。「依存先を増やすこと」という自立の定義は有名ですが、自由の条件としてとらえると、「目的のない場の構築」など、自由を社会実装するための、具体的なアクションを設計することができるようになります。社会づくりの可能性を感じる議論でした。

| 2 |
アートが生み出す相互承認の可能性 1:20:30
アートシンキングワークショップに参加した高校生が、他の参加者の作品をみて、「そういうものの見方もあるんだ」という感想がすごく多い、とN高校の現場での出来事を語る園さん。一つの価値体系で評価されない状態をつくれるアート的な場では「自由の相互承認」が成立する可能性がある。これをうけて、林曉甫さんは「好奇心を持つこと」「つくること」という行為自体が自由につながる(1:21:42)と指摘。

アートには「社会から遠いものとして捉えられがち」という枕詞が伴いがちではありますが、アートがもつ、制約の可視化と解放性こそ、社会をつくっていくプレイヤーにとって有力で具体的な手法を考える手がかりになりえると感じました。

| 3 |
安心安全かつチャレンジができる場をつくる 1:41:42
誰からも否定されることのない、安心安全の場をつくることが自立支援=自由の担保の上で重要。一方プロジェクトのように、なにかにチャレンジをしていく機会と両立させようとすると、ともすれば安心安全性が損なわれる可能性がある。ここで大事なのはチャレンジすることを参加者の自己決定に委ねること。

自立=依存先をふやすこと、には当事者のチャレンジを伴うことが多いと感じます。チャレンジすること、その範囲を当事者の自己決定に委ねる、ということは場の運営上の原則になりえそうです。


その他議論のハイライト

00:37:57 ルールを決める場に誰がいるか
01:07:05 自由の相互承認より「相互構築」
01:25:36 誰もがマイノリティ
01:29:37 死者の民主主義
01:36:33 国民が「総ひきこもり状態」
01:43:40 関係が分断しているから攻撃する
01:48:53 コンビニの店員さんの日本語がもつ可能性


今後の企画について


Next Commons Lab (NCL)では、今後も定期的にオンラインイベントを開催していく予定です。

月1-2回程度のペースでのイベント開催を予定しております。
ウィズコロナ時代の社会をどうつくるか、という大きな枠組みのなかで、テーマを設定します。

開催情報は Peatix にてご案内いたします。
Peatix上 Next Commons Lab アカウントのフォローをぜひ宜しくお願いいたします!


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