テンプレート_サムネイル_通常記事_写真ありdark____1

クリエイティブ検証を行う際の、考え方と準備

こんにちは。ネクストビートデザイナーのキタハラです!

9月もまた、既存プロダクトの新たなリニューアルプロジェクトに日々奮闘しております。(数えてみれば、入社1年4ヶ月で4つ目…)

そんな傍らプロダクトのグロースハックやサービスのネット広告制作も行っているのですが、今回は日々の業務の中でもクリエイティブ検証を行う際に自分が意識している「考え方と準備」についてお話ししたいと思います。
シーンとしては下記を想定していただければと思います。

サービスの新規登録者獲得のために

・SNS広告バナーのPDCAを回す。
・プロダクト内で、コンバージョンに促すポップアップバナーのPDCAを回す。

1. クリエイティブ検証の考え方の根本


ずばり、考え方の根本はこちら。

画像1

マーケティングでも営業戦略でもよく耳にする考え方ですが、バナークリエイティブでも一緒!

「WHO(誰に)」「WHAT(何を)」「HOW(どうやって)」届けるのか。

当たり前のことなんですが、日々色々な業務に携わっているとこの当たり前を忘れがち。

色々すっ飛ばしてしまうと、

「犬画像と猫画像でA/Bテストしたら、猫が勝ちました」
「次はこのグレーの猫を、カメラ目線の白い猫画像に変えてA/Bテストをしてみます」

といったような、すぐ行き止まりとなるクリエイティブ検証になってしまいます。『3Bの法則』(3B…美人(Beauty)/赤ちゃん(Baby)/動物(Beast))は広告業界でよく使われる手法ですし、それで登録者数が増えれば万々歳ですが、これはクリエイティブ検証。検証とは「実際に調べて証拠立てる」こと。

私たちが検証で証拠だてたいことは、ユーザーが「犬に興味があるか、猫に興味があるか」ではなく、ユーザーが自社サービスに興味をもつきっかけ・動機です。

冒頭の画像のようにならないように、クリエイティブ検証を行う際の「考え方と準備」について、言葉の意味を確かめながら詳細に説明していきます。

2. 「WHO(誰に)」 を考える準備

画像2

「インサイト」とは?
マーケティング用語で使われるインサイトは、様々な記事があり曖昧で難しい表現が多いですが、私は「ユーザーが自覚していない、行動の背景にある心理・意識」と解釈し日々使っています。

ユーザーが自覚していない、行動の背景にある心理・意識
∟ 当人(ユーザー)さえ気づいておらず言語化されていない。
∟ 顕在ニーズ/潜在ニーズといった「〜したい」という欲求になる手前の心理・意識。
∟ その人の「価値」「体験」「行動」から読み取る(仮説立てる)もの。

WHO(誰に)を考える際、ユーザーの顕在ニーズ/潜在ニーズからさらにふかぼった「インサイト」を考えることは、競合との差別化やクリエイティブが枯渇しないために必要なことだと考えます。

「インサイト」を発見・知るために、ユーザーインタビューなどを活用したいところですが、お金や時間がかかるので私はいつもネットで見つけられるアンケート調査(3年以内くらいのものが望ましい)や口コミなどから「インサイト」を仮説立てます。

ユーザー自身も気づいてない心理を見つけるなんて、至難の業。

だから、一発で見つけられることを期待せず
真剣にかつライトに考えてPDCAを回す必要があるんですね。

セグメントとは?
住む地域、活動している地域、性別、言語、サービスの認識、価値観など
ユーザーを構成する区分

インターネット広告の場合は、定量的なデータを元にどのセグメントのユーザーに広告を表示させるか、が設定されるため
配信担当者がどのような設定をするのかを制作担当は把握する必要があります。

3. 「WHAT(何を)」 を考える準備

画像3

ベネフィットとは?
ユーザーが、商品やサービスを利用することで得られる利益
といった意味で使われます。

サービス訴求時のベネフィットの中でも、私は『機能ベネフィット』と『情緒ベネフィット』の二つを主に考えるのですが、この言葉はアメリカのマーケティング理論家のデイヴィッド・アーカーによって、(ざっくり言うと)下記のように定義されています。

機能的ベネフィット … 商品、サービスが持つ特徴やスペックによってユーザーにもたらされる利益
<例> 簡単、安い、おいしい、リスクが低い、使いやすい、便利
-------------------------------------------------------------------
情緒ベネフィット … 商品、サービスを利用することで得られる、プラスの感情
<例> 嬉しい、安心、楽しい、期待できる、自慢したい


まずは自社サービスのベネフィットの整理からするのですが、
私は普段下記にようにスプレッドシートやパワーポイントを使用して整理しています。

画像4

ここでは競合サービスと差別化できるベネフィットを一生懸命考える必要はありません。

なぜなら、単体で勝負できるベネフィットと、複数を掛け合わせることで希少価値となるベネフィットがあるからです。

例えばインスタントラーメン。

A. 希少!のどぐろのダシを使ったインスタントラーメン
B. 期間限定!1食たった90円の豚骨醤油インスタントラーメン


Aは、「のどぐろのダシ」という希少性の1つをベネフィットとして訴求していますが、Bは、「期間限定」「安さ」の2つのベネフィットを掛け合わせ訴求しています。

世に溢れている「豚骨醤油ラーメン」も、「限定」と「安い」を掛け合わせれば、ターゲットによってはとても魅力的な商品となりえます。とにかくユーザーの利益や心が動くような要素を、少しでも多く洗い出し整理していくことが大切だと考えています。

4. 「HOW(どうやって)」を考える

画像5

ここはそのまま、何の要素を使ってどのように表現をするか、ですが
下記の要素が主に考えられます。

・テキスト
・画像
・静止画/動画
・フォーマット(広告サイズなど)
・ストーリー

中でも効果が左右されやすい重要要素はテキスト
いくつかポピュラーな手法をあげてみます。

① 限定/希少性
<例> 「限定50組」 「今だけ!」
② ターゲティング
<例> 「30代、ほうれい線が気になってきたあなたに!」 「〇〇資格を持っているあなたのための」
③ 数/権威
<例> 「満足度98%」 「No.1」
④ 比較
<例> 「BeforeAfter」 「サービスを利用したユーザーと利用していないユーザー」
⑤ 問いかけ
<例> 「AとB、どっちがお得!?」 「そのシミ、もう諦めるの??」
⑥ 口語体
<例> 「こんな潤い、初めて!」 「転職したらプライベートが充実した!」

まだまだたくさんありますし媒体特性との相性もあるので、
HOWに関しては、競合や世に溢れる多くのクリエイティブをひたすら見て、へこたれずチャレンジを続けることが大切だと思います。

5. まとめ


クリエイティブ検証と言うと、手軽な画像検証や世にありふれているワード検証(例えば、「痩せたいなら(サプリメント)」「転職したいなら(転職サービス)」「若々しくいたいなら(コスメ)」など)に走りがちです。
そうすると、競合との差別化がはかれなかったり訴求が枯渇し再び飛び案に走るという負のスパイラルに陥ってしまいます。

そうならないために、検証を始める前や検証途中立ち止まって

「WHO(誰に)」「WHAT(何を)」「HOW(どうやって)」届けるのか。

これを、じっくりと考え準備をすることがとても重要なことだと考えます。とても労力を使う作業ですが、クリエイティブ検証は本当に忍耐力が大切。
私も自分に言い聞かせて、今日もじっくりユーザーやサービスと向き合います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?