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パチスロ依存症の北電子時代・5/6

私が体感器の検証を行なっていた部屋の隣では
ゲームなどのデバックを請け負う派遣バイトの人たちが大勢
スロットのバグ出しや、営業割の算出のための新台の試打作業に
従事していた

つまり、私は1日中検証作業を行ないながら
当時の新台『カントリークロウ』のサウンドやファンファーレを
ずっとずっと聞いていたのだ

私の作業部屋にはPCとジャグラーの実機、そしてなぜか
『ゴルゴ13』(平和)と、北電子の『陰陽道』がしまってあるだけの部屋だったが
デバックルームは、スロットのシマのような雰囲気になっており
他に『ジャグラーTM』、そして5号機の『豊漁』が数台、設置されていた

恥ずかしながら、当時の私は『ジャグラーTM』を知らず
遠目に見て「ああ、この部屋にもいちおう、ジャグラーを置いているのか」としか
思っていなかった

『豊漁』に関しては、北電子の5号機、しかも液晶付きということで
ほかの社員の方が私の様子を見に来た時などに
デバックルームに一緒に入れて頂き、社員の方が打っているのを
後ろから観察させてもらっていた

北電子の機種の機械割は、メーカー発表がほぼ実勢値と同じなのは
このような完璧かつ万全を期したデバックの賜物であり
大攻略法につながるようなバグが発覚しないのも、このお陰であると思われる

元々、ニューパルサーのリーチ目を覚えられないため
ジャグラーに活路を見出し、スロットにハマった私にとって、この経験は
まさに目からウロコであった。スロットというスロットは、その1機種1機種が
このような努力の末にデビューをしている…
この事実を知り、感動すら覚えたのは、今でも鮮明に記憶に残っている

そして…「あの」機種の開発中の時期に
ちょうど私が、開発部付けの派遣社員であったことにも
私自身、勝手に運命のようなものを感じている

下パネルには、この機種のシンボル絵柄ともいえる「あの」顔が大きく描かれ
上パネルや上部の飾りランプも、天幕をイメージしたデザインが施され
全体のカラーリングは「ピンク」…そう、私がほぼ毎日、その筺体だけではあるが
目にしていたのは「5号機一発目のジャグラー」だったのである

つづく

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