我々はピクミンに乗っ取られつつある
はじめまして、津の次です。次は目次。
まえがき:ピクミン可愛い。
みなさん、ピクミンと歩いていますか?
ピクミンは位置情報システムを利用したスマホゲームです。歩数計的な要素が強く、だいたい1000歩歩くとピクミンが1匹成長します。2021年10月末にリリースされたこのピクミンブルーム、かなり人気です。人が歩いたところに花を植えることができ、地図情報で確認するとありえんほど花の絨毯が広がっています。そんな楽しいピクミンブルーム。ピクミン可愛いし、ついつい夢中になってしまうのですが、これはもうピクミンの術中にはまっているわけです。もう我々は手遅れですが、本当にピクミンに乗っ取られてしまう前に書き残しておく必要があると思い、筆をとった次第です。
注:ここから先、ピクミンシリーズのネタバレがあります。
ピクミンの繁殖
ところで、ピクミンはもともと任天堂がつくった据え置き型ゲームです。ゲームキューブ、WiiU、Swichといろいろなシリーズがでてきましたが、基本的に行うことは同じです。ある星(PNF-404)に生息するピクミンたちの指揮をとり、与えられた任務をこなしていくだけです。だけ、といってもピクミンの可愛い見た目とは裏腹に操作性の難しさや敵の気持ち悪いフォルム、容赦ない犠牲など、なかなかしんどいゲームでもあります。
さて、ピクミンたちが住む惑星PNF-404ですが、地理や文化が地球に酷似しています。
青い惑星PNF-404
植木鉢
缶詰(鯖?)
牛乳瓶の蓋
他にも、露骨にメルカトル図法の世界地図っぽいマップや敷き詰められたタイルなどがゲーム内には見られます。しかし、人の姿はなく、ピクミンたちが集めるのはガラクタばかり。植物は地球と同じようなものが多く見えるが、原生生物やピクミンといった地球には存在しない動物たちが生態系をつくっています。人間は、滅びてしまったのか、地球から脱出したのか。それは定かではありませんが、少なくともピクミンの住む惑星は地球をモチーフに描かれています。
ピクミンブルームのピクミンたちは、プレイヤーの歩数で成長していきますが、歴代ピクミンたちは異なる繁殖方法をとっています。ピクミンは母体であるオニオンに栄養源を運び入れることで生まれます。栄養源とは、大地のエキスが結晶化した実をもつペレットや原生生物の死骸です。
原生生物の代表、通称チャッピー
左に生えている黄色い実がペレット
ピクミンたちはオリマーをはじめとした知的生命体の指示に従い、ペレットや原生生物の死骸を運び、ピクミンたちは繁殖していくのです。彼らは、彼らだけでは繁殖することができないのです。それゆえ、ピクミンたちはオリマーたちに引っこ抜かれ、ついていき、運び、戦い、食べられ、そして増えるのです。このシステムはピクミンブルームでも変わりません。私たちは、ピクミンの繁殖に利用されているのです。
ピクミン可愛いし、いいじゃないか。後ろをついていく健気さ、おつかい先で写真を撮ってポストカードにしてくる愛らしさ。そう思っていることでしょう。本当に、大丈夫でしょうか。ピクミンは動物の死骸からも繁殖することができるのです。しかも、ピクミンシリーズの第1作目のゲームオーバーで、惑星脱出に失敗して死んでしまった(気絶した?)オリマーがオニオンに運び込まれ、頭にピクミンの葉のようなものが生えたオリマーが芽を出すところが描かれています。気づいたら全人類がピクミンにされている未来、ゲームで描かれた地球は、目の前に迫っているのかもしれません。
あとがき:ピクミン可愛い。
結局のところ何が言いたいのかというと、ピクミンを従えているように見えてゲームプレイヤーはピクミンの繁殖に利用されている、という構造をスマホゲームで、しかも位置情報と歩数計を利用したリアルに近い形で実現していることが面白いなと思ったということです。私たちはピクミンの可愛さに毒されているのです。そんな話を知人にしたところ、「毒されているのはお前の頭だ」と言われてしまいました。でも、ピクミン可愛いから仕方ないね。あなたもピクミンとおでかけしましょう。
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