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2度目のリアルタイムコンテンツ

かつて天才がいた。
手取川海瑠という天才が。



そう、過去形である。


彼女──手取川海瑠はひとり喋りラジオ、みるみるはっぴー×2れいでぃお(そして手取川海瑠の週末ラジオ)でその才覚を十二分に発揮した。
あのラジオの帝王、伊集院光を思わせるかのような軽妙な語り口、天才的な言葉選びのセンス……そして、都会への憧憬。どれをとってもおれを夢中にさせた。

しかし、彼女は天才から──都会に憧憬を抱く、普通の、ものすごく面白い少女になってしまった。


決して悪いことではない。
鬱屈した想いを抱えた少女が唯一無二の相方を得て満ち足りる。とても良いことだ。ハッピーエンドだ。

実際おれもどちらのラジオが好きか? と問われれば考え抜いた末に僅差で「海瑠と文音のマンデーラジオ」と答えるだろう。

「海瑠と文音のマンデーラジオ」は面白い。大好きだ。
相方を得たところで依然手取川海瑠の言葉選びはエキサイティングだし、筆者としてはどちらかと言うと吉田文音の理想と現実の間でもがく様に共感を覚える。ひとり喋りからふたりでのトークになり、会話の幅も増えた。
都会に憧れ才気あふれる少女と、都会で過ごして自分というものを知って徳光に出戻りした少女。この対照的な2人が織りなすやりとりは聞いていて楽しい。
何度も繰り返すようで恐縮だが、「海瑠と文音のマンデーラジオ」は本当に面白いのである。

しかしそれは──あえて言うのであれば、手取川海瑠の週末ラジオとは違う面白さである。
どちらが優れているという訳ではなく、ただ純粋に、違う。
両方良くて両方素晴らしくて、それ故に少しだけ寂しい。不可逆な変化を迎えてしまったことが。


そして、偶然にも。
彼女たちが過ごしたのと同じ石川県で。
ガルラジがテーマとした「繋がり」を同じくテーマとし。
ガールズラジオデイズと同じリアルタイムコンテンツで。
不可逆の変化を迎えてしまったコンテンツがある。

蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブだ。


激動だった蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ103期は新年度を迎え、新入生が加入した。とてもいいことである。
新入生の百生吟子さんと日野下花帆さんの関係性は正直かなり好きだし、徒町さんは見ていて応援したくなるし、ツマヨウ寺は慈と瑠璃乃に新たな視点をもたらしてくれるだろう。(リーグオブレジェンドだけはやらないでください)

そもそも去年あれだけ綴理先輩がオープンキャンパスで奮闘し、沙知先輩が今まで繋いできた蓮ノ空女学院のバトンの重みを教えてくれたのだ、いまさら新入生が入ることに何の問題があるのだ。むしろここまでやって新入生を入れないことこそ今まで彼女たちが紡いできた物語に対する裏切りだろう。

理性はそう言うのだ。

わかっている。わかっていても、おれが最初に好きになったのは蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ103期生だった。

花帆と梢のお互いがお互いを思いやり出来上がる花束のようなスリーズブーケが好きで。
さやかと綴理の熱をぶつけ合い燃え上がるようなDOLLCHESTRAが好きで。
瑠璃乃と慈の世界中を楽しくさせるテーマパークのようなみらくらぱーく! が好きで。

2人が3人になる。
これはもう世界がひっくり返るくらいすごいことだ。


リアルタイムコンテンツの恐ろしいところはここにある。

一般的なコンテンツであれば「変化」というものがやってくる時期は作り手側がコントロールできる。アカギは20年かけて1つの夜を終わらせたし、季節を取り扱うアニメでは1クール3ヶ月の間に四季がやってくる。あえて卒業を取り扱わない作品だってたくさんある。

しかし、リアルタイムコンテンツはそうもいかない。
卒業の時期になればどんなに大好きな先輩だって卒業してしまうし、コンテンツに触れ始めた時はまだ高校生だったキャラクターがいつの間にか就職していたりする。
人生ってやつは思っているよりも「変化」がいっぱいあって、思っているよりも目まぐるしくやってくるのだ。恐ろしい話だ。

おれはいつまでも花帆の成長を嬉しそうに語る梢先輩が見たいし、綴理先輩のお世話をするさやかが見たいし、目標に向かって突き進む慈と瑠璃乃を見ていたい。
大好きで、大切で、一年後には見ることが出来ない光景だ。
きっとこのコンテンツを追っていくとこういった「変化」が何度もやってくるのだろう。考えるだけで背筋に冷たいものが走っていく。


ただ──だからこそ、リアルタイムコンテンツは面白いともいえる。
どうしようもない「変化」。受け入れがたい「変化」。
それは確かにあり──我々がいままで何度も経験してきたものだ。

彼女たちが新入生を迎える時、はじめて後輩がやってきたことを思い出す。
彼女たちがなんでもない日常を過ごすとき、同じようにこちらも何でもないような日常を過ごす。
彼女たちが別れを経験するとき、自分も同じように大切な人が自分の元を去ってしまった時のことを思い出す。

彼女たちの時間と私たちの時間は繋がっている。
だからこそ、彼女たちに訪れた変化をより身近に味わうことが出来るのだ。

こちらが日常を過ごしている時、きっと彼女たちも同じ空の下で同じような日常を過ごしている。レッスンに励んでいるのかもしれないし、少し疲れたので漫画でも読んでいるのかもしれない、はたまた何も考えずぼーっと空を見上げているのかもしれない。
キャラクターが、どこかにいるのかもしれない。
それがたまらなく嬉しい。

そしてそれはきっと、蓮ノ空というコンテンツが終わってしまってもそうだ。
おれの大好きなリアルタイムコンテンツ──ガールズラジオデイズはもうずいぶんと前に更新を終えてしまった。いまでは公式HPすらない。
だが、それでも自分の心に残っている。

前述した手取川海瑠さんは今年の7/26で二十歳になる。
おれは単なるいちリスナーに過ぎないけど──それでもやっぱり彼女が二十歳を迎えるのはなんとなく嬉しいので、誕生日に少し高い酒でも飲もうと思っている。
おれはきっと日野下花帆さんが成人を迎えたときも同じことをするだろう。そういうことが出来るのは、やっぱりリアルタイムコンテンツのいいところだ。おれはリアルタイムコンテンツが大好きだ。

だからきっと、蓮ノ空にやってきた彼女たちのことも時間をかけてゆっくり知ってゆっくり好きになっていくのだろう。とても楽しみだ。







それはそうと、新入生たち、マジで萌えだよな??????????

追加されたばかりなのに四方八方の女にモテる花帆に対して嫉妬する吟子さんの同人誌1000冊読んだことある気がする



かちまち、好きになるなと言う方が無理ある



あんまり「最高ランクまではチュートリアル」みたいなこと言わない方がいいぞ


そんでもって2ndライブが最高で会場を走り回るかちまちとかもうめちゃくちゃよかったので大好きになっちゃった〜〜〜
そもそも活動記録の方でかなり大好きになって99%落ちかけてたのに今回のライブでトドメ刺されちゃいましたねマジで。即堕ちよ。
104期、たのしみ〜〜〜

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