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映画制作現場から画づくりにこだわる時に使いやすいLOG撮影

スマホアプリの進化も手伝って、誰でも簡単に動画を撮影して編集できるようになりました。
今回は、プロの映像制作の小ネタをご紹介します。


■ 写真撮影ならJPEGかRAW

画像データには複数の記録形式があります。
デジカメで撮影する場合に多いJPEG形式は、ご存じの方が多いと思います。
多くのデジカメでは、より高画質なRAW形式も選択できます。

たとえばバレーボールの試合を撮影する場合。
選手は動き回るし、場所によって明るさは違う。床面からの照り返しもあるかもしれない。そのような光が安定しない状況では、RAW撮影も選択肢になります。


■ RAWはデータの塊

JPEG撮影では、デジカメのセンサーが光と色の情報をいい感じに取捨選択し、圧縮して画を作りますが、RAW撮影は “いい感じの取捨選択” をせずに、光と色の情報をそっくりそのまま記録します。

JPEG形式のファイルが出来上がった画なのに対して、RAW形式のファイルはデータの塊なので、後から露出などを変えることができます。
RAW形式なら、サーブを打った場所が暗かったから露出を半段階上げよう、という調整ができるわけです。


■ 動画のRAW撮影

動画にもRAW撮影があります。写真同様に後から様々な調整が可能です。

しかし動画のRAW撮影は、それに対応した機材が必要になります。経験豊富な撮影技師と現像技師も欠かせず、写真の場合以上に専門性が問われます。


■ LOG撮影とは

動画撮影においては、さらにLOGという形式があります。
前述したようにRAW撮影は光と色を記録します。LOG撮影で記録するのは色の情報だけ。
色は数値化されているので、数値を変更することで色味を編集することができます。
ただし光の調整はできません。

色味の編集には、
・カラーコレクションと
・カラーグレーディングの二段階があります。

カラーコレクションは全体の色調を整える段階です。いわば整地作業です。
カラーグレーディングは画面に特徴を与える段階。整地してフラットになった土地をどう見せるか、どう演出するか。ブランディングや作家性の領域です。

さらに色は数値化されているので、特定のLUT(適切な色の情報が入った計算ファイル)を当てるだけで、カラーコレクションをある程度簡単に済ませることができます。


■ LOG撮影の特徴は

・撮影後に色の情報を編集できる
・RAW撮影より扱いやすい形式とデータ量
・作り込みたい人はさらにグレーディング

ひとことで言えば、画作りにこだわりたい時に使いやすいのがLOG撮影と言えます。

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