[レポート]常滑スタディツアー
12月14日、オンライントークセッションをします。この記事では、トークのご案内と、焼き物の産地常滑を訪れたツアーの様子を、トークに先立ってすこしだけ、写真とともにお伝えします。
トークのご案内
今年度NEW TRADITIONALでは、さまざまな伝統工芸の産地を周り、伝統工芸を新たな視点で発信している職人やコーディネーターらとの交流を通して、福祉の現場にもいかしていけるような視点を見出すためのスタディツアーを国内4箇所で実施しています。
第一弾は焼き物の産地、愛知県常滑です。本トークセッションでは、現地で実践にとりくむコーディネータの案内のもと工房やメーカーなどをまわった2日間をレポートします。
日時:2020年12月14日(月)18:00~19:30
*要事前申込・Youtubeでの配信
下記の申込フォームからお申込みいただくか、nt@popo.or.jp に件名を「オンライントークセッション参加希望」としてお名前、ご所属、メールアドレス、をお知らせください。受付が完了した方から、順次youtubeのURLをご案内いたします。
▼申込フォーム
https://forms.gle/xZeQWBdjZX8HLWA87
登壇者:
・高橋孝治(プロダクトデザイナー) *常滑ツアーコーディネーター
株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室を経て2015年に愛知県常滑市に移住。常滑を拠点に企業や団体とプロジェクトを進行。2016-2018年 常滑市陶業陶芸振興事業推進コーディネーター。2017-2019年 六古窯日本遺産活用協議会クリエイティブディレクター。今回のスタディツアーでは高橋さんのネットワークを活かして訪問先のコーディネートをしていただいた。
・前川紘士(アーティスト) *常滑ツアー参加者
京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。個人的な複数の関心を、個別の機会や状況と照らし合わせながら、各実践を組み立てる。現在、障害者福祉事業所にて陶芸プログラムのコーディネートも行う。
ゲスト:
福森創(工房しょうぶ統括主任)
・進行:森下静香(Good Job!センター香芝センター長)、岡部太郎(一般財団法人たんぽぽの家常務理事)
当日は、現地で撮影した写真や動画も見ながらお話します。この情報を障害のある人とものづくりに取り組む人たちや、伝統工芸のあらたな魅力を考えていきたい人たちとシェアして、これからの福祉と伝統工芸へのヒントをみいだしていきたいと思います。ぜひみなさまお誘いあわせのうえご視聴ください。
主催:一般財団法人たんぽぽの家
助成:日本財団DIVERSITY IN THE ARTS
写真:衣笠名津美
https://tanpoponoye.org/news/goodjob/2020/12/022010975/
ツアーの様子
今回、愛知県常滑市で出会った団体をご紹介します。トークセッションの前にチェックいただくとより理解が深まると思います。
現地で活動するデザイナーの高橋孝治さんがまず私たちを連れて行ったのは、まちの中心にあるホテルの屋上。鳥の目で常滑という地域を見てからツアーが始まりました。常滑焼で有名な地域ですが、海沿いの知多半島セントレア空港からすぐの場所。海運によって各地に製品が運ばれていった様子がわかります。かつて土管などの工業製品を作っていた大量生産の魅力と、現在も活躍する個人の作家たち、問屋や陶芸美術館などが交錯し、現在の常滑というまちを形作っていることがわかりました。
常滑のまちなみ
有限会社 丸よ小泉商店
創業70年の常滑焼の茶器専門の卸問屋です。 maruyo-koizumi-shoten.com 本社ショールームに、作家と量産窯元の急須の作り方を対比する展示があり、大量生産もしています。急須が試し使いできるようなカウンターもあり。ここで素敵な急須型の和菓子が登場!舌でも常滑を味わいました。
急須だらけ!
こんな和菓子
有限会社 山源陶苑
地元では創業50年以上の窯元ですが、直営で「TOKONAMESTORE」を開店し、高橋さんのディレクションのもと、あたらしい常滑発のプロダクト展開。店舗の名物コンテンツ、陶芸体験は開店4年目で20000人を突破しています。 http://tokonamestore.com/
TOKONAMESTORE
TOKONAMESTOREの近くにある工房で製造
鯉江明さんのアトリエ
常滑の陶芸作家。常滑で生まれ育ち、薪窯を築きやきものを焼くところからキャリアをスタート。常滑で採れる土ありきの製作姿勢や、根源的に焼き物のあり方を追求する姿が印象的でした。
アトリエの名は「天竺アトリエ」
アトリエの中
すぐ近くの土を使って制作
有限会社 丸安
日本モザイクタイル株式会社<http://mozaiku.co.jp/>の土工場。土の採掘から粘土にするまで、自然の力も借りながら大量の素材をつくっています。常滑市内の文化施設INAXライブミュージアムの名物、泥だんごの土の供給も担っています。
土置き場。種類によってわけられている
機械化された工場内
ワークセンターかじま
常滑市社会福祉協議会が運営する、就労継続支援B型事業所です。 tokotoko-tokoname.jp 常滑市内の文化施設INAXライブミュージアムの名物、泥だんごのたねづくりを担っています。土の供給を担う丸安さん、ワークショップを行うINAライブミュージアムの両スタッフと、かじまのスタッフで仕組みを作り上げました。
かじまのメンバーがつくったタイルが並ぶ
泥団子のたねづくり
INAXライブミュージアム
LIXILが運営する文化施設です。 https://livingculture.lixil.com/ilm/ 常滑の近代窯業遺産(近代建築装飾、土管、石炭窯)や世界のタイルアーカイブ、泥だんごワークショップを行う土・どろんこ館などがあります。ここで実際に泥だんご作りを体験しました。
泥団子つくり中
それぞれ持ち帰りました
INAXライブミュージアム 土・どろんこ館館長の磯村司さんが自ら敷地内をご案内。世界のタイル博物館のようす
水野製陶園ラボ
INAXの技術者であった水野平吉氏が創業したレンガやタイルなど建築陶器のメーカー。
http://www.mizunoseitoen.com/lab/ 精土からの一貫生産。孫である建築士の水野太史さんは水野製陶園ラボを運営し、様々な建築のための独自の建築陶器を生み出しています。
タイルを使うことで、とてつもなく頑丈な事務所
釉薬のストック
あとはトークをお楽しみに!
まだまだお伝えしたいことはありますが、このへんで。トークセッションでは、ツアーをコーディネートした高橋さん、同行した前川さんの印象に残ったことなども交え、話をすすめていきます。
しょうぶ学園の福森創さん(工房しょうぶ統括主任)もトークにゲストにお招きし、常滑という産地での取り組みを一緒に見ながら、これからの障害のある人とのものづくりや、工芸の魅力、ものをつくり・とどけ・つかうこと、など考えていきたいと思います!
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