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【ニュートラの学校レポート&アーカイブのご案内】10/23「A2 販路の開拓」

「ニュートラの学校」は、4年目となったNEW TRADITIONALのとりくみが次の段階に向かうべくはじめたプログラムです。"福祉"と"伝統のものづくり"を結びつける。ここに関われる可能性のある人の数をもっと広げ、そんな人どうしが学び合える場をつくりたいと願っています。

今年度は2コースを設け、様々な観点から"福祉"と"伝統のものづくり"について考えました。

プログラムA「福祉の課題から考える」コース(A1〜A5)
何を変えることで、福祉のものづくりはもっとよくなるのでしょうか。プログラムAでは福祉現場の課題にしっかりと向き合い、新しい可能性をひらいてきた実践者とものづくりの価値を高める方法を学びます。

プログラムB「これからの伝統を考える」コース(B1〜B5)
生活に必要とされる伝統工芸やものづくりは何か。作り手や使い手、環境、素材、持続性など、さまざまな視点からこれからの伝統やものづくりのあり方や暮らしについて考えます。

アーカイブ映像の販売もありますので、下記URLよりご確認ください!
https://tanpoponoye.stores.jp/
※5月末までの視聴となりますので、ご注意ください。

こちらのnoteでは各回のレポートを、たんぽぽの家プロジェクトスタッフの木村よりお伝えさせていただきます!

「販路の開拓」

A2 販路の開拓
「福祉とあそぶ」をテーマに活動するデザインユニットHUMORABO。東日本大震災後に、宮城県南三陸町にある「のぞみ福祉作業所」と出会い、NOZOMI PAPER Factoryの活動を続けています。デザインから販売までをディレクションする再生紙の手漉き和紙「NOZOMI PAPER®」の事例を通し、使われ方を考え、使ってもらいたい人をつくるものづくりと販路の開拓を学びます。

10月23日(日)、第二回目となるニュートラの学校が開催されました。ゲストはHUMORABO (ユーモラボ )の前川 雄一さん、前川 亜希子さん。「販路の開拓」を「いろんな視点を持つと、新分野が寄ってくる!?」と定義し手漉き和紙「NOZOMI PAPER®」のお話を中心に様々な繋がりのつくり方について伺いました。

HUMORABOとは?

HUMORABO とは、ヒューマン(人間)とユーモア(面白さ)を掛け合わせた意味を持つ、2015年に結成されたデザインユニットです。エイブルアートに関わったことが福祉との出会いのきっかけで、現在も福祉商品のセレクト販売やオリジナル商品の開発、ブランディングを手掛けられています。HUMORABOさんといえば、「NOZOMI PAPER®」。宮城県南三陸町にあるのぞみ福祉作業所で生まれた手透き紙は、様々な方々からの想いがぎゅっとつまった素敵な製品です。

NOZOMI PAPER®のはじまり

のぞみ福祉作業所で東日本大震災をきっかけにはじまった手透き和紙。津波により物品が使用できなくなり委託作業もなくなってしまった時に、紙漉き機の支援があり製造がはじまりました。その後「デザインによる販路拡大」のためにHUMORABOさんにお声がかかったそうですが、復興支援商品として既に売り上げが良かったこともあり、「この先を考える」ことを提案したそうです。特に製造のプロセスにある、資材調達や道具の支援・利用者の方の働いてる多様な姿などに可能性を感じ、素材や原料を少し変えることで製品の開発に取り組みました。例えば、東北の手仕事との連携、規格から少しはみ出ている耳付きのものを「WILD」と名付けて販売、インクのグラデーションを楽しむ製品の販売。それは大きな改革ではなく、既にあった魅力に新たなストーリーを付加しているように感じました。

社会との繋がりを構築すること

しばらくして再度作業所からアップデートのご相談があった時には、実際に施設に2週間滞在し本当に必要なものを確かめたそうです。そこでの結論が、作業所自体のブランディングをすること。「のぞみペーパーファクトリー」として地域との連携やストーリーの冊子作成を行いました。のぞみペーパーファクトリーの原料は「支援」の牛乳パックであり、応援されていないと手に入れることができません。一方で、見方を変えると支援されているだけでは「与える」「与えられる」の関係から抜け出すことができないことにも繋がります。そこで大切にしているスタンスが、支援を製品にして「社会に返す」ということ。のぞみペーパーファクトリーは、そんなサイクルをつくりながら活動しているそうです。

販路は「価値を共有したい人との出会いの場」

のぞみペーパーは、「福祉施設の商品」と呼ばれることもあれば、「復興支援商品」と呼ばれることもあります。「アート商品」とも「アップサイクル商品」とも言えます。このように様々な視点から製品を見ると、関係先や販売会場が変わることを説明いただきながら、販路を「売り場」と捉えずに「価値を共有したい人との出会いの場」と捉えてみるというお話をしていただきました。

第二部では参加者と交流しながら、実際の商品を手に取りストーリーに思いを巡らすなど終始和やかな時間になりました。デザインとのコラボレーションという観点で福祉施設側が「できること・得意なこと」を明確にしておくことの重要さ、福祉施設における納期やスピードとの付き合い方、プロジェクトの価値軸に趣味や仕事の概念があることなど、背景が異なる人が集まるからこそ様々な観点から議論を深めるできました。

ニュートラの学校について

最後までお読みいただきありがとうございました。ニュートラの学校で得た気付きや問いは、すぐに活かせるものもあればじっくりと効いてくるものもあるかと思います。
今後もこちらのnoteにて各回レポートは発信していきますが、ぜひアーカイブもご覧いただきご自身の学びに繋げていただければと思います!

▼今回レポートした回のアーカイブはこちら
https://tanpoponoye.stores.jp/items/63b4af9f429351571a4cdbd7

▼NEW TRADITIONAL webサイト
https://newtraditional.jp/


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