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[レポート]障害のある人の表現と伝統工芸をめぐるリサーチシリーズ|土壁

7/2(日)葛城市にて、壁塗り体験をさせていただきました!

魅力溢れる足高邸

初夏の快晴が過ぎる日、スタッフとメンバーは足高邸に訪問させていただきました。足高邸の持ち主である、足高善也さん、森口ゆたかさんとは、たんぽぽの家が長くお付き合いをさせていただいてきました。葛城市のとなりの香芝市にGood Job!センター香芝をオープンさせてからは、畑をお借りし、桑の木や野菜を植えさせていただいています。また、2020年にはニュートラのプロジェクトで「ものづくりに触れる2日間」というイベントを開催し、お茶会やトークイベントなどをさせていただきました。

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先代が山から木を選び、昭和元年に建てたという建物もお庭も長い時間大切にされてきたことがよく分かる、とても立派なお宅。
現在はどなたも住んではおられませんが、丁寧な管理がずっとされていたこともあり、歴史のある不思議な魅力のある建物です。
今回もお庭の緑に空の青さが映えている様子を見て、改めて美しい空間にうっとりとさせていただきました。

ここで生まれ育った足高さんが昔のお宅のご様子を教えてくださいました。

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足高さん「この家では元々は薬屋をやっており、漢方や胃腸薬を販売していました。自分が子供の頃は、三世代とお手伝いさんが一緒に住んでいたので合計10名程で暮らしていました。」

「燕さんじょう亭」への生まれ変わり

この度足高邸をリノベーションして、「燕さんじょう亭」という名前のスペースをつくりだすとのこと。制作活動やイベントなどが開催できるアーティストインレジデンスができるスペースやギャラリー、茶室、浴場などが新たにつくられる予定です。また、台所や居間を改装してお蕎麦屋さんをオープンさせる予定もあり、趣ある建物が新たなかたちで活かされる日が近くまで来ています。

リノベーションが進んでいくなか、今回、左官職人であるアイノクラフト・中澤さまにレクチャーを行っていただき、壁塗りの一部をたんぽぽの家アートセンタHANAとGood Job!センター香芝のメンバー、スタッフで体験させていただくことになりました。

土壁づくり・壁塗り練習

まず初めに、壁の原料をつくらせていただきました。スサと呼ばれる藁の繊維と土砂を混ぜながら、水で調合していきます。

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原料は、垂直に立つ壁にしっかりとくっつく程度の硬さを保ちつつ、滑らかになるような柔らかさが必要です。実際に土に触れながら、原料をつくっていきました。

また、壁塗りに向けた練習もさせていただきました。職人さんがやるとスムーズで簡単そうなのに、実際にやってみるとコテ板の土材をコテですくうことに苦労したり上手く壁にくっつかなかたり・・・

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コツは壁にのせる土の厚み(1回の塗りで約7mm程度)と手の動かし方。厚塗りにならに程度の量をすくい上げ、滑らかに円を描くように手を動かすと、少しずつ感覚がつかめてきました。

いざ、壁塗り!

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お家のご案内や練習を踏まえ、午後からは左官職人が下塗り/中塗りされた壁に、表情を持たせる上塗りをさせていただきました。お互い見守り合いながら、自由に楽しく壁を塗りました。

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乾燥中にひび割れが発生することもあるそうですが、「ひびは自然なこと。刷毛などで補修すれば大丈夫。」という足高さんのお言葉にも深さを感じました。壁からすると、秋や春などのゆっくり乾く時期が一番いいとか 。今回の土壁には、本聚楽土(ほんじゅらくつち)という、土/砂/藁につのまたという海藻がつなぎ素材として混ぜられた土壁素材が使われています。レクチャーしていただいた左官職人さんいわく、ひと昔前は、その土地にある土を採取して刻んだ藁を混ぜ入れ、足でこねて材料をつくっていたとのことです。

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何度かやらせていただくなかで、参加者は思い思いのこだわりを発揮していきました。メンバーの花谷龍介さんは、全体のバランスを見ながら優しく土壁を塗っていました。

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そして、後日花谷さんはこんなレポートを作成してくれました。

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最後は、スタッフや関係者さん含め当日来られていた人たち全員で壁を塗りました。終了後にはお庭で団欒。初夏の陽射しの中、わんちゃんも一緒に穏やかな時を過ごしました。

足高さん「この壁は、たんぽぽのみんなが塗ったところなんだと、これから思い出したり伝えたりしていきます。」

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ふれる・つくる・のこす

今回は、葛城市にて、壁塗り体験をさせていただきました。

昨年度も土壁について考える時間があり、いつかは体験してみたいと思っていた壁塗り。

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自然の材料に触れ、土壁を素材からつくる体験ができたこと、そして暫くあの場所に残っていくこと。そのプロセスも時間の軸も、日常で感じるものとは少し違う気がしました。「ものづくり」には色々な観点がありますが、今日のことを思い出す度にまた新しい気付きが生まれるのではないかと感じています。

今後も「伝統工芸」や「福祉」の観点から、新しいものづくりの在り方を模索していきたいと思います!

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