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【ニュートラの学校レポート&アーカイブのご案内】10/22「A1素材へのアプローチ」

「ニュートラの学校」は、4年目となったNEW TRADITIONALのとりくみが次の段階に向かうべくはじめたプログラムです。"福祉"と"伝統のものづくり"を結びつける。ここに関われる可能性のある人の数をもっと広げ、そんな人どうしが学び合える場をつくりたいと願っています。

今年度は2コースを設け、様々な観点から"福祉"と"伝統のものづくり"について考えました。

プログラムA「福祉の課題から考える」コース(A1〜A5)
何を変えることで、福祉のものづくりはもっとよくなるのでしょうか。プログラムAでは福祉現場の課題にしっかりと向き合い、新しい可能性をひらいてきた実践者とものづくりの価値を高める方法を学びます。

プログラムB「これからの伝統を考える」コース(B1〜B5)
生活に必要とされる伝統工芸やものづくりは何か。作り手や使い手、環境、素材、持続性など、さまざまな視点からこれからの伝統やものづくりのあり方や暮らしについて考えます。

アーカイブ映像の販売もありますので、下記URLよりご確認ください!
https://tanpoponoye.stores.jp/
※5月末までの視聴となりますので、ご注意ください。

こちらのnoteでは各回のレポートを、たんぽぽの家プロジェクトスタッフの木村よりお伝えします!


「素材へのアプローチ」

A1「素材へのアプローチ」
伝統のものづくりは、素材に直接触れ、その土地の自然や文化を知ることでもあり、その経験がものをつくる喜びでもあります。このプログラムでは地域にある素材を知り、足元の文化や資源を見直し、製品につなげる方法や、ものをつくる上で今必要とされる環境への配慮や新しい素材から生まれるものづくりの新たな可能性も学びます。

10月22日(土)、MTRL / FabCafe Kyotoの木下浩佑さん、Good Job!センター香芝企画製造ディレクターの藤井克英をお招きし、「素材へのアプローチ」をテーマにものづくりの可能性についてお話いただきました。

FabCafe Kyotoとは?

FabCafeとは、世界中に拠点を持つクリエイティブコミュニティです。
https://fabcafe.com/jp/kyoto/

喫茶利用はもちろん、レーザーカッターや3Dプリンターなどの最新技術を備えたデジタル工作機械の利用が可能で、クリエイターやデザイナーを中心に幅広い「ものづくり」が行われています。FabCafe Kyotoには、「素材(マテリアル)」をテーマにしたオープンイノベーションプラットフォーム “MTRL” による様々な素材サンプルの設置もあり、様々な素材に触れることができます。
https://mtrl.com/

FabCafe Kyotoでは、コミュニティイベントが盛んに行われており、展示企画やワークショップをはじめ仲間をつくるためのミートアップイベントも開催されているそうです。木下さんは運営事業者の「ロフトワーク」の社員としてFabCafeに関わっており、新たな素材やその考え方についてお話くださいました。

素材の「新しい可能性」を提示する

一言で素材といってもひとつひとつに特徴や背景があります。例えば、廃棄物を新しい用途としてアップサイクルしたもの、地域性が反映した生物由来にこだわったもの、伝統工業に新たな光を当てたもの。例えばきのこから生まれたビーガンレザー「マッシュルームレザー」という驚きの素材もあるそうです。
https://mtrl.com/materials/mylea/
身近に思い浮かぶ「素材」と言われるものがほんの一部のものでしかなく、進化が続いていることが分かりました。

素材と持続可能性

また、大切にしている3つの視点としてあげられていたのが「地域性」「持続可能性」「応用性」です。詳しくはアーカイブをご覧いただければと思いますが、ひとつ「持続可能性」について印象に残ったことがあります。「持続可能性」という言葉には’エコ’で’オーガニック’なある種原始的なイメージを持っていましたが、お話を伺ってテクノロジーが加わることで広がる可能性もあると感じました。例えばウルトラスエード®という素材は、先端の資源回収システム、バイオマス由来ポリマーなど、環境負荷を考えた工夫が凝らされているそうです。
https://mtrl.com/materials/ultrasuede/
「持続可能性」を体現したモノやコトには思っていた以上に幅が広く、分野を横断していることが分かりました。

福祉現場でのものづくり「つくり方が変わると、つくれるものが変わる」

後半はGood Job!センター香芝の藤井より、障害のある人たちとのものづくりについて、現場ならではの課題感や可能性を事例を交えてお話しました。「何によって素材へのアプローチが変わるのか」という観点から、行程順を変えてみる・つくる環境を変えてみる…など6つの視点が紹介されました。加えてメンバーのアイディアがカタチになるまでには、アナログなものから最新のものまで幅広い技術を使っていること、作業のしやすさを考えオリジナルの道具をつくっていること、つくり方や届け先を変えることで商品のストーリーができあがっていること…現場の観点から福祉における「素材へのアプローチ」について考えるヒントを挙げました。

Good Job! センターで製作している張り子などの人形。張り子の型は3Dプリンタで作成している

第二部では、会場参加者の自己紹介や気付きなどを共有しながら技術と福祉の交わりや素材の発展のさせ方について、議論を深めました。参加者の方の活動や思いに触れることで、講師と参加者を超えた繋がりも生まれ、とても温かい時間になりました。「ものづくり」とはどういうことかを改めて問いかけられた気持ちになりました。

ニュートラの学校について

最後までお読みいただきありがとうございました。ニュートラの学校で得た気付きや問いは、すぐに活かせるものもあればじっくりと効いてくるものもあるかと思います。
今後もこちらのnoteにて各回レポートは発信していきますが、ぜひアーカイブもご覧いただきご自身の学びに繋げていただければと思います!

▼今回レポートした回のアーカイブはこちら
https://tanpoponoye.stores.jp/items/6372007e4ff8c2575c3da612

▼NEW TRADITIONAL ウェブサイト
https://newtraditional.jp/


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