大人女子ボーカル Vol.1
日本シャンソン界の名手「金子由香利 」アルバム「めぐり逢い」のライナーにも書かれていましたが、”シャンソンは30才にならないとうたえない”と言われていました。つまり、シャンソンは人生の歌。ある程度の齢を重ねないと本当の味わいが出ない。ということなのでしょう。
しかし、このことはシャンソンだけに限ったことなのでしょうか?
ある程度の年齢を重ねた味わいは、歌にもこの上なく”旨み”を含ませてくれる。このこと体現する女性シンガーを大人女子ボーカリストとしてリスペクトしていこうという試みで書き始めました。
アイドル全盛時代の一時期は絶滅危惧種になってしまっていたようにも思えましたが、昨今のCity Popのムーブメントに乗ってある種の大人らしさが見直されてきているとも感じます。
話を戻してこの動画「金子由香利」です。
スナックのママ的、人生の匠。と、でもいうような経験豊富からくる”包容力”が歌に説得力をもたせている。こんなスタイルのシンガーは30年前くらいまでは割と目にしてました。
ジャンルをシャンソンからJ-POPに向けて見ても、例えば、”葛城ユキ”。破天荒でワイルドな雰囲気が金子由香利とは異なりますが、酸いも甘いも嚙み分けた雰囲気は共通しているところです。
この系譜から80年代後半に”中村あゆみ”そして90年代に突入すると”プリンセス・プリンセス”が登場します。経験豊富な女性像もこのくらいの年代なると、”スナックのママ”から”先輩の女子”くらいまでイメージは変わっていますが、”経験豊富=先輩女子”シンガーはたくさんいました。その後、小室哲哉軍団はじめダンスミュージックが世間を席巻し、ロック・フィールドではJUDY AND MARYなんかが活躍するようになると、もう憧れの対象としての”経験豊富な先輩女子”シンガーはなりを潜めてしまい、等身大とか同じ目線みたいな価値観がどっと傾れ込んできて、年長者に憧れるという風潮が激減してしまったことと無関係ではないように思います。
ですが今、また大人のシンガーにスポットがあたろうとしています。
とはいえ年長者に憧れる風潮が戻ってきているとは全く思えないので、そこになにがあるのか?とっても興味深いテーマです。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
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