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ステレオ視における画素同士の関係

はじめに

 前回は、ステレオ方式での、三角測量の計算過程を解説しました。2次元のときとは異なり、行列計算で導出したことと私の解説不足でなかなか理解が難しかったかも知れません。ただ、カメラ1とカメラ2の画素座標と相対的な位置関係(回転行列Rと並進行列t)から交点を求めているのだということがご理解いただければ良いです。
 本マガジン最後の投稿となります今回の記事では、前回の式を変形して、プロジェクタのある画素から投影した光がカメラのどの画素で見えるのか、画素同士の関係を式で表したいと思います。

三角測量の式を変形

 前回4つの式で三角測量の計算(式7)がこちらです。今回は、uc2,vc2がプロジェクタの画素だと考えてください。

$$
\begin{cases}
a_{11}X_{c1}+a_{12}Y_{c1}+(a_{13}-u_{c1})Z_{c1}=-a_{14}\\
a_{21}X_{c1}+a_{22}Y_{c1}+(a_{23}-v_{c1})Z_{c1}=-a_{24}\\
(b_{11}-u_{c2}b_{31})X_{c1}+(b_{12}-u_{c2}b_{32})Y_{c1}+(b_{13}-u_{c2}b_{33})Z_{c1}=u_{c2}b_{34}-b_{14}\\
(b_{21}-v_{c2}b_{31})X_{c1}+(b_{22}-v_{c2}b_{32})Y_{c1}+(b_{23}-v_{c2}b_{33})Z_{c1}=v_{c2}b_{34}-b_{24}
\end{cases}
$$

前回はX,Y,Zについてまとめましたが、今回はuc1、vc1、Xc1、Yc1についてまとめてみます。

$$
\begin{pmatrix}
-Z_{c1} & 0 & a_{11} & a_{12}\\
0 & -Z_{c1} & a_{21} & a_{22}\\
0 & 0 & b_{11}-u_{c2}b_{31} & b_{12}-u_{c2}b_{32}\\
0 & 0 & b_{21}-v_{c2}b_{31} & b_{22}-v_{c2}b_{32}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
u_{c1}\\
v_{c1}\\
X_{c1}\\
Y_{c1}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
-a_{14}-a_{13}Z_{c1}\\
-a_{24}-a_{23}Z_{c1}\\
u_{c2}b_{34}-b_{14}-(b_{13}-u_{c2}b_{33})Z_{c1}\\
v_{c2}b_{32}-b_{24}-(b_{23}-v_{c2}b_{33})Z_{c1}
\end{pmatrix}
$$

そして、前回と同様に行列を変数で表現します。

$$
\bm{A} = 
\begin{pmatrix}
-Z_{c1} & 0 & a_{11} & a_{12}\\
0 & -Z_{c1} & a_{21} & a_{22}\\
0 & 0 & b_{11}-u_{c2}b_{31} & b_{12}-u_{c2}b_{32}\\
0 & 0 & b_{21}-v_{c2}b_{31} & b_{22}-v_{c2}b_{32}
\end{pmatrix}, 
\bm{b} = 
\begin{pmatrix}
-a_{14}-a_{13}Z_{c1}\\
-a_{24}-a_{23}Z_{c1}\\
u_{c2}b_{34}-b_{14}-(b_{13}-u_{c2}b_{33})Z_{c1}\\
v_{c2}b_{32}-b_{24}-(b_{23}-v_{c2}b_{33})Z_{c1}
\end{pmatrix}
$$

そして行列Aに逆行列が存在するならば、uc1,vc1,Xc1,Yc1は次のように求めることができます。

$$
\begin{pmatrix}
u_{c1}\\
v_{c1}\\
X_{c1}\\
Y_{c1}
\end{pmatrix}
=
\bm{A^{-1}b}
$$

これで、プロジェクタとカメラの画素同士の関係を式で表すことができました。

おわりに

 今回の記事が、本マガジン最終記事となります。如何だったでしょうか。このような記事を書くのは初めてで、至らない点が多々あったかと思います。他の投稿者の記事なども参考にさせていただきつつ、今後の記事を良くしていけたらと考えております。
 ここまでお付き合いいただき有難うございました。引き続き、別のテーマで記事は上げていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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