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友達100人できるかな

訪問看護師さんと食事をした。
毎日毎日、訪問してくれていた看護師さんだ。

この方に会うのは正直つらくて、しばらく会えないだろうと思っていたから、連絡するのを避けていた。
けれど先週、もう会ってみようかな、とふと思った。

予定を合わせて、約ひと月ぶりに会った。
ガッツリ肉を食べたいと思っていたので、焼肉屋でご対面。

きっと顔を見たら号泣すると感じていたけれど、むしろ逆で最後は笑いが出てくるいい時間になった。
夫のことを共有できる数少ない一人で、話したいこともいっぱいあったけれど、思い出話と、後悔を少し話したくらいで、今後の私の方向性とかを話してあっという間に時間は経ってしまった。

外に出たのも久しぶり、人に会うことも滅多にないので、私もうれしかったのだろう。

ガッツリ、肉を山のように食べて、お互いすっきりして、良い時間を過ごせたと思う。
まだ本調子ではないけれど、ずいぶん元気になったなと、また感じた。
いい感じでリハビリは進んでいるようだ。

看護師さんに
「そろそろご友人にも連絡を取ったらどうですか」と言われ、すぐに思いつく友人に、夫が亡くなったことをショートメールで知らせることができた。

何度もこの友人宛にメールを送ろうとしたけれど、送れなかった。
今日の看護師さんの一言で、送ることができた。

本当に数少ない友人。犬好きの彼女。

少ししたら、彼女から電話がかかってきた。
「大丈夫?」と、優しい声がして、すぐに涙が出てきた。
そう、彼女は天使のような澄んだきれいな声をしている。
だから、声を聞くだけで泣いてしまう。

一連の流れを話し、心がスンッと軽くなった。
何年も会わなくとも、好きな人は変わらず好きなんだなぁ。
一瞬で戻れるし、頑張っている彼女の話を聞いているうちに、勇気をもらえて嬉しくなった。

「のんびりでいいよ、ゆっくりゆっくり」と言ってくれた。
そうだね、ゆっくりいくよ。

夫が一番の親友で心友だったので、友達は要らないと思って生きてきた。
夫がいなくなった今、友達がいないことに気がついた。

そうだ、私は友達を作ってきていなかった。
自分で決めてきたことだけれど、友達いないのはこれからの人生つらいよなと思った。

けれど、「はい、友達作ります!」って言って、できるもんじゃぁないし
そもそも私は友達がたくさんいるって嘘っぽい、と思って生きてる、かなり斜めに曲がった人間だからなぁ。

めちゃめちゃ厄介な人間だ、だから、友達がめっぽう少ない。

さぁこれから、友達探しも始めようと思う。
これから出会っていく人を大切にしながら、合うところを見つけながら、仲間を作っていけたらいいな。
希望、希望。

まっ、これまでのことはすっかり忘れて、出直すので、なんとかなる。
なんとかなるだろう。

3ヶ月待ちの掃除機が間も無く届くそうだ。
夫からの最後のプレゼントなんだろうなと思う。
だって、ひと月さえも待ってないんだから。
掃除をしなさいってことかな、そうだよね。
まずは家をきれいにして、整える。
そうするよ。ありがとう。

振り返り
この友人とは、営業マン時代に出会いました。
必死に目標を追いかけていた時代、超個性派の彼女とは曲がった感じもよく似ています。
いまだに、友達は増えてはいませんが、そのうちなんとかなーるだろうで、棚上げ中です。
                         (28日目)


新堂きりこ



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